被災時でも野菜をしっかり摂りたい!非常食におすすめの野菜紹介

2020年3月25日

被災時でも野菜をしっかり摂りたい!非常食におすすめの野菜紹介
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災害時の食事というと、アルファ米やカップ麺など、手軽に食べられる主食を真っ先に想像するでしょう。
実際、2019年に起こった台風19号の際には、レトルトカレーやカップ麺、パンなどはスーパーから消え、野菜などの生鮮食品は日常とほぼ変わらない量が残っていました。

もちろん主食はエネルギー源として必要ですが、それだけでは健康は保てません。
特に被災時の野菜不足は、身体に深刻な影響を及ぼす可能性がある為、積極的に摂っておきたい食材です。

それでは、被災時でも野菜が必要な理由と、備蓄におすすめの野菜について紹介していきましょう。

なぜ被災時こそ野菜が必要なの?

野菜イメージ

野菜に含まれる代表的な栄養素は、ビタミンミネラル食物繊維です。
日常はもちろん、被災時に不足すると健康維持に支障をきたす恐れがあります。(※1

これらを被災時に摂るメリットを簡単に挙げてみましょう。

ビタミン
被災時のストレスなどで増えやすい活性酸素の働きを抑える、抗酸化作用を持つ栄養素。
活性酸素が増えると生活習慣病、免疫力低下などの原因になるので、注意が必要です。

ミネラル
身体を円滑に働かせるために必要な栄養素。不足すると倦怠感や心身に影響がでることも。

食物繊維
整腸作用があるため、被災時になりやすい便秘の予防に不可欠。生活習慣病予防にも効果あり。

※各栄養素の説明、代表的な食材などはこちら

特に好き嫌いが激しい子供の野菜不足には要注意です。
被災時の栄養不足は成長に影響が出かねませんので、無理なく野菜を摂らせる方法を普段から模索しておく必要があります。

また、妊娠中や授乳中のママも野菜不足に陥らないよう注意しなければいけません。厚生労働省でも、被災時は十分な食事に加え、ビタミン、ミネラルを摂取することが求められます(※2)。

赤ちゃんの為はもちろん、自身の体調不良を招かない為にも野菜をストックしておきましょう。

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それでは、被災時に野菜を摂取する方法を具体的に見ていきましょう。

買ってきた野菜でローリングストック

野菜を摂るべき!といっても、非常時は簡単に野菜が手に入りません。
日常から意識して野菜をストックしておくことが必要です。

まずは野菜そのままをストックする方法から紹介します。

常温保存可能な野菜

使い慣れた野菜の中にも、意外と常温可能なものがあります。(※3
普段から意識して買い置きしておくだけでも、ローリングストックになりますよ。

  • たまねぎたまねぎ風通しの良いところでネットやカゴに入れて保存
  • ごぼうごぼう泥付きのまま洗わず、新聞紙にくるんで冷暗所に保存
  • 芋類
    (じゃがいも、さつまいも、里芋など)いもたち新聞紙にくるんで冷暗所に保存
  • かぼちゃかぼちゃ冷暗所で1~2か月保存可能
    ※カット後は要冷蔵

野菜は常温保存するだけで立派な非常食になります。
野菜=なんでも冷蔵庫!という概念を見直して、普段から常温保存できるものをストックしておくようにしましょう。

ただし、温度の高い夏場は痛みやすいので、保存箇所や方法に注意が必要です。

point

保存には野菜ストッカーがおすすめです。
ラックやボックスなど種類は様々なので、インテリアに合わせて取り入れてみてはいかがでしょう?

100円ショップでもかわいい野菜ストッカーが手に入りますよ↓

野菜ストッカー

野菜ストッカーでも芋類は新聞紙にくるんで保管しましょう。

じゃがいも新聞紙

冷凍庫保存→自然解凍可の野菜

冷凍庫image

傷みやすい葉物野菜など常温保存に向かないものでも、冷凍しておけば自然解凍で食べられる野菜もたくさんあります。
いくつか紹介しましょう。

  • ほうれん草
    下茹で後粗熱を取り、好みのサイズにカットして冷凍
  • ブロッコリー
    子房にカットして塩茹でし、粗熱が取れてから冷凍
  • きゅうり
    スライスして塩もみし、水気を取ってから広げて冷凍
  • 大根
    すりおろして軽く水気を切ってから冷凍
  • 山芋
    小さくカット、もしくはすりおろしてから冷凍

冷凍する際は、被災時に食べる想定をして下ごしらえをします。
たとえばトマトなどは丸ごと冷凍しても自然解凍で食べられますが、被災時に食べる場合はヘタをとって小分けになっていた方が使いやすいですよね。

もちろん普段の調理でも使いやすい事がポイントになりますが、被災時用の冷凍ストックは忙しい時の時短調理になるものが多いです。

我が家では刻んだほうれん草を常時冷凍ストックしていますが、子供のお弁当用の卵焼きに入れたり、お味噌汁にポイっと入れたり、と大活躍しています。

ほうれんそう

このように製氷皿で冷凍しておくと、使う分だけ簡単に取り出せるので便利ですよ。
ちなみに、私が使っているのは100円ショップで買った蓋つきの製氷皿です。蓋があると衛生面はもちろん、ラップ等が不要なのでゴミが出ない所もポイントです。

市販の冷凍野菜にも自然解凍で食べられるものが結構あります。たとえば枝豆などは、おつまみやお弁当用に買い置きしている方もいるのではないでしょうか?

