一年を通して、肌の悩みは尽きません。
日常でもさまざまな悩みがありますが、災害時は環境の悪化やストレスが原因で肌トラブルを起こす人が多くなると言われています。(※1)
非常時の肌トラブルを少しでも減らすには、普段のスキンケアが大事。
「いつも」のスキンケアを見直すことで、「もしも」のときの肌トラブルにしっかりと備えることができるのです。
スキンケア情報をアップデートするべく、野村皮膚科医院 院長の野村 有子(のむら ゆうこ)先生に肌トラブルへの対応やおすすめのケア方法を伺いました。
:監修:
野村 有子 先生
野村皮膚科医院院長・医学博士・日本皮膚科学会認定専門医
慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。同大学助手、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科勤務を経て、98年、横浜市に野村皮膚科医院を開業。
「一人ひとりの患者を大切にし、最高の医療を提供する」という医療理念のもとに、あらゆる皮膚疾患についてていねいに説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細かな指導を行っている。
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家族の乾燥肌トラブルになかなか対応できていない、脂性肌のirricoが担当します!
記事の後半では、ユースキンの保湿剤を実際に使用したレビューや、効果的なハンドマッサージの方法をご紹介します。(※ 本記事はPRを含みます)
肌の悩みを抱えがちな人、なんとな〜く自己流でスキンケアをしている人は必見です!
この記事の目次
「いつも」のスキンケア、どうしてる?
ケアはしてるんだけどな〜。
まずはスキンケアの基本をおさらい
スキンケアの基本
野村先生、スキンケアの基本を教えてください!
スキンケアの基本は、清潔・保湿・防御です。
「清潔」は、石けんでやさしく汚れを落とすこと。
「保湿」は、洗った後に肌に合う保湿剤をやさしく塗ること。
「防御」は、UVケアをすること。つまり、朝は保湿の後に日焼け止めを塗ることです。
いつでも必要なんですね。
ハンドクリーム・ボディクリームの違い
たしかに、ハンドクリームは手に、ボディクリームは体にと思いがちですが、基本的にはどちらを使用しても問題はありません。
乾燥が強い場合は保湿効果が高いハンドクリームを、乾燥が軽い場合は塗り伸ばしやすいボディクリームを選ぶといいですよ。
全身の保湿について
本当に全身どこでも塗っていいんでしょうか。
「全身用」の保湿剤については、含まれている成分によって使える部分が異なります。
プロペト(眼科用ワセリン)は全身どこでも使用できるのですが、尿素系成分が含まれているものは粘膜や目のまわりに使用できないものもあります。
必ず商品の説明書を使用前に確認するようにしましょう。
ハンドケアの場合は、人差し指の第一関節から指先までのせた軟膏の量(約0.5g)が、手のひら2枚分に塗る適切な量とされています。
1 Finger Tip Unit(1FTU)と言われたりしますね。
大人が全身に保湿剤を塗る場合は、約20gが必要です。
ただ、ローションや軟膏など、保湿剤のタイプによって伸び方が異なりますので、使用感と保湿効果を見ながら調整してください。
目安にさせていただきます!
パーツ別のスキンケア方法
私は唇まわりが定期的に荒れてしまいます。
体のパーツによっては、荒れやすい部分や敏感な部分があります。
こちらを参考にしてみてくださいね。
知らなかった。
保湿剤も一緒に備蓄に入れておくといいかも。
女性の体や健康をケアしてくれる「フェムケア」グッズ。これから暑くジメジメしてくる季節を前に、#防災ポーチ にも追加しました。
日常はもちろん、災害時やお風呂に入れないとき、洗濯ができないときにも役立つアイテムばかり👏
自宅にストックしつつ、少量を取り出して持ち歩くのがおすすめです👝 pic.twitter.com/uCA1aDbLia— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) May 7, 2024
肌荒れ冬の陣・夏の陣
寒いとき・暑いときに起こりがちなトラブルを聞いてみました。
寒さと乾燥が大敵!冬の肌トラブル
顔の皮が一部むけちゃうこともあるし(涙)
あと指のあかぎれ、かかとのひび割れもつらい。
そもそも、ひびとあかぎれの違いってなんだろう。肌荒れの一種?
