防災グッズを揃えよう!と思った時、まず防災リュック(非常持出袋)を備える方が多いですよね。
おすすめ防災グッズリストや防災セットの情報はたくさん見かけますが、残念ながら、そのほとんどは大人1人分を想定したもの。
自分の分を備えるだけでは済まない子連れ避難のママには合わないものが多く、それが『いつもしも』を始めたきっかけにもなりました。
そんなママの備えと、切っても切り離せないのが子どもの備え。
パパと同じくらい食べ、ママの身長を追い抜かすくらいになっても、意外とできないことが多い子どもたちには、やはり子どものための防災リュックが必要です。
この記事では、
など、子どもが急いで避難する際の持ち出し用防災グッズについて詳しく解説します!
ママ向け持ち出しグッズはこちら
急いで避難!その時絶対に必要なものは?防災グッズリスト
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この記事の目次
防災リュック、子ども用はいつ用意する?おすすめの時期
赤ちゃんや小さな子どもの荷物は、基本的にはママパパが持ちますよね。1次持ち出しグッズについても、大人用に追加することが前提です。
しかし、子どもが成長すれば、自分の荷物は自分で持てるようになってきます。
お子さんが自分で持つ、子ども用の防災リュックは、いつ頃からどのように用意すれば良いのでしょうか。
未就学児から少しずつ
いつもしものおすすめは、まずは3歳頃。
ふだんのお出かけや登園時に自分で荷物を持つようになってきたら、考え始めても良いと思います。
自分のおむつや服を数枚持ってもらうだけでも、ママのリュックの容量を節約できます。
未就学児であれば、おもちゃやおやつなど、子どもが好きなものを入れてあげるのもおすすめ。靴下やビニール袋などの軽いものも分担してもらっても良いですね。
ママパパとはぐれてしまった時のために、リュックに名前をしっかり書き、さらに、いつもしものおたすけミニブックのような緊急連絡先を書いたメモを追加しておくのがおすすめです。
ただし、いつ「抱っこ〜!」と言われるかわからないので、あまり欲張らないのもポイントです。
中身が重いものではないので、リュックそのものには、それほどこだわらなくても良いでしょう。
小学生になったらしっかり
1人での行動も増え、自分の荷物を自分で持つ習慣もできる小学生になったら、しっかり防災を意識した備えにバージョンアップしましょう。
学校でも、社会が始まる3年生頃になると「防災グッズを備えてみよう!」といった課題が出るところが多いようです。
学習のタイミングに合わせて、家庭でも改めて見直してみると良いですね!
何のため・どんな時に必要な備えなのかを意識しよう
子どものための防災リュックを備えるときも、必ず意識しておきたいのは備えの段階です。
防災リュックにすべて入れようとしない
いわゆる非常持出袋、つまり非常時に急いで避難するときに持ち出す防災グッズは、備えの段階では「1次の備え」に当たります。
1次の備えとは、発災直後に持ち出し、避難先で1〜2日を乗り切るための備えのこと。
「急いで逃げる」という目的があるため、中身を厳選する必要があります。その上で、1〜2日を乗り切るために必要な量も備えなくてはなりません。
しかし、防災を始めたばかりの頃は、とにかく必要そうなものを全部入れようとしがちです。
ママ向けの1次の備えでも解説していますが、防災リュックにすべてを詰め込もうとしないように意識してみましょう。
防災リュックは自宅被災時が前提!防災ポーチとの併用を
もう1つ、防災初心者がハマりがちな罠があります。
それは、1次の備えだけで満足してしまうこと。
この1次の備えは基本的に自宅に置くため、自宅に居るタイミングで被災した時にしか持ち出せないことに注意してください。
災害はいつどこでおきるかわかりません。1次の備えだけで終わらせず、外出用の0次の備え(防災ポーチなど)と合わせて用意する、という考え方をおすすめします。
【関連】子どもに持たせたい防災ポーチ
防災グッズリスト:子どものための1次の備え
それでは、具体的にどんなものを用意したら良いのか見ていきましょう。
小学生・中高生以上におすすめ!防災リュックに入れたいものリスト
こちらが、いつもしも版・子ども向け1次の備えリストです。
