家族の健康を守るママは、被災時にも家族に元気になってもらうために、できるだけ備えておきたいと思うことでしょう。
非常食には命を繋ぐだけでなく、心を癒す効果も期待されています。
家族の心を豊かにするための、非常食の備えについて考えてみましょう。
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エネルギー補給に◎話題のスイーツ缶ローリングストックで備える
この記事の目次
非常食にこそおやつ!スイーツがもたらす効果とは
被災経験者の体験談やアンケート結果を見ていると、
- 被災時に甘いものが食べたくなった
- 甘いものがあって心が満たされた
なんて声が寄せられており、被災時には普段以上に甘いものを欲する傾向があることがわかります。
非常食にスイーツをプラスすることをおすすめしたい理由をご紹介しましょう。
被災時に甘いものが欲しくなる心理
レシピサイト大手の「クックパッド」では、ママが知りたい非常食情報についての連載記事を掲載しています。
その中の記事のひとつ「被災後の心理的ストレス軽減に効果あり!覚えておきたい非常時の簡単スイーツレシピ」の中では、在宅避難経験のある方へアンケート調査をした際のコメントが載っています。(※1)
食に関するアンケート回答より
- 子どもも自分も、1日の楽しみに毎日1個だけチョコレートを食べた。
- 1つのチョコレートでみんな笑顔になり、心が豊かになった。
- 食べ慣れたものや好きなお菓子を置いておくと、わずかな喜びと日常を味わえると思う。
- 小さい子どもがいたので、気が紛れるお菓子が大事だと思った。
- 甘いものを食べると心が落ち着いた。
被災時には食事が健康維持だけでなく、心のケアの役割も果たすことがわかります。
大きな災害が起きると、恐怖や不安など様々なストレスが一気に押し寄せます。さらに避難生活が続くと、不安定な生活が長期化するゆえのストレスも加わるでしょう。
そんなときに甘いものを食べると、気分を変えたり、ホッとさせたり、日常を思い出すことができるのです。
震災の体験談からわかるスイーツの力
被災時のスイーツの必要性がよくわかるのが、宮城大学の石川准教授が語る体験談です。
石川准教授は東日本大震災で自身が被災した経験から、心をホッとさせる甘いものを常備しておくことを勧めています。
東日本大震災の体験談より
東日本大震災発生後にとあるケーキ屋でケーキを買うことができ、それを持ち帰って懐中電灯の薄明かりの下で妻と食べました。そのケーキは、体の細胞1個1個にエネルギーが染み渡る感じで、これまでの人生で食べたケーキの中で、文句なく一番おいしいケーキでした。(※2)
被災でこわばった体に、甘いものが染み渡って緊張を解いていくのが伝わる体験談です。
甘いものには脳を活性化させ、気持ちを落ち着かせる効果があると言われています。
その理由のひとつとして、スイーツに含まれるブドウ糖とセロトニンとの関係が挙げられています。
memo
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、精神的な安定に欠かせないものです。
このセロトニンはトリプトファンというアミノ酸から生成されるのですが、ブドウ糖はトリプトファンを脳内に運ぶ重要な役割を果たしているのです。
ブドウ糖の不足はセロトニンの不足にも繋がり、被災時に精神バランスを崩す原因になってしまうかもしれないのです。
東日本大震災発生時には、非常食だけではなくお菓子が救援物資として送られました。
関西の菓子店を紹介するホームページ「関西スイーツ」の運営者である三坂さんは、複数の菓子店の要請を受けて焼き菓子180万円分を救援物資として送ったそうです。
三坂さんは「震災後に初めて甘いものを口にした被災者から『ほっとした』という声を聞いた。甘いものには心も体も安らげる力がある」と語っており、甘いものが切実に求められていたことがわかります。(※3)
家族の体と心の健康を守りたいと思うママであれば、もしもの時のために甘いものを用意しておきたいと思うのではないでしょうか?
ここからは、実際に非常食として購入するためにおすすめのスイーツをご紹介します。
被災時に頼れる!エネルギー補給におすすめのおやつ
甘くて食べるとホッとできるだけでなく、エネルギー補給もできるおやつがあれば、もしもの時に安心できますね。
おやつとしても非常食としても頼れるものをご紹介しましょう。
栄養価が高いおやつなら一石二鳥!
