1925年にラジオ放送が開始されてから、今年で100年。
テレビやインターネットなどさまざまなメディアが誕生しましたが、ラジオは今日も放送を続けています。
いつもしも編集部でも、日常的にラジオを聞くという人がチラホラ。



しかし、世間一般にはラジオのリスナー数は減っている現状があります。


災害時にラジオは重要な情報源となるため、普段からラジオを聞くことは防災にもつながります。
しかし、それ以前にラジオはエンタメとして魅力的なコンテンツでもあるのです。
この記事を読めば、


と思えるはず!
ぜひ最後までお付き合いください。
防災目線でのラジオの強みや選び方のポイントについては、こちらの記事で紹介しています。
あわせてご覧ください。
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やっぱり頼りになるのはラジオ!災害時にスマホだけでは不十分な理由を解説
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この記事の目次
ラジオを聞く人は年々減少…しかし!
一人一台スマホを持つようになって、娯楽の中心が動画コンテンツやSNSに移りつつある現代。
いつもしも編集部内にはラジオリスナーが意外といますが、世間ではラジオはおろか、テレビすらあまり見ないという人も増えてきました。
ラジオはこのまま消えゆくメディアなのでしょうか。
ラジオはオワコンなのか?
1925年に開局したラジオは広範囲に最新の情報を届けるメディアとして普及し、ピーク時の1970年代には 「家にラジオがある人」が95%を超えるほどになりました。(※1)
しかし、その後は徐々にテレビがメディアの中心となり、ラジオの聴取人口は減少。
2000年代後半からスマホが普及して、ますますラジオを聞く人は少なくなっていきます。
巻き返しを図るべく2010年にラジオが聞けるアプリ「radiko」が登場するも、リスナー数は依然低迷…。
このまま廃れていってしまうのか!?と危機にさらされたラジオ界に、転機が訪れたのは2020年でした。
コロナ禍に迎えたラジオの転換期
2019〜2020年に始まったコロナ禍では、社会的活動が大きく制限される生活となりました。
家で過ごす時間が増えたことで、radikoのユーザー数が増加。
2020年2月までは750万人前後だったアクティブユーザー数が、4月に緊急事態宣言が出てから900万人を超える事態となったのです。 (※2)

テレビでは「感染者数〇万人」「新たな変異ウイルスを確認」「第×派が到来」などのニュースが中心であった一方、ラジオでは「みんながどう生活しているか」を聞くことができました。
コロナ禍でZ世代を中心にラジオを聞く人が増えたのは、人とのつながりが求められていたからかもしれません。

みんなで語ろう!ラジオの魅力
コロナ禍で、改めてスポットライトが当たったラジオ。
日常が失われたとき、ラジオパーソナリティが作り出す番組の空気感に癒され、救われた人も多かったと思います。
ラジオパーソナリティとは?
ラジオ番組の進行をする司会者のこと。
MC(Master of Ceremonies)、DJ(Disk Jockey)、ナビゲーター、プレゼンターなどと呼ぶこともある。
この記事では「パーソナリティ」に統一。
人生のさまざまな場面で、ラジオを聞いてきたいつもしも編集部メンバー。
思い思いにラジオへの愛を語ってみました。
これほど発信者を身近に感じるメディアがあるだろうか
ラジオと動画コンテンツとの決定的な違いは、なんといっても発信者であるパーソナリティとの距離が近いこと。
パーソナリティの人間味あるトークを聞いていると、まるで同じ部屋にいるような感覚になることさえあります。

ラジオからのトークが、孤独と不安を紛らわせてくれたなぁ。

私も夜1人で山道を運転してるとすごく心細くなるけど、ラジオ聞いてると気が紛れるもん。

でも自分1人で寂しいときに、人の声を聞くとホッとするのはあるよね。
知っている人がラジオに登場することも
多くの人が情報発信するラジオでは、時に身近な人が出演することもあります。



リスナーの声が届くのが嬉しい
ラジオではパーソナリティが一方的に話すだけでなく、リスナーが参加することもあります。
番組宛にメッセージを投稿したり、曲をリクエストしたり、パーソナリティが出したお題に答えたりする形で番組に参加できるのです。