人物マークは身に着けるもの、「more!」マークのついているものは、0次の備えにもあるけれど、さらに1次で量を持っておきたいものです。
なくて困ったものとは?被災した子どもたちの声
子ども用の防災グッズを考えるに当たり、実際に被災・避難された方の声、とりわけ子ども自身(あるいは当時子どもだった方)の声を参考にしました。
被災した子どもたちの声
※タップで拡大できます
こちらは、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが「2018年の西日本豪雨などの災害時に何か活動をした(または、しようと思ったけれどできなかった)、小・中・高校生世代の子ども」を対象に行なったアンケートのうち、
- 避難するときや避難所にあればよかったもの
- どんな応援があったらよかったか
として挙げられたものです。(※1)
実際に被災して避難した子どもだけでなく、ボランティアで避難所の手伝いをした子ども達も合わせた声になります。
もう少し細かい内容を知りたかったので、公開されている自由回答を元に、「いつもしも」が独自に細分化して集計してみました。
(一部、次の設問「どんな応援があったらよかったか」で具体的に挙げられていたグッズもカウントさせていただいています。)
やはり食料と水・飲料がほしかった、という声が多く見られます。服の需要が大きいのは、夏場の避難ということが影響しているかもしれません。
そんな中、「いつもしも」が注目したのは寝具です。
毛布・ふとん・寝具・まくらを合計すると21回答あり、食料(48)・水&飲料(合計39)に次ぐ3位となります。
防災グッズとしての注目度は低めですが、固い・冷たい避難所の床は、ただ座っているだけでも辛いもの。
避難時の床の固さ対策は必須と言えるでしょう。
memo
西日本豪雨で被害の大きかった岡山県倉敷市真備町では、多くの住民が避難所に避難しました。定員180人の避難所に約1,000人が避難して、入れなかった方もいらっしゃったそうです。(※2)
2018年7月の豪雨被害後、最後の避難所が閉鎖されたのは同年12月中旬。結果的に長期避難になってしまった方も居ます。
このデータには、そんな真備町の子どもたちの声も含まれています。
回答者が避難していた期間まではわからないため、長期避難で必要なものが入っている可能性はありますが、貴重な子どもたちの声はしっかりと受け止めたいですね!
「子どもだけで避難」の可能性も検討!できる・できないに寄り添う備えを
子ども自身の声以外に注目したいのは、ママから見た「お子さんにできること・できないこと」。
小学生以上になると、子どもだけでの留守番をする機会も増えてきますよね。
それはつまり、子どもだけで避難する可能性もあるということです。
子どもの防災リュックは、「大人のフォローなしで避難して過ごせるかどうか」を意識して備える必要があります。
いつもしもは、2019年に小学生~高校生ママ100人に独自アンケートを実施し、子どもができることについて伺いました。
小学生以上のママ100人に聞いた結果を、一部抜粋して見てみましょう。
ライトやイヤホンなど、いずれも備えとして必要なものですが、災害時に初めて触って使うのは難しい子も居るようです。
備えたグッズについては、必要に応じて、あらかじめ使い方を練習しておく・ガイドを付けておくなどの対応をしておいてくださいね。
check!
「小学4年生の女子は防災リュックの中身を使いこなせるか!?」をリアルに検証したこちらの記事も、ぜひ参考にしてみてください!
子ども用防災リュックに入れるもの・入れないもの
急いで避難するために、持ち出しグッズはまとまっているのが理想ですが、すべてをリュックに入れた形で備えておくと逆に不便なこともあります。
次は、備えておくけれど防災リュックに入れるもの・入れないものについて見ていきましょう。
【入れない】身支度
帽子・ヘルメットや軍手、上着などの防寒具などは、リュックとは別に、でも避難のときに取り出しやすいところに置いておきます。
玄関周りなど、普段から上着などを置いているところがわかりやすいですね。
気をつけたいのは、可能なかぎり防寒着は身に着けていくこと。荷物を減らすことにも繋がります。
首を温めることはとても大切なので、マフラーやネックウォーマーも忘れずに!