冷凍枝豆
自分で作る冷凍野菜は、下処理が必要なものがほとんどなので、普段の調理時短のためにも好みの冷凍野菜をいくつか買っておくと便利です。

災害が起こると停電する事が多いものの、すぐに冷凍庫のものが食べられなくなる訳ではありません。
被災直後は普段用のストックも立派な非常食になる、という事を覚えておきましょう。

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野菜の加工品で賢くストック

常温保存や自然解凍の野菜で補えない分は、長期保存が可能な加工品で補いましょう。
買い忘れのないよう、普段のレシピにも取り入れてローリングストックしていくことが大事です。

缶詰・パウチ・瓶詰野菜

パウチ野菜最近はスーパーにも様々な缶詰パウチの野菜が並ぶようになりました。

ざっと挙げるだけでも、コーン、マッシュルーム、グリーンピース、トマト、ごぼう、など…そのバリエーションは豊富!
これだけ種類があればレシピの幅も広がりそうですね。

中でも特徴的なメリットはこちらでしょう。

長期保存が可能

そのままで食べられる

この点は非常食として優秀なポイントです。
非常食ご飯に混ぜたり、他の具材と合わせたり…と、アレンジがしやすい所もプラス要素になります。

最近増えてきたパウチタイプは、軽量でストックしやすいのでおすすめです。特に、ドライパックのパウチは排水が少ないので、非常食向けだと言えますね。

notice

缶詰野菜等の残り汁には素材のうま味が入っています!
排水を出さない為にも、なるべく残さず有効に使いましょう。

また、おしゃれな瓶詰ピクルスは、保存食としてだけでなくインテリアのアクセントにもなりますよ。
輸入食材店や高級スーパーなどに売っているので、好みのものを探してみてはいかがでしょう。

乾燥野菜

乾物

乾燥野菜は水分を含まない分、保存食として長期保存が可能な食材です。
味噌汁の具や惣菜用に重宝するので、普段からストックしている方も多いでしょう。

長期保存可能な点以外にも、乾物にすることで栄養価が上がるというメリットがあります。(※4
具体例をいくつか挙げておきましょう。

切り干し大根
生の大根に比べ、カルシウムや鉄分などが豊富

しいたけ
カルシウムの吸収を助けるビタミンDが増加

栄養不足に陥りやすい被災時には、なるべく栄養価の高い食事を摂りたいもの。その点でも乾燥野菜は優れた保存食と言えますね。

1つデメリットを挙げるならば、調理時に水分で戻す必要がある点です。
被災時は缶詰の残り汁や野菜ジュースなどで戻したり、ご飯と一緒に炊いたり、と色々工夫して食べてみましょう。

最近では自宅で好きな野菜を干して、オリジナルの乾燥野菜を作る方もいらっしゃいますね。
専用のハンガーや食品乾燥機なども販売されていますので、この機会に作ってみるのも面白いのではないでしょうか。

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野菜フレーク、パウダー

野菜フレーク

野菜そのままを乾燥後フレークやパウダーに加工した食材で、様々な料理にアレンジしやすい点が特に優れています。
茹でる・裏ごしする・などの面倒な作業不要で、簡単に野菜ペーストが出来上がるので、離乳食に使っている方も多いのではないでしょうか。

野菜フレークやパウダーは常温の水分で作れるので、ガスが使えない被災時でも簡単に滑らかなマッシュサラダが作れます。
もちろん離乳食にも使えますので、離乳食期の非常食としてストックしておくと良いでしょう。
※離乳食に使う場合は、乳児用規格適用食品である事を確認して購入して下さい。

乳児用規格適用食品

普段の食事に取り入れる場合でも、定番のマッシュサラダ以外にスープやスムージー、ホットケーキなど…アレンジは無限大!
何にでも混ぜて栄養を補えるので、野菜嫌いなお子さんには特におすすめしたいです。

野菜の持つ自然でカラフルな色を生かし、クッキーなどの色付に使用するのも良いですね。

野菜チップス、シリアル、お菓子

野菜ミックス

食事だと食べてくれない野菜でも、おやつとしてなら食べられる子供もいるのではないでしょうか?
ドラッグストアやベビー用品店には、野菜を使ったおやつが数多く揃えられているので、野菜嫌いなお子さん用にストックしておくと良いですね。

意外と忘れがちですが、ポップコーンポテトチップスもれっきとした野菜おやつなんですよ!
塩分や添加物に配慮した商品であれば尚おすすめです。

ポップコーン

野菜入りのシリアルは、おやつだけでなく朝食にもなるので一石二鳥です。普段から牛乳を入れるなどして食べなれておくと、災害時の朝食でも豆乳を入れれば日常と同じ食事ができます。