パーソナリティからの「試験がんばれ!」ってコメントが嬉しかったり。
リスナーも一緒に番組作りをしている一体感が味わえるのも、ラジオの魅力ですね。
昔はハガキ・電話・FAXでメッセージを投稿していましたが、今は番組のHPやSNSからも投稿できるようになっています。
「ながら聞き」がタイパ重視層に刺さる
ラジオは音声だけのコンテンツなので、何か別の作業をしながら楽しめるのも大きな利点です。


テレビや動画コンテンツだと手が止まっちゃうときがあるけど、ラジオだと聞きながら作業できるのがいいよね。


なにかと忙しい現代人に、やらないといけない作業をしながら楽しめるラジオはかけがえのない存在ですね。
動画の倍速視聴やマルチタスクなど、タイパの良さを求めるZ世代にも、ラジオは受け入れられやすいと言えます。(※3)
気軽にラジオを聞いてみよう
ラジオのあふれる魅力がわかったところで、実際にラジオを聞いてみましょう。
ラジオが家になくても、心配ご無用!
いつも使っているデバイスで、ラジオを聞くことができるのです。
ラジオ本体がなくても大丈夫!
ラジオを持っていなくても、ラジオを聞く手段はいくつかあります。

もしものときもすぐにアクセスできて便利なので、まだの人は友だち登録してみてくださいね♪
アプリで気軽にラジオを聞こう
普段気軽にラジオを聞きたいな…という場合に、おすすめなのはアプリです。
無料でダウンロードできるラジオアプリをいくつかご紹介しますので、使いやすいものを探してみてくださいね。
(※ アプリの情報は2025年5月時点のものです)
ラジオアプリの先駆け「radiko」
無料で使える主な機能 | 有料プランで使える主な機能 |
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NHKラジオを聞くなら「らじるらじる」
無料で使える主な機能 | 有料プランで使える主な機能 |
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インフルエンサー多数!「Voicy」
無料で使える主な機能 | 有料プランで使える主な機能 |
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コミュニティFMが聞ける「ListenRadio(リスラジ)」
無料で使える主な機能 | 有料プランで使える主な機能 |
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ポッドキャストとは?
インターネットで配信されている音声コンテンツ。
電波で放送されるラジオはその時間・その場所の番組しか聴取できないのに対して、ポッドキャストはインターネット上に公開されているため、いつでもどこでも聴取することができる。


推しがラジオへの入り口になる
多くの有名人が自分の番組を持っているのも、ラジオのいいところ。
好きな有名人がいるなら、その人のラジオ番組がないか探してみましょう。

学生時代も好きな有名人のラジオ番組聞いてたなぁ。

ラジオってパーソナリティの素が見られる気がするんだよね。


【#星野源 、リスナーに結婚生報告】
星野源さんが、5/26(火)の『星野源のオールナイトニッポン』に出演。#新垣結衣 さんとの結婚を報告しました。https://t.co/dSGybRgrDa#radiko #ラジコ #jolf #星野源ANN @gen_senden
— radiko (@radiko_jp) May 27, 2021

迷ったら王道の人気番組がおすすめ
ラジオをまったく聞いたことがない人は、まず王道の人気番組を聞いてみるのはどうでしょうか。



また、地域局での看板番組もおすすめです。
今いるエリアのラジオ局が知りたい場合は、総務省の全国民放FM局・ワイドFM局一覧で探してみてくださいね。

パーソナリティが方言でトークしてるのを聞くと、ほっこりする。
たくさんのラジオ番組の中から、お気に入りを見つけてみてくださいね。
ラジオで広がる新しい世界
SNSでは、自分の興味のある内容ばかり表示される(フィルターバブル)や、志向性の似た人とつながりがち(エコーチェンバー)になってしまうことで、情報が偏ってしまう面があります。(※4)
一方で、ラジオは普段自分が触れないような情報を届けてくれるため、新たな発見につながることがあるのです。

