防災には「正解」がありません。
人によって、家族によって、住んでいる地域によって、必要なものが変わってくるからです。
その時にとってベストなものを備えても、数年経つと必要なものや好みがガラッと変わってしまうことだってあります。
自分なりに試行錯誤するしかないとわかっていても、
という不安は尽きませんよね。
そこで、一大調査!
防災や備蓄のリアルを、500人の現役子育て中ママたちに聞いてみました。
実は、2020年にも『いつもしも』は同様の調査を行っています。
比較結果などもレポートしますので、「ほかのママはどうしてるんだろう?」と気になる方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
【ママ100人アンケート】子どもがいる家庭におすすめの防災グッズ教えてもらいました!
防災グッズや非常食の備蓄が大切なのはわかっているけれど、万人向けのニュースや公的機関がすすめる情報だけでは、何だかピンとこない…。 そんなママたちのために始まった「いつもしも」。 ふだんは編集部スタッ ...
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この記事の目次
備えのきっかけと現状
まずは、何をきっかけに、防災を意識して行動するかを聞いてみました。
ご覧の通り、実際に「地震や台風が来た」時に行動する方が、突出して多いことがわかります。
「防災を意識して行動することはない」という回答は、わずか2%に留まっていることにも注目です。
2020年の結果と比較してみましょう。
前回調査の2020年は、2019年末からのコロナ禍の影響を大きく受けて、「新型コロナウイルスの流行」をきっかけに行動した方が多くいらっしゃいました。
今回の調査では、さすがにコロナきっかけの方は減りましたが、その他の回答については全体的に回答数がアップしています。
「防災を意識して行動することはない」の回答が12%→2%にダウンしたことと合わせて、防災への関心の高まりを感じる結果となりました。
「いまの備え」はどう?
次に、いま現在の自宅の備えについて、どう思っているかを聞いています。
「充分できている」という回答こそ1.6%に留まっていますが、「全然できていない」と「わからない」を除いた8割超は、何らかの備えを行っている、と解釈できます。
こちらも、前回の調査結果と比較してみましょう。
わずかながらも、「充分できている」が増えていますね。
「足りない部分が多い」という回答も増えていますが、これは実際に防災に取り組んでいるからこそ出てくる意見ですので、良い傾向とも言えます。
我が家に足りない備え
では、具体的に何が足りないと感じるのかも見ていきましょう。
『いつもしも』が、最低限これだけは備えて!とおすすめしている
- 非常食
- 水
- トイレ
がトップ3に並びました。
こちらの問いは、今回は選択式だったのに対して前回は自由回答形式でしたが、やはりこの3つが上位を占めています。
回答形式による違いを考慮しても、「トイレの備え」に言及した方が、前回13%→今回55.2%と大幅に伸びたことにも注目です。
備え方を聞いてみた
次に、備え方について聞いてみました。
ローリングストックしてる?
国や自治体からも推奨されている備蓄法・ローリングストック。
ママの間での、リアルな認知度や実行度を見てみましょう。
「ローリングストックを知っている」という回答が、7割を超えました。
前回の調査では、「知っている」と回答した方は約半数に留まっていたため、認知度は20%程度もアップしたことになります。
ローリングストックの備えやすさが広く知られてきた、ということでしょうか。
ただ、認知がすすむ一方で、
- 「以前は実行していたがやめた」
- 「実行していないが興味はある」
という回答が、認知層の半分以上を占めていることにも、注目する必要があります。
check!
この問いをはじめ、何問かは『いつもしも』の各公式SNSでも調査しています。フォロワーさんの防災意識の高さはこちらでチェック!
