あとで読む

お役立ち情報 防災知識と対策

広さや価格、アクセス以上に重要? 防災視点からの土地探しのポイントとは

2020年9月18日

災害に強い土地

家を購入する・新築することになったら「どこに建てるか」は非常に大きなポイントになります。

勤め先や子供の学校へのアクセスや所要時間、病院や学校、スーパーなどの生活上必要な施設が周辺にあるかどうか、その地区の治安、そして土地の価格などなど。

さらに今後、ぜひ検討材料として盛り込んでほしいのが「防災」という視点です。

日本全国どこで起こっても不思議はない地震や火災はもちろん、各地で台風などによる水害が頻発する昨今を考えると、少しでも安全な場所に我が家を構える意識は非常に重要です。

生涯で最大の買い物といえる家が、安心・安全であるためにも、土地探しには防災視点を取り込むべきです。

そんなとき、大きな助けになってくれるのが市町村などから発行されている「ハザードマップ」や国土地理院による「主題図」です。

早速土地探しにおける活用法を見ていきましょう。

*家を購入する予定の方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

関連記事
一戸建て
これからの家選びに必要なポイントとなる 「防災視点」ってなに?

引っ越し、あるいは家の新築や土地購入を考える際、最初に住みたい家の様々な「条件」を挙げて、その条件にできるだけ近い物件を絞り込む・建築計画するというのがオーソドックスなスタイルですよね。 「条件」には ...

続きを見る

防災面を考えた土地探しのカギは、ハザードマップにあり

水害ハザードマップ家を建てる土地を探すとき、強い味方になるのが「ハザードマップ」(防災マップ、被害予想図、被害想定図、アボイドマップ、リスクマップなどとも呼ばれます)などの地図です。

国土交通省のホームページや市町村などで配布している主題図やハザードマップでは、水害や地震リスク、土地の強さなどを調べることができますし、過去にどのような災害が起こったかは防災科学技術研究所の「災害年表マップ」などで調べることができます。

同じ市区町村内でも、近くに河川があるかどうか、地盤の強弱などにより、災害リスクは大きく変化しますから、ある地区内で家を探す場合も、ハザードマップをしっかりチェックしてから、家を選定するとよいでしょう。

また、すでに家を建てる土地が決まっている場合は、その地点の災害リスクをハザードマップ等で調べて、起こりやすい災害への対応策を練ることが大切です。

土地が決まったあとの活用法については、こちらの記事をご覧ください。

関連記事
ハザードマップと避難場所シール
ハザードマップの取説~ハザードマップとはなにか、活用法まで徹底解説!

災害警報が出るたびにニュースなどで耳にする「お住まいの地域のハザードマップを確認して、安全な場所に避難してください」というフレーズ。 地域の役所などから配布されて、ちらっと見たことはある気がするけれど ...

続きを見る

災害リスク別・土地探しのポイント

災害別ポイントまとめ地震、水害について、防災を考慮した土地・場所選びの際、注意する点や条件のポイントを簡単にまとめました。

地震に備えるなら「地盤の強さ」に注目

地震に強い地盤は、ざっくりいうと「硬い地盤」を指します。

岩盤や砂礫を多く含む土地は、硬くしまりがあり、地震の際には揺れにくい性質があります。

逆に弱い地盤とは「柔らかい地盤」といえます。

柔らかい粘土や密度が低い砂から成り、土の強度が弱い地盤を「軟弱地盤」と呼びます。

昔、湖沼、河川、池、海だった場所を埋め立てた土地などは水分を多く含む場合も多く、地震が起こると土地の液状化が起こりやすくなります。

土地が液状化すると地盤沈下によって地下のガス管や水道管などが破損したり、土地が部分的に陥没して建物が傾斜するなどの被害が発生する可能性が高くなります。

地盤の強度を調べる方法としては、自治体などが発行しているハザードマップで確認するほか、専門家(会社)に地盤調査を依頼するという手もあります。

一般的な地盤調査には「SS試験」「SWS試験」とも呼ばれる「スウェーデン式サウンディング試験」が用いられます。 土質を調べて液状化リスクを調べる方法には「SDS試験」と呼ばれる地盤調査方法などがあります。 これらの調査で地盤が弱いと判明した場合は、安全性を高めるための地盤改良工事などが必要です。