ほこりを防ぐためにマスクも身につけていくと、感染症対策の意味でも効果を発揮してくれるでしょう。髪の長い子はヘアゴムなどで髪をまとめていくと良いですね。
安全に避難するために
身支度として注意したいものの1つがメガネです。
小学生になると、近眼がすすんで視力矯正が必要な子も増えてきます。授業のときだけかける、という子も居ますが、忘れずに持っていくようにしましょう。
中高生になると、コンタクトの子も多いと思います。コンタクトの場合でも、大人同様、避難時はメガネは必須と考えてください。
お子さん用のスペアメガネがある場合は、あらかじめリュックに入れておくようにしてくださいね。
また、家から避難するシチュエーションを考えると、暗い時間帯の確率のほうが高いと言えます。よって、ネックライトはすぐ身に着けられる場所に置いておくと良いでしょう。
昼間でも、雨が降っている状態の場合は点灯しての避難が安心です。
雨の中を避難するとき
雨の中の避難の場合は、レインウェアを着るようにしましょう。
避難が必要なほどの状況であれば、風雨がかなり激しくなる可能性があります。
傘をさしての避難は危険ですし、身体や荷物が濡れるのを防ぐ意味でも、レインウェアがおすすめです。
レインウェアを着ると、足元は長靴を履きたくなりますが、これは危険です。長靴は水を貯めてしまうので、靴が重くなりますし、脱げやすくもなります。
よって、濡れてしまうのは仕方ないと割り切って、紐を結ぶタイプのスニーカーを履くようにしましょう。
また、すでに道路が冠水し始めていたら、傘を杖代わりにして、浅くても必ず足元を確認しながら進むようにしてください。
大雨の時期以外にも、用水路への子どもや高齢者の転落事故のニュースを目にしますよね。
水が濁っていると、柵が設置されていない用水路や側溝と道路の境目はわかりづらくなりますので、慎重な行動が必要です。
【入れる】季節袋は最低限で
いつもしもでは、防災リュックと合わせて、季節に応じて必要なものを分けて用意する「季節袋」という備え方を提案しています。
【関連】季節袋とは?1次の備えの備え方
この季節袋、ママ向けの1次の備えでは、リュックのそばに置いておき必要に応じて追加する方針です。
しかし、子ども向けの1次の備えでは、最初から入れておくことをおすすめします。非常時に、要否の判断を子どもにさせるのは酷かと思うからです。
ただし、入れっぱなしにする分、量を減らす必要があります。
子ども用夏袋のポイント
夏袋には、暑さ対策用に汗拭きシートや塩分補給用の飴・ラムネを入れておきましょう。
また、限られた水分を衛生的に摂取するために、コップもあると安心です。
折り畳みコップがコンパクトで便利ですが、子ども用であれば、ペットボトルのキャップ部分にはめられるペットボトル用のコップがおすすめ。
換気のため、避難所の入り口や窓が開放される可能性を考えると、虫よけもぜひ入れたいところですが…
スプレータイプを外で使う・喫煙所など火気のある場所近くでは使わない、などの判断ができるか不安ですし、ミストタイプも床に飛び散るのを全然気にしないで使いそうです。
上記を考えると、特に小学生の場合は、蚊に対する有効成分(ディートorイカリジン)が入っているシートタイプやジェルタイプが良さそうですね。
虫よけをしていても刺されてしまった時用に、かゆみ止めも入れておきましょう。
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子ども用冬袋のポイント
一方の冬袋に入れたいのは寒さ対策グッズ。
足元が冷えるので、着替えも兼ねて厚手の靴下はぜひ入れておいてください。
使い捨てカイロが備えやすくて安心ですが、低温やけどを防ぐため、
- 直接身体(肌)には貼らない
- 同じ場所を続けて温め続けないよう、貼り替えるときは場所をずらして貼る
などを子ども自身が知っておく必要があります。
使い捨てカイロの使用や持ち込みが禁止の学校もあり、使い方を知らない子も意外と居るようです。
安全に使うために注意が必要なグッズは特に、使い方をよく確認してから備えましょう。
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子ども【小学生】の1次グッズの中身
それでは、防災リュックのメインとなる、持ち出し用防災リュックの中身を見ていきます。
持ち出し用リュックと身につけるミニバッグの2種類を用意
ママ用の備えと同様に、持ち出しグッズを入れておく大きいバッグと、避難先で身につけておく小さなバッグの2種類を用意しましょう。
持ち出しには両手が空くリュックが便利
防災グッズを入れて行くバッグは、両手が空くリュックが便利。
- 撥水加工のあるもの
- 大きすぎないもの
- 反射板がついているもの
がおすすめです!