ローリングストックの失敗談・悩み
知っているけど実行していない理由が気になりますよね。
まずは「実行している」または「以前は実行していた」方に、ローリングストックの失敗談やお悩みを聞いてみました。
こちらは、前回との比較です。
前回は自由回答式、今回は複数選択可能な選択式でご回答いただきました。
前回も今回も、賞味期限の管理が大きな課題であることがわかります。
大きくポイントを伸ばした「食べて(使って)しまって備蓄にならない」は、長期保存の非常食ではあまり聞かれない、ローリングストックならではの悩みですね。
「必要な量がわからない」も、ストックの難しさの1つです。
ローリングストックをしない理由
次に、「いま現在、ローリングストックしていない方」に、その理由を聞いてみました。
そもそも知らなかった・思いつかなかったという方は、ローリングストックの認知が高まることで、実行する可能性がありますね。
その他の、収納やコスト・管理の難しさなどは、現在実行中の方のお悩みとしても挙げられています。
前回との比較はこのようになりました。
こちらも前回は自由回答だったため、比較しづらくはありますが、「必要性を感じない」のポイントが9.7%→1.4%に下がった点は、良い変化と言えます。
何をどれだけ備えてる?気になる非常食
備え方のあとは、非常食について詳しく聞いていきましょう。
「非常食」と聞いて思い浮かべるもの
非常食と言えば?という問いでは、乾パンが安定の強さを見せてきました。
続いて聞いた「実際に食べたこと・飲んだことのある非常食」でも、乾パンの強さは健在です。
この調査では、アルファ米に注目してみました。
それぞれ、前回の結果と比較してみます。
缶詰・長期保存水といった、おなじみのラインナップの認知度にほぼ変化がない中、アルファ米はなんと約14%のアップ。
「実際に食べたこと・飲んだことのある非常食」でも、大きく数字を伸ばしました。
アルファ米だけでなく、全体的にアップしているのが見て取れますね。
こちらは、2020年初めからのコロナ禍との関連が考えられます。
コロナ禍が防災に与えた影響
感染者が増える中、自宅療養者に対して自治体から支給された支援物資は、
- アルファ米やパックご飯
- 常温のままでも食べられるレトルトカレーやおかゆ
- ビタミン不足を補う野菜ジュース
- 飲料水
- トイレットペーパーなどの日用品
など、備蓄のお手本のような品揃えでした。
家庭内で大人が同時に発症し食事の用意もままならない、という状況も多く発生した中、支援物資は大活躍!
トイレットペーパーなどの紙製品が手に入りづらくなったこともありましたね。
家族全員の行動が大きく制限される状況は、災害時を思い起こさせます。
常温保存できてそのまま食べられる食料の便利さや、日用品を含めたストックの大切さが、広く知られるきっかけになったのではないでしょうか。
一方で、せっかくの食料も、口に合わなかったり子どもが嫌がったりした、という声が聞かれたのもまた事実です。
特に小さなお子さんのいる家庭では、食べ慣れたものや好きなものを備蓄する大切さもまた、実感する機会になったと思われます。
食べきれないストック
ただ、やっぱりストックは大事!と頑張って備えてみると、
というお悩みが出てくるのも、防災あるあるです。
具体的に、食べ方に困っているものや捨ててしまったことがあるものを聞いてみました。
「特にない」の多さに驚きつつ見ていくと、上位を主食(炭水化物)が占めているのがわかります。
前回と比べてみましょう。
レトルトのおかゆが大きく伸びた点に、コロナ禍の影響を感じますね。
前回から全体的にポイントがアップしていますが、ローリングストックをする方が増えてきた▲ことを考えると、やむを得ない部分もあるかと思われます。
しかし、せっかくの備えを無駄にしてしまうのはもったいないですし、無駄にしてしまったという罪悪感は、次に備える気持ちのブレーキになりかねません。
『いつもしも』では、ストック品を美味しく消費する方法なども紹介していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
#スリーピングストック していた #チョコえいようかん がそろそろ賞味期限。少しずつ消費しようと、ようかんトーストにしてみました🍞1枚に1個使うとかなり多かったので、量は調整してみてくださいね。途中少しくどく感じたのでクランベリージャムを足してみたら、ものすごく合いました🥰 #いつもしも pic.twitter.com/F534b4utZN
— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) October 3, 2022
ストックで献立を組める?栄養バランスを意識してみよう
命をつなぐために必要な食事ですが、せっかく備えておくなら栄養バランスも意識したいもの。
ママたちがどんなものを備えているのか、内訳を聞いてみました。
やはり主食メインの方が多いようですね。
「備えていない」という方も相当数いらっしゃいました。
では、「次に備えたい非常食」は何でしょうか。
こちらもやはり主食という声が多いようです。
check!