水害に備える場合は「河川との距離」、「土地の高さ」、「土砂災害の起こりやすさ」をチェック

過去に水害被害が多い地域はもちろん、近年の異常気象により全国的に水害被害が増えていることを考えると、どの地域に住む場合も水害リスクを想定して、家選びを行うことが大切です。

河川との距離が近い場所、過去に沼地や水辺だった地区などは、水害リスクが高いといえそうです。

海や川に近い、海抜ゼロメートル地帯のような低い場所は堤防の補強や排水ポンプの設置などの対策が取られていますが、それでも豪雨の場合の浸水リスクは大きくなるようです。

また周囲に比べて相対的に低い場所にも注意が必要。

海や川から離れている場所でも、高台の下に位置する土地は、大雨が降ると道路が川のようになって坂道を水が流れてくるため浸水リスクが想定されます。

同じ地区にある平地の場合も、自分の土地だけ低い(盛り土が近隣と同じだけされていない)ような場合は、豪雨の際に水が一気に流れ込む窪地のようになってしまいます。

とくに地面を掘り下げて建てられている住宅などは、豪雨などの際に玄関などから室内に水が流れ込んできたり、トイレやお風呂などに下水が逆流してくる危険があります。

また、水害による土砂災害のリスクを考えれば、近くに崖などがないことを確認することが大切ですし、山のそばの地盤の弱い土地は土石流(山津波・地すべり)も起こりやすくなります。

ニュータウンのような山を切り拓いて造成された住宅地の場合は、盛土の土地よりも切土のほうが、地盤の強度が保たれやすく、土砂崩れなどの安全性が高いと言われています。

盛り土と切土

切土と盛土

  • 盛土…低い地盤や斜面に土砂を盛り上げて高くした場所
  • 切土…高い地盤や斜面を切り取って低くし、平らな敷地を造成した場所

購入したい土地の区画が、盛り土なのか切土なのかは、しっかり調べておきたいものです。

土地探しの際にはハザードマップでその土地の具体的な災害リスクを知るのがポイント

河川敷まずは、住みたい場所の一般的な地図を見て、どのような土地なのかを確認。

駅やスーパー、病院、学校など、生活に欠かせない施設がどこにあるのかを確認するのも大切ですが「大きな川・海が近い」「思った以上に、土地に高低差がある」などの地形もざっくりと把握しましょう。

そのうえで、各自治体などが発行している各種ハザードマップを見て行けば、その地域で起こりやすい災害や、想定される被害、地域内での比較的安全な場所などがわかります。

過去の災害履歴を調べる

災害年表マップ家を選ぶときは、その地域に「冬にはかなりの積雪がある」「風がかなり強い土地柄らしい」「毎年、台風のルートになっている」といった気象上の特性も把握できるとよいでしょう。

過去の災害状況については、防災科学技術研究所が提供している「災害年表マップ」が役に立ちます。

このマップは、地震・火山災害、風水害、斜面災害、氷雪災害などがどの地域でいつ起こったかを詳しく示しています。

水害リスクを調べる

重ねるハザードマップ水害に強いエリアを調べる場合は、全国の各市町村が出している「浸水予想区域図」、「洪水ハザードマップ」、「土砂災害ハザードマップ」などを確認します。

マップ上に黄色や緑色で色分けされた地域は浸水リスクが比較的低い場所。

青色や濃い青色で示されている場所は「地盤が弱い」「過去に沼地や水辺だった」「河川に近い」など、浸水リスクの高いエリアといえます。

水害リスクを調べる際、参考になるサイトとしては以下のサイトもおすすめです。

地震リスクを調べる

地盤サポートマップ地震は日本全国、どこにでも発生する可能性がありますから「ここなら安心」と言い切れる場所はありませんが、地震の規模や震源地からの距離が同じ場合も、地盤の強さによっては震度や被害の大きさが異なるケースがあります。