ひびとあかぎれは、どちらも乾燥して皮膚が割れてしまった状態ですね。
違いは、出血があるかどうかです。
ひび・あかぎれは秋から冬に出ると思われがちですが、水仕事をされる方の手には通年見られる症状ですよ。
ハンドケアのおすすめのタイミングがあったら教えてください。
あと、1日に何度も塗り直すべきですか?
ハンドケアのおすすめタイミングは、手を洗うたびに行うのが理想です。
日中はベタつかないローションタイプを利用すると塗りやすくなりますよ。
1日に保湿する回数は、乾燥の程度やハンドクリームによって異なりますので、一概には言
えません。
目安として、「1日2回使用」と表示しているものは、効果が半日は持続します。
冬で指先などの乾燥が気になる場合は、乾燥する部位に適宜塗り直すのがいいですね。
夜寝る前はスペシャルケアとして、血行促進効果のあるビタミン系クリームをたっぷり塗ってマッサージをしてお休みいただくと、効果的です。
保湿剤を使ったハンドマッサージ方法はこちら▼ で紹介しています。
これからはマッサージも追加します!
ベタベタが気になる夏の肌トラブル
暑い時期は毎晩塗ってるんですが、大丈夫でしょうか?
あせもが出る前に、毎日治療用クリームを塗ってるんですね。
ステロイド入りの製品は長く使用すると皮膚が薄くなる副作用など出ることがありますので、必ず医師に相談してください。
ステロイドの入っていない製品でしたら、塗ることで肌が快適であれば、続けても問題ありません。
冬に使用すると乾燥症状が出る場合がありますので、そのときは使用をやめてください。
たしかに背中は見えにくいし、きちんと塗れているか不安ですね。
ユースキン製薬の「セヌール」という背中に保湿剤を塗る専用のグッズがあります。
一人暮らしのご高齢の方にも使いやすいので、多くの患者様におすすめしているんですよ。
これなら手が届きにくいところにもしっかり塗れそう。
季節によって保湿剤の種類は変えたほうがいいのでしょうか?
衣替えと一緒で、夏はサラッとしたローションタイプ、逆に乾燥が気になる冬にはしっとりしたクリームタイプにすると効果的です。
使用感が問題なければ、一年中使用できるものを選んでもいいと思います。
難易度高めな子どものスキンケア
保湿剤の選び方や、やり方のポイントを先生に伺いました!
赤ちゃんのスキンケア
先生、赤ちゃんや幼児の湿疹・おむつかぶれに、市販の保湿剤は効果あるんでしょうか。
子どものおむつかぶれや湿疹に使用可能と書かれている商品でしたら、試してみてもいいと思います。
ただ、湿疹と思いきやカンジダ症などのカビだったり、飛び火などの感染症だったり、違う病気のことも多くあるので、注意が必要です。
市販品で数日たっても治らない場合は、早めに皮膚科を受診してください。
トラブルがなかなか解決しないときは、すぐに皮膚科を受診!
虫刺され、日焼け、乾燥…大きくなってもトラブルの連続
うちは娘が蚊に刺されやすいから、夏は携帯用の虫除けとかゆみ止めを常に持ち歩いてるよ。
出かける前に日焼け止め塗ってるけど、子どもは塗り直しなんかしないから結構焼けちゃったり。
スキンケアしてるのに悪化することもあるし…。そのときは皮膚科でステロイドを処方してもらってる。
子どもの保湿剤、どう選ぶ?
子どもに「どう?」って聞いても、「うん、いいんじゃない」しか言わないし。
先生、子どもの保湿剤を選ぶ基準を教えてください!