アルファ米で考えると、たとえば1日2袋食べるとして、×7日分、×家族人数分となると、4人家族で56袋必要です。
1つおよそ¥300として、¥16,800分になります。
冷凍ごはんやパックご飯と併用するとしても、それなりの数が必要です。
一度に注文してしまうと期限切れも一気にくるので、家族の人数分ずつくらいで、小さくまとめて買い足していくと良いでしょう。
また、スイーツを備えている・備えたい、という方も多くいらっしゃいますね。
缶詰をはじめ、保存が利くスイーツも進化しているので、ぜひいろいろチェックしてみてください!
防災で困っていること・ストレスに感じること
ここまで、ローリングストックの不満や非常食を食べきれないなどの悩みを追ってきました。
今度は、防災全体に対して思っていることを聞いていきましょう。
「収納場所がない」「どのくらい買ったらいいのかわからない」
ママたちが、どんなことに困ったりストレスに感じたりしているか、聞いてみました。
ローリングストックを実行していない理由と同様に、収納場所や管理方法・金銭的な負担が上位でした。
順位の変動はありますが、トップ5の顔ぶれは前回と同じで、引き続き防災における大きな課題と言えます。
こちらは、当てはまると思うものをすべて選んでいただく回答形式でしたが、同じ選択肢で、「最も」困っている・ストレスに感じることをひとつだけ選んでいただくと、複数回答と少し順位が変わります。
ひとつだけ選ぶとしたら「お金がかかる」
複数回答では3位だった「お金がかかる」が、単一回答では1位にアップします。
前回も、複数回答可の時には5位だった「お⾦がかかる」が、単⼀回答ではトップに躍り出ていました。
防災について、何か1つに課題を絞り込むとしたら金銭面、という点も変わっていないことになります。
コストは、大きな課題ですよね。
- 防災意識は上昇傾向
- ローリングストック&アルファ米の認知度がUP!
- 課題は収納場所・管理方法・金銭的な負担
防災グッズに求めるもの
安く備えたいのはやまやまですが、「安かろう悪かろう」では意味がありません。
防災グッズを備える場合、ママたちはどんなことに注目して選んでいるのでしょう。
「安全性」「コスパの良さ」
複数回答が可能な場合は、「安全性」や「コスパの良さ」、次いで「使いやすさ」が上位になりました。
上位回答は前回とほぼ変わりません。
ひとつだけ選ぶとしたら「安全性」
単一回答でも、一位は「安全性」となりました。
こちらも、前回とほぼ変わりません。
「安さ」ももちろん気になるけれど、やはり安全性を重視する方が多いようです。
防災グッズや非常食を選ぶ場所・買う場所
では、安全性や使いやすさを重視する場合、備えはどこで買えば良いのでしょうか。
実際に、防災グッズや非常食をどこで選び、どこで購入しているのかを聞いてみました。
選ぶ時は近所で
選ぶのは、ホームセンターやスーパーなどの実店舗で、という方が多いようです。
買う時はネットも活用
購入する場合も、実店舗でという方が多いという結果になりました。
こちらについては、併用している方もいらっしゃるため、「直接購入」「ネット購入」「宅配利用」などに分類してみました。
それでも、「直接購入のみ」の方が半数近くを占めています。
ネットを併用している方も多いのですが、やはり手にとって選びたいという方が多いんですね。
ただ、前回と比較すると、「直接購入のみ」の方は減っています。
「直接購入もするけど、ネットや宅配サービスとうまく使い分けている」方が増えたと言えるでしょう。
防災グッズや非常食、買っても良いと思える値段
では、いざ店頭やネットショッピングで防災グッズや非常食を購入しよう、となった時、予算はどのくらいなのでしょう。
非常食・非常食セット・防災グッズ・防災セットそれぞれについて、買っても良いと思えるお値段を教えていただきました。
比較的単価が安い非常食については、安めに備えたい、と考えている方が多いようです。
逆に、どうしても単価が高くなってしまう防災セットについては、それなりの金額を覚悟している方が多いことがわかります。
¥10,000以上でも、という方が1割以上いらっしゃいました。
防災セットの中でも、
- 持ち歩き用(0次の備え)
- 非常用持ち出しリュック(1次の備え)の中身だけ
- 車載用