埋め立てで造成された土地は、やはり地盤が柔らかく、地震による液状化や地盤沈下のリスクが高くなり、大規模な地震が襲うと土地ごと崩壊してしまう場合も。

逆に地盤の固い土地は、そうしたリスクは比較的低いといえます。

地盤の強さや土地の液状化予想などを調べるなら、国土地理院の「土地条件図」などのほか、ジャパンホームシールド株式会社が運営している「地盤サポートマップ」がわかりやすく参考になります。

医療施設や小中学校の校区なども一緒に表示してくれるので、土地探しに便利です。

地震ハザードマップ」には、各市町村の地盤や断層の状態から判断した、地震の発生地点や被害範囲予想が書き込まれているほか、想定される最大震度や液状化危険度、大規模火災発生の危険度、建物全壊率なども記載されている場合があります。

また地震による津波についても、大規模地震で津波が発生すると予想される地域では「津波に関するハザードマップ」「津波浸水想定」などが発表されていますから、参考にするとよいでしょう。

火災リスクを調べる

わがまちハザードマップどんな場所に住んでも避けて通れないのが火災です。

これまでに大火災があまり起こっていない地域であっても、うっかり油断すると自分が火元となってしまう可能性もありますから、火災リスクと住む場所はあまり関係がないように思えますが、実際に火災が起こった際、家の周囲の道幅が狭いことで消防車が入れず、消火活動が難航する場合があります。

また、建物が密集している地域で道幅が狭いと、延焼リスクが高まります。

住みたい場所の周辺の道幅もマップで十分にチェックしましょう。

近くに化学工場などがある場合、火を使う施設がある場合も、火災リスクは上がりますが、逆にそうした施設には火災が起こった場合のために自前の消火設備や防火用貯水槽などを備えていることもあるので、しっかり確認するとよいでしょう。

一部ですが、火災に関するハザードマップを作成している自治体もあります。

国土地理院の「わがまちハザードマップ」で各自治体のハザードマップ公表状況を確認することができますので、住みたい地域が該当している場合は目を通してみましょう。

自治体ごとに注意すべき災害を調べる

そのほか、家を建てたいと考えている地域の雪害・風害、津波の被害などについても、各自治体のハザードマップをチェックしましょう。

各地域の起こりやすい災害については、自治体がハザードマップを独自に作成している場合が多いので、どのような種類のマップが発行されているかをチェックするだけでも、想定すべきリスクがある程度、把握できます。

まとめ・土地探しを決めたら、同時に防災視点を加味した情報収集をはじめるのが成功のポイント

ノートに書き込む手元ハザードマップは、災害時の避難等に役立つだけでなく、これから住もうとする家や土地選びにも役立つことがわかりました。

災害別にマップがわかれていたり、表示がやや複雑であるなど、初めて見ると「ちょっとよくわからない」と感じてしまいがちですが、家を建てようと考えている土地を中心にじっくりと見ていくと、様々な情報が詰まっていることがわかります。

いつもしもでも度々ご紹介している、複数のハザードマップを重ねてみることができるサイト「重ねるハザードマップ」なども利用して、家族で検討してみましょう。

またマップ情報以外にも、その地域に古くから住んでいる人の経験やアドバイスなどをできるだけ多く拾うことも重要です。

家を建てたい土地には、何度も足を運んで近隣の人に話を聞いたり、近くの商店の人との世間話の中から、防災を含むその土地の住みやすさや注意点を収集するとよいでしょう。

一度、購入して家を建ててしまったら、気軽には別の場所には移れないわけですから、土地選びはぜひ防災面も考慮に入れて、慎重に行いたいものですね。

あとで読む

この記事は役立ちましたか?

  • この記事を書いた人
odaao

odaao

女性誌・子育て誌・医療情報誌などでフリーライターとして執筆する40代ワーキングマザー。東日本大震災時の激しい揺れとその後の恐怖がいまだぬぐえず、今も地震の非常警報音に毎度飛び上がり、心臓バクバク。絶賛反抗期中の中学生の息子が震度4程度の地震では目を覚まさない図太さを、少々うらやましく感じる今日この頃。

-お役立ち情報, 防災知識と対策
-

© 2020 いつもしも