手軽に食べることができ栄養価が高いおやつを選べば、体のためのカロリー補給と心のための甘いもの補給を一度に行うことができます。
その点で最近SNS等でも注目されているのが、「えいようかん」です。
井村屋「えいようかん」「チョコえいようかん」
和菓子製造会社として老舗の井村屋が、災害用に販売している羊羹です。
パッケージも災害用になっており、停電時や大きな持ち出し袋の中でも見つけやすいようにと、「備」という文字が大きくホログラム加工されてプリントされています。
賞味期限も5年間と長めなので、防災リュックの緊急用非常食として入れておくのにおすすめです。
1本あたり171kcalで、加熱調理や水を必要とせずにカロリー補給できるので非常時に役立つでしょう。
新発売の「チョコえいようかん」は、「羊羹なのにガトーショコラみたいな味わい」と高評価を得ていますので、こちらもぜひお試しくださいね。
井村屋のスイーツには、他にも常温保存でき、賞味期限が6ヶ月~1年のものが色々と揃います。
幅広い世代に人気のカスタードプリンや
片手で簡単に食べられて、冷やしても美味しいわらびもちもありますよ。
check!
片手で食べられるおやつは、はさみなども必要なく子どもでも手を汚さず食べられるので、被災時にも役に立ちます。
いつもしもスタッフが先日コンビニで見つけた「片手で食べられる小さなようかん」は賞味期限も1年近くありました。コンパクトで軽いので持ち出し用にもローリングストックにもおすすめです。(2021年6月追記)
チョコレートは非常食になる?
「甘いもの」と聞いて一番に思い浮かべるのはチョコレートではないでしょうか?
カロリー補給ができる点でも、甘みが強いという点でもチョコレートは非常時にぜひ食べたいおやつです。
しかし、溶けやすいというデメリットがあります。
そこでおすすめしたいのが、「チョコペン」と「マーブルチョコ」です。
チョコペンはひとつずつパッキングされているので溶け出す心配がなく、形状変化もしにくいので非常食として注目されています。
警視庁の公式ツイッターでも、注目の非常食として紹介されていました。
チョコレートを非常食として準備している方もいると思いますが、夏の時期はどうしても溶けてしまいます。でも、チョコレートペンなら大丈夫!そのままでも食べられるし、カンパン等にデコレーションすれば、ちょっとしたスイーツに。小さくて収納に便利なので、非常食のアイテムに加えてはどうですか。 pic.twitter.com/gSqbVba1RZ
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) August 7, 2018
ひとつのパッケージに色んな味のチョコペンが入っているので、どの味にするか選ぶのも楽しいでしょう。
賞味期限は常温で1年ほどなので、お子さんがいるご家庭におすすめです。ただし、湯煎が必要だったり、ペン先をはさみで切るタイプもあるので、非常用にはそうした手間が要らないものにしましょう。
マーブルチョコもひとつずつコーティングされているので溶けにくく、パッケージも小さめで蓋付きなので持ち運びに便利です。
カラフルな色合いで、見ていると気持ちも明るくなりそうですね。
この機会に、お子さんのお気に入りのチョコを防災リュックに入れてみてはいかがでしょうか?