とはいえ、ママだけの分ならまだしも、家族の分まで専用のリュックを備えるのは、コスト面で少しハードルが高いのは確か。
今の家で一番心配なのは洪水で、早めに避難するとしても雨の中の避難になる可能性があるので、エナメル加工されていてちょうど良いんです。
今気になっているのは、激安シューズでおなじみのヒラキの防災リュックです。
まずはあるもので代用できないか探して、なさそうだったら購入を検討してみてください。
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サコッシュなどのミニショルダーバッグも
そして、リュックとは別に、貴重品を入れるミニショルダーも用意しておきましょう。
いつも使っているものをそのまま身につけて持って行っても良いと思います。
自転車で出かけるときも邪魔にならないのが良いみたい。
確かに、公園で見る男の子たちも、Nintendo Switchが入るサイズのボディバッグを持っている子が多い印象です。
この画像のバッグ、すべて雑誌の付録なんですよ!
ママ用防災ポーチのときにもオススメしましたが、雑誌の付録はなかなかクオリティが高くて侮れません。
リュックとなると耐久性に不安がありますが、ミニバッグなら防災グッズへの活用を検討してみても良さそうです。
子どもの方が得意かも?災害時は情報収集がカギ
令和の子どもたちは、GIGAスクール構想によって情報へのアクセスに慣れています。
大人より上手に、動的な情報にアクセスできる子もいるでしょう。
充電が大切
電子媒体を有効に使うため、モバイルバッテリーとケーブルは忘れずに用意してください。
スマホを持っていなくても、GPSを持っていたら、やはりモバイルバッテリーが安心に繋がります。
GPSは、本体側ではバッテリー残量がわかりにくいものもあるため、避難の際は念の為充電しておくと良いですね。
ただ、バッテリーにも限りがありますので、スマホでもキッズケータイでも、避難後は省電力・節電モードに切り替えるようにしてください。
親のスマホと仕様が異なる場合は、一緒に確認をしてみてくださいね。
【関連】スマホを節電モードにする方法
また、避難の際、Nintendo Switchのようなポータブルゲームを持ち込むこともあるかと思いますが、ゲームの充電は切れたらあきらめるくらいのつもりでいましょう。
ゲームを優先して肝心の連絡手段が絶たれるのは絶対に避けたいところ。連絡手段の保持が最優先です。
すばやい情報収集のために今からできること
情報収集のため、あらかじめラジオアプリや防災アプリを入れておくと便利です。
0次の備えとしておすすめしていますが、改めてお子さんと一緒に確認してみてください。
子どもの方が詳しいこともあるので、聞きながら設定するのも良いですね。
すでにSNSをやっている子は、災害時も積極的に情報収集や発信を行うと思いますが、デマに惑わされないよういつも以上に注意が必要です。
ママ防災士・リサさんも、東日本大震災で被災した際に根拠のないデマを多く目にしたそうです。
有事の際のSNSの使い方について、改めて確認しておきましょう。
また、自治体発信の情報もあらかじめチェックして、ブックマークしておくと素早くアクセスできます。
避難所の開設状況などは、SNSの公式アカウントや公式HPなどで開示している自治体が多いと思いますので確認してみてくださいね。
開設状況を確認しないと、せっかく避難しても入れないという事態になりかねません。
【関連】災害時のSNS活用法
さらに、ラジオやニュースを聞けるよう、イヤホンも入れておきましょう。
ゲームをするときも、周りの人の迷惑にならないよう、イヤホンを使うようにしてください。
