ママ防災士 リサの【いつもしも】~防災士になったきっかけ

2019年12月19日

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こんにちは、ママ防災士のリサです。
あなたは防災士という資格を知っていますか?

私が防災士の資格を取ったのは、東日本大震災で被災した3年後のことでした。
防災士は、子育て中のパパママにも取ってほしい資格なのですが、今回は、防災士とはどんなものか、そして私が防災士になった理由を私の被災体験と合わせてご紹介しますね。

防災士になる前の私

防災士は、防災の知識や技能を習得し、社会貢献することが期待されています。そのため、この資格を取る人は、人のために防災を学ぶボランティア精神が旺盛な人が多い印象です。

私は、中学・高校・大学とキリスト系の学校に通っていたので、奉仕の心を持ちなさいという環境で過ごしました。
でも、やりなさいと言われるとやる気を無くすタイプだったので、ボランティア精神は0でした。

東日本大震災で被災するまで、災害にも無縁な生活だったので、防災にもまったく興味がありませんでした。
なので、今私がママ防災士として子育て中の皆さんに情報を発信しているなんて想像もつかなかったです。

母の防災ボランティア

私の母は、10年ほど前から防災ボランティアで防災食レシピを考案したり、学校や企業で救命救急講習の講師をしたりと、幅広く活動しています。

母が活動を始めた頃、当時高校生だった私も時々ボランティアを手伝っていたので、防災の知識も多少ありました。
でも防災もボランティア活動にも興味がなかったので、手伝いもそこそこに東京の大学へ進学し地元の仙台を離れました。

東日本大震災の被災体験

2011年3月、楽しい大学生活はちょうど春休みで帰省中。
実家でネットサーフィンをしていたところにそれは起きました。

経験したことのない揺れに驚きながらもなんとか机の下に潜りこみましたが、揺れが強すぎて机から放り出され、デスクトップPCがお尻に落ちてきました。
もし頭にPCが落ちていたら大けがをしていたかもしれません。

家全体が大きく揺れたので、机の下に隠れ続けることができず、体が放り出され部屋の中を転げまわっていました。

電気・ガス・水道、電波も止まり家の中はぐちゃぐちゃ。

3月の仙台はとても寒く、間もなく日没という時刻、何をどうしたらいいか不安で仕方なかったのですが、防災ボランティアの活動をしていた母が本当に頼りになりました。

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母の備えからの学び

母は、日ごろから、備蓄食やガスコンロ、懐中電灯といった防災グッズを準備、浴室には常に水を張る、車のガソリンを常に半分以上保っている等、今となっては常識の防災対策をこの時から実践していました。

そのおかげで、被災しながらも、生活用水やガソリンに苦しむことも少なく、自衛隊の援助を待つことができました。
この時の母の姿を見て、防災知識は家族を守ることができると体感し、改めて防災に興味を持つきっかけになりました。

防災意識の目覚めと実現

被災から3年が経った2014年。
母から、防災ボランティアの活動の幅を広げるため防災士の資格を取りに東京へ来ると連絡がありました。

3年経っても東日本大震災の被災経験は忘れることができず、防災に興味を持つようになっていた私も一緒に防災士養成研修講座を受けることにしました。

防災士になるには

防災士とは、防災に対する・知識・技能を持っていることを日本防災士機構が認証した人のことをいいます。

防災士になるには、まず「防災士養成研修講座」「救命救急講習(心肺蘇生法やAED)」の2つを受講します。その後、防災士機構認証委員会の資格審査に合格する必要があります。

防災士になるには

防災士養成研修講習とは?受けるメリットは?

防災士養成研修講座は、防災の授業を2日にわたって受講します。
地震や津波といった災害のしくみ、防災対策や避難行動、ハザードマップ研修など幅広い範囲を学べます。

この講座を受けると、「災害が起きたら自分と家族がどう行動すべきか」という考え方が身につきます。

我が家は、私しか防災の知識を持っていないので、災害が起きたら、私が司令塔となり行動することになります。

でも、私が家に帰れなかったら…大怪我をしたら…と考えるとパパにも防災知識を持ってほしいのですが、あまり危機感がなく学ぶ姿勢がありません…。

家族みんなが防災知識を持っていれば、お互いを守ることができるので、防災の勉強は家族みんなでしてほしいと思っています。

わざわざ防災士の資格を取らなくても、TVの防災特集を見たり、ネットで調べたりするだけでも十分勉強になります。

さらに災害について専門家の授業や研修を受けたいと思う方は、防災士養成研修講座を受けてみてはいかがでしょうか。

忘れられない被災写真

私が受講した2014年の講座は、東日本大震災の事例が多く取り上げられていました。
テキストの内容に加え、ニュースでは放送できないショッキングな映像をたくさん紹介されました。

私自身も被災し、被害者の数は報道で分かっていたつもりでしたが、実際の映像を見ていかに凄まじい災害だったか改めて気づかされました。

この日見た映像は5年経った今でも鮮明に覚えています。特に小さな女の子の痛ましい写真は、娘を生んだ私にとっては思い返すだけで胸が苦しくなります。

忘れられない写真

5年前の話なので、今は講座内容も違っていると思います。

災害を学ぶということは被害を知ることでもあり、精神的に辛くなることもあるかもしれません。
でも、それに目を背けないことで学べることもあると思っています。

2世代で防災士、目指せ3世代防災士

研修と試験を終え、母と私は2014年4月に防災士となりました。防災士になると顔写真入りの防災士証が届くので、大切に金庫に保管しています。

防災士証

私は、防災士として、救命救急講習でもらった蘇生用マウス・ピースをバッグにしまっています。
いつどこで人口呼吸が必要な場面に出会うか分からないので、これを持つことで積極的に救助できるよう心がけています。

今でも母と毎日電話をするのですが、テレビで見た防災特集の内容や母の防災ボランティアの活動など防災についても話します。

防災士をきっかけに今でも母と防災について意見交換ができているので、この意見交換の習慣を私の2人の子供たちともやりたいと思っています。
子供がもう少し大きくなったら、災害について一緒に話し、考え、いつ災害が来ても正しい行動ができる家族になりたいと思っています。

目指せ三世代防災士!

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土界谷リサ

宮城県仙台市出身、都内在住。2児の母で、夫・長女・長男と4人暮らし。東日本大震災で被災。防災知識を身につけるため防災士の資格を2014年に取得。出産を期にイラストレーター・広告漫画家・デザイナーとして活動。

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