子どもは皮膚が薄くて敏感ですので、敏感肌用と書かれているものをお使いください。
「無添加」とだけ書かれている商品ですと、何が添加されていないのか不明で、実は敏感肌用ではないものも混在しています。
「無香料」「界面活性剤不使用」など、きちんと表記されている商品が安心です。
保湿剤だけではなく、石けんやシャンプーにも気をつけてください。
子どもの肌トラブルは突然に
宿泊所に置いてあったボディソープが合わなかったみたい。
平気な子もいるだろうけど、基本的に大人が使うものは子どもには強すぎるんだね。
すぐに治ったの?
「すぐ乾く衣類」って指定があったから、普段着せない化学繊維の服を着せてたのも良くなかったかも。
一応事前に学校に許可取って保湿剤を持たせてたんだけど、それでもダメだったみたい。
子どもの肌トラブルって、いつどこで起きるか予想つかない。
うちの子も肌弱いから、移動教室の前に「保湿剤を持たせていいですか」って先生に聞いてみよう。
嫌がる子どもにスキンケアをするコツ
まだ小さい頃はお風呂上がりのお世話と一緒にパッとできたけど、小学生になると難しくなってくる。
肌荒れしたらつらいのは自分なのに、子どもって自発的にやろうとしないよね。
先生、どうしたらいいですか?
スキンケアを嫌がるお子さんには、お母さんが保湿剤を手に取って人肌の温度にしてなめらかになってから、やさしく肌になじませるようにつけてあげるとよいと思います。
強くこすりつけると余計に嫌がるので、気をつけてあげてくださいね。
「保湿するからおいで!」だとなかなか来ないけど、「お客さま、マッサージしていきますね〜!」ってノリでやると、意外と応じてくれる。
日々、試行錯誤だね。
「もしも」のスキンケア、どうする!?
非常時に頼れるスキンケア
選ぶときのポイントや、野村先生が実際に備蓄しているものを伺いました。
備蓄として選ぶならこんな保湿剤
衛生状態が良くないことも多くありますので、手を直接入れて使用する容器よりも、ポンプタイプやチューブタイプの商品が安心です。
家族みんなで使用できる保湿剤が一つあると便利ですね。
また、汗拭きシートやお手拭きシートなど、汚れをふき取るものも必ず準備しておきましょう。
家族みんなで使える保湿剤って?
家族みんなで使える保湿剤の選び方を教えてください。
肌の弱い子どもでも使用できるものでしたら、通常は大人が使用しても問題はありません。
初めて使用する場合は、一度腕の内側などで少量を試してみて、赤くなったりかゆくなったりしないことを確認してから使用すると安心です。
備蓄を事前に試しておくことが大事なのは、スキンケアも一緒ですね。
防災リュックに入れておきたい保湿剤
私は防災リュックに、小さなチューブ入りのユースキンを入れています。
他にも、携帯用の除菌用ウェットシートとコットン数枚、応急処置に使う傷薬、ラミネートされた使い切りの衛生用品も、いくつか一緒に入れていますよ。
ご自身が被災していても、「この中にお医者さまはいらっしゃいますか?」と怪我人や急病人に対応することもあるかもしれないですもんね…。
使い切りタイプは軽くて日持ちもしますし、他の人に差し上げることもできるので便利です。
自分のことだけではなく、他人も視野に入れて備えていらっしゃる姿勢に頭が下がります。
その他の防災リュックに入れるおすすめグッズを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
急いで避難!その時絶対に必要なものは?防災グッズリスト
備蓄の保湿剤、ローリングストックのタイミングは?
使いそびれて、そのままになっちゃいそう…。
去年の保湿剤を使っても大丈夫なんでしょうか?