複数の連絡手段を確保・確認しておく
災害時、最も気になるのは家族の安否でしょう。
スムーズに待ち合わせるためには、あらかじめ非常時にどう行動するかを話し合い、情報を共有しておくことが大切です。
電話やメールがつながる場合は、お互いの行動を確認しながら動きましょう。
問題は、いつもの方法で連絡がつかなかった場合です。
以下を参考に、複数の手段を確保しておきましょう。
災害時の連絡手段いろいろ
- 災害用伝言ダイヤル(171)/災害用伝言板(Web171)などを利用する
- SNSに投稿しておく
- 公衆電話を使ってみる
- 遠方の親戚など、第三者を介して三角連絡法で連絡(伝言)する
- 避難所の非常用電話を使ってみる
貴重品の備え▼でも触れますが、公衆電話で使える小銭は必ず用意してください。
電話以外だと、位置情報の共有アプリも使えますね。
自分と家族、頼れる人に関する情報
実際に避難した時、原則として、避難所には受付が存在します。どこの誰が避難してきたかを把握するためです。
ここで作られる避難者名簿は、支援物資の配分などにも影響します。
避難者名簿のフォーマットは自治体によって異なりますが、
- 世帯主
- 住所
- 避難者氏名
- 職業
- 年齢
- 性別
- 電話番号
などを聞かれることが多いようです。
パパやママ、あるいは祖父母が世帯主という家庭もあるかと思いますので、改めて確認しておきたいですね!
もちろん、受付の方がフォローしてくださるとは思いますが、このあたりの情報はまとめて取り出しやすいところに持っておくと良いですね。
アレルギーへの配慮や配慮・支援が必要な子は、詳細を知らせる情報も入れておきましょう。
いつもしもの「おたすけミニブック」を活用していただいても、別途専用のカードなどを用意していただいても良いかと思います。
これらの家族の情報と合わせて、家族写真も持っておいてください。
また、避難を決めるための連絡を取り合う中で、例えば子どもだけで近場に居る親族・知人・友人のところに避難することになったときのために、連絡手段や行き方・必要な料金などもわかるところに用意しておくのも良いでしょう。
筆記用具も
家族と連絡を取り合う中でのメモや、持ち込んだものへの記名のために、メモ帳と油性ペンが便利です。
小学生以上には、勉強用の筆記用具もおすすめ▼していますが、こちらとは別の用途として考えたほうが良いかと思います。
防災リュックに何入れた?確認用リスト
そして、防災リュックを用意したあと、最後に用意していただきたいのは、このリュックに何が入っているかのメモ。
「いつもしも」のリストを印刷してチェックしたものでも良いですし、本当に簡単なメモや箇条書きでも構いません。
リュックの中が探しやすくなるだけでなく、賞味期限・使用期限の見直しにも役立ちますので、ぜひ作成してみてくださいね。
衛生用品は使い方も要確認
基本的な持ち物は、子ども用の持ち歩き防災グッズ=0次の備えと同じです。
防水にゴミ箱に、ジッパーバッグが大活躍
防災リュックの中はごちゃつきやすいので、用途別に袋を分けるのがおすすめ。
ジッパー付きバッグに入れれば、雨の中の避難でも安心です。
濡れたものなどを入れておけるように、大きめのビニール袋も用意しましょう。
持ち手付きのビニール袋なら、濡れたものやゴミをまとめる時に便利。
自分で出したゴミは自分で管理できるようにしておきましょう。
ジッパー付きバッグのジッパー部分を折り返して、簡易ゴミ箱にするのがおすすめ。マチのある紙袋を1枚入れておくのも良いですね。
トイレ事情
そして、衛生上の問題として外せないのが、トイレ問題です。(※3)
お子さんは、トイレに余裕を持って行けるタイプですか?