などは、¥10,000未満でも見つかると思いますので、ぜひ探してみてくださいね。
家庭の防災予算については、前回との比較データおよび購入場所別のクロス集計データもありますので、興味のある方はお問い合わせください。
- 防災グッズ選びで最も重視するのは安全性
- 選ぶのも買うのも実店舗派が多数
- 直接購入とネット・宅配サービスの使い分けが増えてきた
防災情報が知りたい!よく利用するもの
物以外の備えについても見ていきましょう。
防災について学びたい時やもしもの時、正確な情報に素早くアクセスできるようにしておきたいもの。
ママたちはどんなものを利用して防災情報を得ているのか、聞いてみました。
基本はオンラインでの情報収集
検索サイト、自治体のHP、SNSが上位に並びました。
オンラインで情報を得ている方が多いようですね。
上位に前回と大きな変化がない中、目につくのはLINEとYouTubeです。
LINEが30.0%→21.2%にダウンする一方、YouTubeは10.0%→17.7%にポイントを伸ばしました。
防災情報収集におけるYouTubeの位置づけ
コロナ禍以降、在宅時間が増えたことに伴い、YouTubeの視聴時間も増えたことが確認されています。
防災の情報収集においてもまた、コロナ禍の影響があったと考えて良いでしょう。
また、インターネットに接続したコネクテッドテレビ(CTV)の普及により、動画サービスへのアクセスが容易になったことも、要因の1つに考えられます。
ママと避難所
情報は大切ですが、あくまで、その後の行動のための判断材料です。
危険が迫っている時、ママは以下のような判断を迫られます。
- 避難するか否か
- 避難する場合、いつ、どのタイミングか
次は、避難について思っていることを聞いてみましょう。
避難する?しない?ママが思うタイミング
「避難」と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは「避難所」ではないでしょうか。
地元の小学校や中学校が指定されていることが多く、大人の足ではさほど遠くありません。
ただ、小さな子どもを連れて行くとなるとためらいますよね。
ママたちは、どのタイミングで避難所に行こうと考えているのか、聞いてみました。
「避難勧告が出たら」という声が最も多く、次いで「家屋倒壊の危険性を感じたら行く」という結果になりました。
ともに、半数を超える方が、こちらの回答を選択しています。
前回とは1位2位が逆転したものの、数値的に大きな違いはありません。
check!
前回と選択肢を合わせるために「避難勧告」という表現を使いましたが、2024年現在は、「避難勧告」は「避難指示(緊急)」と合わせて「避難指示」に一本化されているので注意してくださいね。
【👩👦子連れ避難のタイミング】
大雨による #水害 #土砂災害 への警戒が必要です。
子連れ避難のタイミングは避難指示の1つ手前、警戒レベル3「高齢者等避難」。警戒レベル別にママにとってほしい行動をまとめていますので参考にしてくださいね🌼▼もっと詳しくhttps://t.co/TCAr25avOy #いつもしも pic.twitter.com/WJZeGTR5XD
— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) July 19, 2022
避難所にほしいものを5つ選ぶなら
避難所の環境改善は、災害が起こるたびに話題になります。
少しずつ良くなってきているとはいえ、子どもを連れての避難となると不安が大きいですね。
そこで、ママが思う「避難所にあったらいいなと思うもの」を、次の中から5つまでに絞って選んでもらいました。
- 仕切り
- 段ボールベッド
- キッズルーム(遊び場)
- 保育スペース(監視あり)
- 学習スペース
- 女性用の着替え室
- 女性用の洗濯/物干し場
- 男女別入浴場
- 男女別トイレ
- 多機能トイレ
- トイレ近くの居住スペース
- 介護/医療ケア室
- 授乳室
- おむつ替え室
- 母子専用寝室
- ペット用の部屋
- アレルギー対応食の備蓄
- 張り紙などによる、視覚情報でのお知らせ
- 拡声器などによる、音声情報でのお知らせ
- 避難所内の定期的な見回り(防犯)
- わからない
- 特にない
- その他
結果は以下のとおりです。