個食パックで甘みをちょい足し
1人分ずつ小分けの容器に入ったジャムやはちみつ、チョコなどのスプレッドは湯煎やはさみも必要なく、普段の朝食やおやつにも使いやすいので、非常時のちょい足しアイテムとしてローリングストックに加えておくのもおすすめです。
パキッテはその名の通り片手でパキッと折ると適量が出てくるので、子どもにも扱いやすく手が汚れにくいのが特徴です。
スーパーで気軽に買えますし、朝食のパンに塗ったり、おやつのビスケットやアイスクリームにちょい足しすると喜ばれそうですね。
和菓子派には、あんこもあります。
コメダ珈琲が監修するこしあんは、小倉トーストにするのもいいですし、クラッカーにのせたりホットミルクに入れたりとアイデア次第で色々な使い方ができます。
大容量タイプだと余ってしまいがちですが、こちらは使い切りサイズなのでその心配もありません。常温保存で賞味期限は購入時から1年近くありました。
長期保存が可能なお菓子
非常食の定番、ビスケットは保存期間も長いので便利です。「ビスコ」の保存缶ならば、5年間は保存可能で非常食にぴったりです。
食べなれている味なので、お子さんだけでなく大人もホッとするでしょう。
ビスコ5枚分には一億個の乳酸菌が入っているそうなので、被災時の便秘対策にも役立つでしょう。中身は5枚ごとに個包装された袋が入っているので、ご近所さんと分け合うためにも重宝します。
備蓄していた #ビスコ保存缶 が無事に5年の賞味期限を迎えたため、編集部に持参して皆で試食✨蓋を開けると見慣れた小袋がすっきりと収まっていました。お味は予想以上にいつものビスコ!長期避難などの不安な日々に、昔ながらのいつもの美味しさは年齢問わず安心を与えてくれそうです🥰 #いつもしも pic.twitter.com/45UXVLDXAg
— いつもしも◇子どもとママの防災 (@itumosimo) March 14, 2022
check!
おなじみのマリービスケットからも、長期保存タイプが発売されました。味はいつものマリーと同じで、製造から6年間の長期保存が可能とのこと。コンパクトなパッケージで3枚ずつの袋入りなので、被災時にも分けやすくごみが少なく済むのもポイントですね。(2022年2月追記)
非常食のアルファ米でも有名な尾西食品のミルクスティックも長期保存に対応しており、賞味期限は約5年。軽くてかさばらないので、防災リュックに入れてもいいですね。普段のおやつとしてローリングストックにも適しています。
今すぐ食べたい!最新スイーツ缶事情
非常食として甘いものが注目される中で、スイーツ缶が進化を続けています。
気になるスイーツ缶を調査しました。
缶詰スイーツの進化が止まらない
上述の体験談からも、被災時のスイーツには心を満たす効果があります。
心を満たすためには、ただ甘いものというだけでなく、心から美味しいと思えるものである必要があるでしょう。
最近は非常食メーカーでもスイーツ開発に力が入れられていて、クオリティの高い新作スイーツが次々と発売されています。
特に缶詰に入ったスイーツが人気で、食品メーカーからも多くの缶詰スイーツが出ています。
缶詰スイーツを日常のおやつに、また非常時の備蓄にと買い置きする方も多いようですね。
普段のおやつとしても食べたい、人気の缶詰スイーツをご紹介しましょう。
トーヨーフーズ「どこでもスイーツ缶」
トーヨーフーズは主に非常食を手がける会社で、「そのままガバッと!シリーズ」など、非常時でも美味しく栄養補給ができるアイデア商品を開発しています。
その中でも、どこでもスイーツ缶は味・食感などのクオリティの高さが評価され人気商品となっています。
どこでもスイーツ缶は3種類の味があります。
- チーズケーキ
- ガトーショコラ
- 西尾抹茶のチーズケーキ
どれも缶詰とは思えないクオリティの高さが反響を呼んでいるそうです。
気になることは試さずにはいられない、いつもしも編集部。早速試食してみました!
試食してみた感想は…
チーズケーキ
ガトーショコラ
西尾抹茶のチーズケーキ
名前の通り、被災時だけでなく外出先でも、会社のロッカーに入れておくおやつにも、子どものおやつにも、いつでもどこでも本格的なスイーツを楽しめるのが魅力です。
缶切りが不要で被災時にも便利ですし、賞味期限は約3年。柔らかくて食べやすいのでお子さんやお年寄りがいるご家庭に人気の商品です。
トーヨーフーズはほかにも「カップケーキ缶」などアイデア商品を多数発売しています。
はごろもフーズ デザート
シーチキンやさば缶などの缶詰が人気のはごろもフーズですが、デザートを缶詰にしたシリーズもあるんですね!
朝から シリーズには、フルーツ缶も含めて10種類の味がありますが、特におすすめはこちら。
- 朝からフルーツみつ豆
- 朝からフルーツ杏仁
- 朝からフルーツナタデココ
フルーツみつ豆
フルーツ杏仁
フルーツナタデココ
どれもフルーツが入っているので、さっぱりした甘さが特徴。まさにデザート感覚で食べられます。
南三陸モアイファミリー「モアイのカケラ」
モアイのカケラは、宮城県で人気のパン工房が、宮城県産「ひとめぼれ」の米粉を使って手焼きで焼き上げた、国産のラスクです。
職人のこだわりが詰まったラスクでありながら、保存用の缶詰に入っているので5年間の長期保存が可能です。
気になるお味は、以下の3つです。
- チョコレート味
- 仙台味噌味
- 黒糖味
もちろん、モアイのカケラも編集部で試食してみました!