また、野菜チップスは、おやつ以外にも料理のトッピングなどに使えるので、日ごろから常備しておくと便利です。

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ほかにも色々!野菜を使った食品

野菜とサプリ

上記で紹介したもの以外にも、野菜を使った食品は色々あります。
好みに合ったものを見つけて賢くストックしましょう。

  • ジャム、ディップ、ソース
    朝食のトーストやサラダなどに使えばローリングストックに
  • 野菜を使ったレトルト食品
    野菜が多く含まれたカレーやシチューなど、レトルト食品で野菜を摂るのも◎
  • サプリメント
    手軽に栄養を摂るならコレ!普段のビタミン補給にもおすすめ
  • シート状の野菜
    野菜で出来たシート。海苔やトルティーヤ代わりにも使えて便利!

特にレトルト食品やサプリメントは、スーパーやドラッグストアなどで手に入りやすい所も魅力です。

こちらで紹介したものはすべてローリングストックにおすすめなので、気になるものがあれば是非試してみて下さいね。

※参考:東栄産業 VEGHEET(ベジート)

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果物も大事なビタミン源に

果物

果物もビタミン摂取には欠かせない食材です。
常温保存が可能なものを普段から摂る習慣にしておけば、無理なくローリングストックできますね。

特にバナナみかんなど、包丁なしで食べられるものは被災時の食事に便利です。

長期保存をしたい場合は、ドライフルーツがおすすめです。
栄養価も高いので、食事やおやつに取り入れれば手軽にビタミンを摂取できます。

”飲める野菜”で手軽に補給

被災直後は安否確認や片づけで忙しく、調理など手間のかかる作業は二の次になりがちでしょう。
そんな時でも手軽に野菜を摂りやすいのが、ジュースやスープなどの飲み物です。

代表的なものをいくつか紹介します。

野菜ジュース

野菜ジュース

食欲がない時でも摂りやすく、手軽に野菜補給できる食品の代表が野菜ジュースです。
手っ取り早く栄養補給できるだけでなく、貴重な水の代わりに水分も補給できるので、必ずいくつかストックしておきましょう。

野菜ジュースはスープや煮込み料理などに使うこともできますので、ミックス以外にもトマトやにんじん等、色々な味を揃えておくとレシピの幅も広がります。

飲みやすくする為果物が入っているものが多いので、飲みすぎると糖分過多になってしまうことも。
特に小さいお子さんに与える場合は注意が必要です。普段から幼児用の野菜ジュースを多めにストックしておくと安心ですね。

野菜スープ(フリーズドライ、パウチなど)

野菜スープ

野菜をたくさん食べられるスープは非常食としてはもちろん、普段の時短調理にも重宝します。
ママの簡単なランチにもピッタリ♪ごはんにかければ雑炊風に食べられますし、にゅうめんやスープパスタにしても良いですね。

特にフリーズドライは、お湯を注ぐだけで野菜たっぷりのスープが食べられる、という手軽さも魅力です。
野菜の歯ごたえも感じられるので、食事が不足しがちな被災時に満足感が得られる点もメリットになります。

青汁

青汁

健康の為に飲んでいる人も多い青汁。実は、農林水産省でも青汁は非常食として紹介しています。(※5)

ただ、青汁はおいしくなさそう…と敬遠している方もいらっしゃいますよね。
実は私もその一人でしたが、今では毎朝親子で青汁ライフです(笑)。

ちなみに我が家ではジュースが好みに合わなかったので、ドライフルーツ、きな粉と一緒に粉末のままプレーンヨーグルトに混ぜた青汁ヨーグルトとして食べています。

青汁ヨーグルト

粉末のままだと苦みのない抹茶のようで、きな粉との相性も良く美味しいですよ♪
子供からも初めからおいしい!と好評で、毎日飽きずに完食しています。

大人は非常時だからと我慢ができても、子供はなかなか受け入れてくれないもの。
日常から味に慣れておいたり、食べられるアレンジ方法を考えておくことをおすすめします。

非常用ではなく普段から食べるものとして、賢く野菜をストックしよう

野菜には、健康に生きていくために欠かせない栄養がたっぷり含まれています。
それは被災時においても同じ事なのですが、そこまで頭が回らないのが実情でしょう。

普段の生活から意識して野菜をストックしておけば、いざという時に不足することを防ぐことができます。
ただし、なんでも買っておけば良い訳ではありません。

家族の好みや保存場所などは各家庭で異なりますので、それぞれの環境に合わせたストックを見直してみて下さい。
心も身体も疲弊しがちな被災時、そんな時こそ野菜をしっかり食べられるよう、日常から工夫をしておきましょう。

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トコ

編集部所属。ひとり息子を育てながら、スーパーマーケット巡りするのが日課(もはや趣味)。 料理を作るのも食べるのも大好きな「いつもしもの食べ物担当」として、主に食事から楽しく防災に向き合える情報を発信していきます。

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