間仕切り、男女別のトイレや入浴場・着替え室など、プライバシーへの配慮が強く求められていることがわかります。
女性は特に、性犯罪への不安もありますから、防犯の意味でもプライバシーが守られる環境であってほしいですよね。
キッズルームのポイントの高さも、ママならではの結果となりました。
memo
小さなお子さんがいる場合、自宅が安全であれば、自宅に留まる「在宅避難」がおすすめです。
しかし、自宅に不安があっても、避難所での生活が不安で自宅に留まったり、避難先で子どもの声などに苦情を受けてしまって自宅に戻ったママの話も耳にします。
地域の方のための避難所が、人を選ばずに使えるようになると良いですよね。
- 情報収集はオンラインが基本
- コロナ禍の「新しい生活様式」の影響か、情報収集におけるYoutubeの利用率がUP
- 避難所に求めるものはプライバシーへの配慮
ママが思う、家族の防災意識
今度は、防災を実行する人について聞いてみましょう。
「防災担当はママ」の家庭が多い
「自宅の備えを考えたり、用意したりするのはどなたですか?」の問いには、やはりママだけ、という声が多く寄せられました。
ただ、パパとママが2人で協力しているというご家庭も、3割以上いらっしゃいます。
この傾向は前回も同様で、「パパとママ」という回答だけ見れば、やや減っているくらいです。
「ママだけ」という回答にほぼ変化がない中、代わりに「パパだけ」「ママと子ども」などの回答が微増しています。
わずかな変化ですが、パパや子どもの防災意識が変わってきたということなのでしょうか。
家族の防災意識の差がある
今回の調査では、ママが思う、家族それぞれの防災意識についても聞いています。
防災意識が「高い」「どちらかといえば高い」のいずれも、ママがトップという結果でした。
家事育児の中心がママのご家庭がまだまだ多い中、日常と地続きの防災をママが担うのは、ある意味自然な流れと言えます。
今後に期待!家族の防災力を上げていこう
ただ、実は『いつもしも』では、ママとパパの防災意識にもっと差が出るのでは?と予想していました。
先にご紹介した、防災の困りごと・悩みごとに対する質問▲で、前回は「全てママ自身がやっている」と回答した方が3割弱いらっしゃったからです。
point
ママ1人だけが頑張っていても、せっかくの備えは活かせません。
家族で防災意識を揃えて、防災グッズや食料を備えてある場所、もしもの時の行動などを共有しておくことが大切です。
家事育児に主体的に取り組むパパが増えているように、今後、家庭の防災に積極的なパパが増えてきそうです。
家族の防災意識の変化については、今後も注目していきたいと思います!
子どものための備え
続いて、お子さんの備えについても聞いてみました。
いつも持たせているもの
まずは、お子さんのために、ふだんから持たせているものについて見てみましょう。
まだ小さなお子さんしかいないママもいらっしゃるので、普及率として見ることはできませんが、防犯ブザーを持たせている方が多いようです。
もしものために約束していること
次に、お子さんと約束していることについても教えていただいたところ、交通安全を重視する方が多い結果となりました。
その他は、居場所を知らせるものや連絡手段が目立ちます。
お互いの居場所を把握しやすくしておくと、「いつも」の待ち合わせだけでなく、道に迷った時やはぐれてしまった時などの「もしも」も安心ですね。
お子さんとの連絡手段については、以前『いつもしも』のフォロワーさん(=もも友さん)からもリアルな声を聞かせていただいてますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
子どものための非常持出袋「用意している」は2割弱
持ち歩くグッズと合わせて気になるのは、いざという時に持ち出す非常持出袋(防災リュック)です。
『いつもしも』では「1次の備え」と呼んでいます。
お子さん用の防災リュックを用意しているか聞いてみました。
「用意している」方は2割に満たない、という結果となりました。
お子さんが1人で家にいる時に被災する可能性もありますので、子どもだけで留守番をするようになったら、ぜひ子ども用の防災リュックを用意してみてください。
中に入れた防災グッズを、子ども自身が使いこなせるかどうかの確認も忘れずに!