試食してみた感想は…
災害グッズとして人気なだけでなく、贈答品としても多くの人に選ばれているようです。
グルメな方にぜひお試し頂きたい、本格派のラスクです。
いつものお菓子をローリングストックに
進化し続ける非常食を買い揃えるのも良いですが、普段から食べなれているお菓子で常温で半年以上の賞味期限があるものを多めに買っておき、ローリングスックを実践するのもおすすめです。
赤ちゃん用のお菓子は多めに用意
普段赤ちゃん用のお菓子を購入しているならば、多めに買っておくと非常時にも役に立ちます。
赤ちゃん用のお菓子はアレルゲン不使用のものが多いので、大人で食品アレルギーを持つ方の非常食としても使えます。
ぼうろやビスケットなどは未開封であれば賞味期限が長めのものが多いので、被災時のエネルギー補給のためにも、甘いものが欲しいときのためにも役立つでしょう。
また、赤ちゃん用のお菓子の中でも、カルシウムや食物繊維が配合されたものを選ぶことで、被災時の栄養補給のために備えることができます。
ただし、赤ちゃん用とはいえ、食べ過ぎると糖分の摂りすぎになってしまうので、被災時でも赤ちゃんや子どもにお菓子だけを与えることは避けましょう。
check!
乳幼児ママにはおなじみの赤ちゃんのおやつも、災害食用に5年半保存できるタイプが新たに発売されました。生後7ヶ月ごろから幅広い世代で食べられて、食物アレルギー対応(28品目不使用)なのも嬉しいポイントですね。(2020年12月追記)
クッキーは甘みと満足感のあるタイプが◎
クッキーやクラッカーは砂糖や卵、小麦粉が使用されているのでエネルギー補給ができますし、甘みがしっかりしたものならば満足感を得ることもできます。
いつも食べているクッキーを非常食として多めに買っておくと、被災時にもいつもの味を食べて安心できますね。
被災時にはパンやおにぎりなど水分のない食事が多くなるので、乾パンなどのパサパサしたおやつは敬遠されがちです。
クッキーもしっとりタイプのものだと食べやすく、子どもから大人まで満足できるでしょう。
子どもも大人も大好き!非常食代わりのスナック
被災時に子どもが好きな袋菓子があれば、不安を抱く子どもの気を紛らわせるのに役立ちます。
個包装になっているものを選べば、避難場所で一緒になった方やご近所さんに配ることもできて重宝するでしょう。
原材料がお芋やお米のものなら、炭水化物を摂取するための非常食代わりにもなります。
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近頃では、なじみのあるお菓子で長期間保存できるタイプも増えています。湖池屋では、”5年保存できるポテトチップス”を発売。普段から食べなれている味が、いつもの生活に違和感のないデザインで長期保存できるので、もしもの時にも「ほっとできる時間」が持てそうですね。(2021年9月追記)
水分補給もできるジュレ&ゼリー飲料
被災すると精神的な動揺もあり、固形の食事がなかなか喉を通らないことも。また、暑い夏場は食欲も失いがちです。
そんなときは手軽に口にできるゼリー飲料がおやつとしてもおすすめです。
飲み口のついたパウチタイプの飲料は、手を汚さずに飲めてかさばらないのでごみも少なく済みます。
非常時だけでなく、いつもの生活でも体調不良の時の水分・栄養補給に役に立つので、ローリングストックしておきましょう。
赤ちゃんでも1歳から自分で持って飲めるジュレタイプもありますよ。
まとめ
被災時に食べる甘いものには、心を満たす効果があります。
非常食をカロリーや栄養の観点から考えるのも大切ですが、心をホッとさせる甘いものも大切な備えと言えます。
家族の好きな甘いものをプラスして、非常食を彩り豊かなものにしてみてはいかがでしょうか?