地元から離れて初めて住む場所だったから、その土地のいろいろな情報が聞けたのはよかったな。


ラジオアプリの登場によって、番組内で流れた曲の情報を確認することができるようになりました。

昔はパーソナリティの英語の発音が良すぎて、曲のタイトルが聞き取れないことも結構あったからね。
情報があふれている社会でも、自分で好きなものを調べて探し出すのはなかなか難しいですよね。
新しい世界を知ることができる偶然性も、ラジオが持つ魅力の一つです。
令和の小学生とラジオ
コロナ禍を機にZ世代ではラジオリスナーが増えた一方で、もっと下の世代にとってラジオはどのような存在なのでしょうか。
令和の小学生である息子と娘、それぞれのラジオへのアプローチをご紹介します。
小学生リスナー 息子へのインタビューを見るラジオ初心者 娘のチューニング体験を見る
小学生リスナー 息子へのインタビュー
コロナ禍の緊急事態宣言で休校になったのをきっかけに、スマートスピーカーでラジオを聞くようになった息子。
ラジオを聞くようになって2年ほど経った小学4年生のときに、ラジオについて話を聞いてみました。
居住エリア
東京都内 23区西部
ラジオを聞くタイミング
朝学校に行く前、学校から帰ってきておやつを食べているとき、休みの日の午前中 など
好きなラジオ番組
ゴゴモンズ、アナと日曜のパーマ(いずれも埼玉のFM放送局NACK5(79.5MHz)の番組)

ヒマだからラジオ聞いてみたら、意外と面白かった。


ラジオのどういうところが面白いって思う?


NACK5ばかり聞いてるけど、埼玉の話題が多いんじゃない?わかる?




ラジオはテレビやYouTubeとどう違う?
自分のPCやスマホを持ったら、僕も送ってみたいな。




友達に教えてもらった東京FMやTBSラジオを聞いてみたんだけど、やっぱりNACK5のほうが面白いかな〜。有名人が出てるし!




最近の流行ってる曲はよく知らないから、僕はそっちのほうがいい。

そういえば前にTHE ALFEEの曲を気に入ってたよね。それもラジオで聞いたの?

息子にラジオのリスナー体験を聞いていると、気づいたことがありました。
- ラジオを通して新しい情報を取り入れている
- 番組パーソナリティに親しみを感じている
- 令和の時代にラジオを聞いている小学生はゼロではない
息子はテレビやYouTubeも大好きですが、ラジオに独自の魅力を感じているようでした。

ラジオ初心者 娘のチューニング体験
日常的にラジオに親しんでいる息子とは対象的に、自分からはまったくラジオを聞かない娘。
ラジオに少しでも興味を持ってもらおうと、アナログラジオのチューニングに挑戦してもらうことにしました。



これをチャンネル合わせて、ラジオを聞いてみない?

ラジオを手渡すと、娘はラジオについているスイッチやダイヤルを見て困惑した様子。


ここが音量のダイヤルで、ここが電源ボタン。

娘がラジオの電源を入れると、めちゃくちゃ小さい音で「ザザザ…」とノイズ音が流れました。


使い方を理解すると、自分ですぐチューニングすることができました。


もし1人のときに地震とかの災害が起きたら、自分でラジオ合わせて聞けそう?

自分でラジオをチューニングできたことが自信になったのか、その後娘はしばらくラジオを聞いたり、他の局に合わせてみたりしていました。
実際にやったことがあることは、もしものときに「あれが使えそう」と思い出すこともあるかもしれません。

小学生が楽しく防災を学ぶためのアイディアを、こちらで紹介しています。
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やってみよう|いつもしも with Kids
小学生向けの防災学習ページ
続きを見る
ラジオを楽しむことが「もしも」の備えになる
いつもしも編集部のスタッフやわが子と話していると、それぞれが感じているラジオの魅力に共通点があることがわかりました。
ラジオの番組やパーソナリティは身近な存在でありながら、そこから自分の知らない世界や他のリスナーにもつながっているのです。
普段からラジオに慣れ親しみ、その魅力に触れることが、もしものときの情報収集に必ず役立つはずです。
災害時にラジオがどう役立つのか、こちらの記事でまとめましたので、併せてご覧ください。
まずはスマホでラジオアプリをダウンロードして、楽しみながら災害に備えましょう!