おすすめグッズリストの紹介と、実際にママスタッフが子どもと奮闘した実践例を参考にしてみてくださいね。
ママ自身のための備え
お子さんの備えを確認したあとは、ママ自身の備えについても見ていきましょう。
いつも持ち歩いているもの
ママの持ち歩きグッズを見てみると、その多さにあらためて驚きますね。
飲み物におやつに衛生用品…そのまま持ち歩き用の防災ポーチ=0次の備えになりそうなラインナップです。
ママの非常持出袋「用意している」は半数以上も、定期的な見直しは2割程度
では、ママ用の非常持出袋(防災リュック)についてはどうでしょう。
ママの方は、用意の有無だけでなく、見直しについても聞いています。
子連れは在宅避難がおすすめ、それでも非常持出袋は用意を
用意しているか否かだけで見れば、「用意している」が55.4%、「用意していない」が44.6%となります。
前回は、お子さんの年齢別に、妊娠や出産後の見直し有無をご回答いただきました。
こちらも用意しているか否かでまとめると、半数〜6割程度で、おおよそ同じ状況と言えますね。
point
災害リスクを考えた時に、在宅避難の可能性が高いと、防災リュックの準備を後回しにしてしまいがちです。
ただ、2024年初めに大きな被害を出した能登半島地震のように、近年の群発地震で何度も大きな揺れにさらされている場合、新耐震基準を満たした家や新築であっても安全とは言えません。
アンケートは2023年末に行いましたので、能登半島地震を受けて、また意識が変わった方もいらっしゃると思います。
ぜひ、持ち出し用の1次の備えも心がけてくださいね。
備えっぱなしはNG!見直しがネック
また、防災で大切なのは、継続することです。
一度備えても、いざという時に期限が切れていて食べられない・使えないという状態は避けたいですよね。
前回の調査を見ると、子どもが小学生以上になると、ママにも余裕ができるせいか、定期的な見直しをされている方の割合が増えていました。
『いつもしも』では、半年に1度程度の見直しをおすすめしています。
特に3月と9月は、メディアでも防災への啓発が活発になるので、見直しのタイミングにぴったりです。
店頭やネットショップでも防災グッズの特設コーナーが設置されることが多いので、取り組みやすいですよ。
【関連】備えの見直しをしよう
インフラの肝!モバイルバッテリーはぜひ用意して
ママの持ち歩きグッズ第1位の携帯電話・スマートフォンは、いまや単なる連絡手段ではありません。
もしもの時、情報収集や安否確認に活用するため、大切なのが充電です。
持ち歩きにも防災リュックにも備えたい、モバイルバッテリーについて聞いてみました。
持っている方が61.0%、持っていない方が39.0%という結果になりました。
お子さんが学校や保育園・幼稚園で過ごしている時に災害が起こったら、保護者はお迎えに行く必要がありますよね。
- 子どもが無事なのか
- 学校や園がどのような対応をしてくれるのか
などの確認は、スマホが使えなければ難しくなります。
もしもの時のお迎えはママというご家庭が多いようですし、すぐに帰宅できるご近所などでなければ、モバイルバッテリーを持っておくと安心です。
ママ自身はもちろん、お子さんもキッズ携帯やスマートフォンを持ち始めると、お子さんの分も充電手段が必要です。
バッテリーと言うと、ゴツくて高くて重い、などのイメージがあるかもしれませんが、スマホ1回分が充電できる程度のものであれば、¥2,000前後で手に入ります。
という方向けに、モバイルバッテリーの選び方ポイント6つを紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
- 防災の主担当がママの家庭が多い
- ママ以外の防災意識に変化の兆し
- 子ども用の非常持出袋を用意しているのは2割弱
- ママ用の非常持出袋を用意しているのは5割強、ただし定期的に見直しているのは2割弱
まとめ
2023年版、最新のママの防災事情をご紹介しました。
気になるところを見直す
3年振りの調査は、新型コロナウイルスの流行が防災に与えた影響を強く感じる結果となりました。
家族の防災意識についてなど、明るい変化の兆しも見てとれます。
その一方で、引き続き、防災にかける費用や備蓄品の管理の難しさが課題であることが明らかになりました。
『いつもしも』は、今後も、こういったママたちの本音を大切にしながら、無理なく・無駄なく防災を続けていけるような情報を発信していきます。
あらためて、ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
アンケートについて
- 調査テーマ:「子どもとママの防災」について
- 調査期間:令和5年11月30日~12月6日
- 調査方法:インターネット(アンケート専用サイトから回答を入力)
- 調査対象:子育て中のママ500名
プレスリリースはこちら
- 今回(2023年版)
▶【防災アンケート2023】「ローリングストック」の認知度UP!ママ500人のリアルな防災事情 - 前回(2020年版)
▶ ママ500人に防災アンケート!備えの悩みに“偏った”防災情報を