保存状態にもよりますが、開封してしばらく使わないと、品質が劣化してしまいます。
タイミングを決めて消費することをおすすめします。
毎年11月に、横浜市の神奈川区役所と神奈川区医師会で合同の災害医療訓練を行っていて、私はその時に防災リュックの保湿剤を消費して、新しいものに入れ替えることにしていますよ。
今年はシーズン中になるべく使い切れるよう、ハンドケアの頻度を増やします!
災害時のリスクと対策
被災時に効果的なスキンケア方法を、野村先生に教えてもらいました。
スキンケアで感染症・エコノミークラス症候群対策
災害時、まずは清潔を保つことが大切です。
断水などで体を洗えない場合は、濡れタオルやシートなどで汗や汚れをやさしく拭きとります。
乾燥が気になる部分はクリームなどで保湿します。
体を動かすことができずに血流が悪くなっている場合も多くありますので、ビタミンEなど血行促進効果のある保湿剤を手足末端に塗るのも効果的です。
あんまりそういう視点で保湿剤を選んだことなかったから、成分も注意して見てみます!
エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)とは?
水分をあまり摂らずに長時間同じ姿勢で座っていると、血行不良が起きて足のむくみや全身の痛みを引き起こします。
血栓(血の塊)ができて肺の血管を塞いでしまうと、呼吸困難や心肺停止を起こす可能性があります。
エコノミークラス症候群の対策もして行きます!
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ユースキンは災害時の備えになる?実際に検証してみた!
オレンジのパッケージのイメージしかなかった。
どう違うのかな。
「ユースキン」はつらい手荒れの救世主
結構しっかりした黄色いクリームだね。
すごい保湿力ありそう。
保湿だけじゃなくて炎症を鎮める効果もあるから、ひびやあかぎれにも効果があるんですね。
上の子が生まれてすぐのとき、手荒れがすごくてあかぎれもつらくなっちゃって…。
ユースキンのおかげでかなり痛みが和らいだから、それ以来ずっと使ってる。
でもユースキンって結構ベタつく感じだから、塗って赤ちゃんのお世話は難しくない?
乾燥・敏感肌だから、他の保湿剤じゃ保湿力が足りなくて…。
肌に密着する感じで、朝まで潤いが続いてるのはユースキンだけ。
香りが楽しめるユースキンhana
hanaは日中使いやすいハンドクリームだよね。
手に塗るとラベンダーの香りが広がりますね。
マッサージでハンドクリームの効果をUP!
クリームをまんべんなく塗れて血行も良くなるから、試しにやってみてもいいかも。
子どもの手がすごく冷えてることあるから、親子で一緒にマッサージするのもいいね。
家族みんなで使える「シソラ」
シソラって、敏感肌向けの商品なんだ。
黄色のユースキンより軽い感じだね。
かみそりまけや日焼け後のほてりも防ぐんだって。
1年中使えそうだね。
体にも使いやすそう。
「シソラ」は男性陣に好評
男性はサラッとしたタイプの保湿剤がいいのかな?
全身のかゆみに悩む人には
普段は病院でお薬を出してもらってるけど、すぐに病院に行けないときは助かるかも。
いつもしも的ユースキン活用方法
夫と子どもも含めて、家族みんなで使えるから。
ユースキン製薬のスキンケア商品の違いをもっと知りたい方はこちら
「いつも」のスキンケアが「もしも」の備えになる
忙しい日常の中で、肌トラブルにはその都度対処することが多かった私。
皮膚科医の野村有子先生にお話を伺ったり、ユースキン商品を使ってみたりしたことで、自分や家族のスキンケアについて考えるきっかけになりました。
通常ならトラブルが起きた時点で、病院を受診してお薬をもらえますが、非常時にその保証はありません。
普段から自分や家族の肌タイプを把握する、体質に合う保湿剤を準備する、スキンケアの正しい知識を持っておくことが、もしものときのトラブルに対応する方法だと気づくことができました。
いざというときに家族を守る保湿剤を探して、おうちのローリングストックや防災リュックに追加してみてくださいね!