自宅でさえギリギリまで我慢する子が、非常時に余裕を持って行動できるかというと、多分無理ですよね(泣)。
非常用トイレを使用するとなると、商品によって異なるとはいえ、排泄前だけでいくつもの手順(準備)が必要です。
- 非常用トイレとトイレットペーパー、ウェットティッシュ(0次)を持つ
- トイレに向かう
- 非常用トイレをパッケージから出す
- 排泄用の袋を広げる
- 凝固剤を入れる など
個室での使用が難しい場合、目隠しポンチョも合わせて使用する必要があり、さらに手間が増えます。
よって、子ども用に備えるのであれば、少しでも使用手順を減らすためにあらかじめ排泄袋に凝固剤がセットされているタイプや、置いて使えるタイプなどの商品を選ぶが良さそう。
非常用のトイレを備えた避難所も増えていて、個人で備える必要はないのでは?と思ってしまいますが…
やはり、少なくとも5〜7回分の非常用トイレは備えておきましょう。
生理用品は早めに用意
小学校高学年になると、生理が始まる子も居ます。
すでに始まっている子はもちろん、始まりそうな子も、生理用品の準備をしておきましょう。必要な枚数・種類を確認して最低1日分は入れておいてください。
また、非常用トイレや生理用品を使った場合は特に、ニオイをなるべく出さないよう、ゴミの捨て方に注意が必要です。
ぜひ、防臭効果のある袋、中身が見えにくい袋を用意してみてください。
身体を清潔に保つために
歯ブラシは、避難先で欲しかったという声が多いアイテムの1つ。
水が使えない可能性もありますので、虫歯予防効果のあるガムを入れておくと良いでしょう。
からだふきシートもあると良いですね。特に夏場は汗をかきますので、手軽にさっぱりできるアイテムは重宝します。
また、避難所は不特定多数の人が集まる場所なので、感染症対策にマスクや除菌シートを活用してください。
常備薬は自分で把握
常備薬がある子は、かかりつけ医に相談して多めに処方してもらい、1次の備えにも入れておいてください。
薬の正式な名前と飲む(塗る)タイミングを子ども自身が正しく把握している必要がありますので、親子で必ず確認しましょう。おくすり手帳をコピーして入れておくのも良いですね。
ちょっとしたケガに対応
ちょっとしたケガに対応できるように、救急ばんそうこうや高機能ばんそうこうがあると安心です。
圧縮タオルも、傷口を綺麗にするときなどに気軽に使えて便利そう。
ただし、このキャンディのようなかわいいパッケージには注意も必要。
普通のフェイスタオルも、
- 身体を拭く
- 目元を隠す
- 首に巻く
- 畳んで枕代わりにする
など、さまざまな使い方ができますので、ぜひ1枚は入れておいてください。
身体を守るための備え
着替えは、下着・靴下を1セット入れておくと良いでしょう。
雨の中を避難する可能性が高い場合は、トップス・ボトムスもあると安心です。
床対策
さらに重視したいのは、先にご紹介した西日本豪雨後の子どもたちの声▲で多く聞かれた寝具と床の硬さ対策。
レジャーシートに加えて、「いつもしも」では子ども用のパズルマットをおすすめしていますが、子どもが避難するときに持ち出すにはかさばります。
非常用のコンパクトなエアベッドがおすすめです。
#防災リュック に入れているエアベッドを子どもと一緒に試してみました!まずは空気を入れて寝てみるまでをご紹介✨いつものことですが、いろいろ調べて購入しても実際に試してみると意外なことが判明💦でも「じゃあどうしよう?」と相談できるのは事前に試すからこそですよね👍 #いつもしも pic.twitter.com/dqxAAO4Dma
— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) May 29, 2023
毛布、ブランケットは肌触りを重視
子どもたちからは、ほしかったものとして毛布も多く挙げられていました。
毛布が備蓄されている避難所は多そうですが、全員分あるとは限りません。
また、公的に備えられている毛布は、しっかりしたウールのチクチクしたタイプの可能性があります。
避難所でいただいた「災害支給品」と書かれたビニール入りの毛布は、ゴワゴワ・チクチクする昔っぽいウール製のもので、肌に当たると子どもがかゆがるので、床に敷くくらいしか使い道がありませんでした。
肌ざわりを気にする子は結構多いので、肌に当たる部分だけでも手持ちのブランケットやストール▲を重ねられるようにした方が良さそうです。
コンパクトに備えられるエマージェンシーブランケットは百均にもありますので、ぜひ合わせて備えてみてください。
その他、防寒重視ならユニクロのパテッドブランケットや、防災グッズでおなじみのLa PITAの圧縮ブランケットが良さそう。
お気に入りのおやつを模したブランケットやアーティストのグッズなども気分が上がりそうで良いですね!
知らない人と一緒…少しでも安全に過ごすために
残念ながら、避難所に着けば安心、というわけではありません。
地域的な停電・断水は避難所でも起こりえますし、不特定多数の人が集まるとトラブルの発生率も上がります。
少しでも安全に過ごすための備えも、防災リュックに入れておきましょう。
身につけるライト+置き型ランタン、2種類の明かりを確保
身につけるもの▲にネックライトを挙げていますが、追加で置き型のランタンがあると安心です。
避難所では広いスペースを使えるわけではないので、光が強すぎないものが良いでしょう。
多機能ラジオライトがよく知られていますが、子どもの防災リュックに入れるには大きいので、「いつもしも」ではあまりおすすめしません。
防犯のためのグッズ
防犯のための大前提として、避難所では1人で行動しないようにしましょう。
その上で、ホイッスルや防犯ブザーを持ち歩いてください。避難途中で閉じ込められてしまった時、避難所で不審者に遭遇した時などは、遠慮なく鳴らしましょう。
そして、備えたブザーやホイッスルは、必ず子ども自身が鳴らしやすいものか確認してください。
ホイッスル1つ取っても、音にはかなり違いがあります。
いつもしもでも4種類のホイッスルを比較していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。(※音が出ます)
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災害時に急増する犯罪から親子を守る「被災時の防犯対策7か条」
被災すると、遠方から駆けつけてくれたボランティアや全国からの募金・励ましの声など、人の優しさや温かさを再確認する機会は少なくありません。 しかしその一方で、災害に乗じた犯罪者も急増し、被災に加えて犯罪 ...
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非常食は好みと調理方法を確認してから用意
先にご紹介した西日本豪雨後の子どもたちの声▲では、ほしかったものランキング上位3つすべてが食に関わるものでした。
- 1位「食料」
- 2位「水」
- 3位「飲料」
体力面でも精神面でも、食べ物や飲み物があることはとても大切ですよね。
すぐに食べられるものを用意
防災リュックに備える非常食には、子ども用の備えということで開けてすぐ食べられるものやおやつがおすすめ。
そのまま食べられる非常食
- 長期保存パン
- クラッカー
- シリアルバー
- ナッツ
- ドライフルーツ
- キャンディ
- 長期保存ようかん
持ち出し用に便利なアルファ米については、お子さんが
- 飲用とは別に、調理用のお湯または水を持てること
- 火傷に気をつけながらの調理が可能なこと
が確認できれば、備えても良いでしょう。
お湯or水を注ぐだけでご飯ができる #アルファ米 は #非常食 に最適!メーカーも味もさまざまですが、完成形が🍙おにぎり🍙になるタイプもあるんですよ👍よくあるアルファ米より少なめで、コンパクトに備えられる&ママの軽食や子ども用にぴったり✨ #いつもしも の試食会でもスタッフに好評でした! pic.twitter.com/EoeenJY4GR
— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) May 8, 2023
避難所で食べるものは、原則持参のつもりで
備える量は、1〜2日を乗り切るために必要な備えなので、理想は3〜4食分です。
避難所にも非常食は備蓄されていますが、収容人数が全員・何食も食べられる量は期待できません。
片方は、収容可能人数よりも備蓄食が少なく、多くの人が避難してきた場合は足りないそうです。
もう片方も、数的には1食分以上ありましたが、アルファ米やパンなど数種類の合計で、同じものを全員に配布するのは無理とのことでした。
どちらの避難所でも言われましたが、避難の際の食べ物・飲み物は、自分で用意することが原則と考えましょう。
水害など、多少余裕を持って避難できるときは、おにぎりなどの簡単なお弁当や、お湯と合わせてフリーズドライスープやインスタント飲料を持っていくのもおすすめです。
もちろん、食事が支給されることもありますから、使い捨てスプーンや箸などの食器も忘れずに入れておいてくださいね。
アレルギーっ子は多めに備えよう
食物アレルギーのある子は、食の備えがさらに大切になってきます。
安全のため、食べ慣れている日持ちするものを備えておくか、いわゆる長期備蓄食を食べてみて確認してから備えておくか、備えやすい方法を検討してみてください。
備蓄食が振る舞われた時などのために、相手にもアレルギーがあることを伝えるアイテムを用意するのも良いですね。
アレルギーお知らせアイテム
以前、新学期を迎えた子どもがポツリと
大事なことだとわかっているけど、ちょっと恥ずかしいなと思うときはある。
と言っていました。
日常でこうなら、非常時に、知らない人に食事のたびに説明するとなると更に負担ですよね。
「おたすけミニブック」でアレルギー情報▲を書くことをオススメしていますが、あくまで必要な情報の1つという位置付けで、アレルギー専用ではありません。
と本人の反応も上々。
エピペン専用の保冷ポーチや、エピペンを持っていることを伝えるためのエピペン表示キーホルダーなどもありますので、アレっ子ママはチェックしてみてくださいね。
ペットボトルや缶詰、子ども自身が開けられる?確認してから備えよう
非常食というと、保存がきく缶詰もよく挙げられますよね。
そして、水や飲料は、ペットボトルで備えるのが便利。
しかし、もし子ども1人だったとき、缶詰やペットボトルを開けられるようでしょうか?
避難先で、頼める大人がゼロということはないと思いますが、ぜひいつもの生活で練習してみてください。
念のため、ペットボトルオープナーを備えるという手もありますよ。こちらももちろん使い方は確認してみてくださいね。
(2023.8追記)
夏の外出に便利なペットボトル飲料。お友達家族とお出かけすると、案外高学年の子からも「ママ開けて〜👧」なんて声が…これでは子どもだけで留守番中に #断水 してしまったら大変😱せっかくの備蓄水を活用できるよう、ペットボトルを開ける練習をしておくことも #防災教育 になりますね。 #いつもしも pic.twitter.com/JlKSpRc2AS
— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) August 21, 2023
現金使える?貴重品の管理方法もチェック
大人と同様に、子どもの防災リュックにも現金を備えておきましょう。
先に解説した連絡手段▲を活用するためにも、公衆電話で使える小銭が必要です。
0次の備えでもおすすめしているテレホンカードも良いのですが、地域が停電している場合、公衆電話は硬貨でしか利用できません。
硬貨とテレホンカード、どちらも備えておくのがおすすめです。
また、貴重品の扱いもいま一度確認が必要。
- 金銭は基本的には常に身につけておくこと
- 自分の荷物は、トイレに行く時も持っていくか、信用できる人に預けること
などを徹底するようにしてください。
気持ちを落ち着かせるための娯楽・癒やし
避難後は、意外と暇を持て余した、という声もあります。
娯楽グッズ
子ども自身のお気に入り、だけど頻繁には読まない本やマンガなどを1〜2冊、防災リュックに入れておくと良いでしょう。
その他、複数人で遊べるカードゲームやボードゲームなど、音や光が出ないアナログなおもちゃもおすすめです。
【関連】停電時にできる遊びが知りたい!
ぬいぐるみも、連れて行くと子どもにとって大きな心の支えになります。
タオル、筆記用具などの必要な防災グッズ自体を好きなキャラクターのものにする、という方法もありますので、揃えるときに意識するのもおすすめです。
余裕を持っての避難であれば、タブレットやポータブルゲームを持ち出すのも良いと思います。
ただし、持っていくときは、必ず記名し、製造番号など自分のものを区別するための情報を必ず控えておいてください。イヤホン▲を挿す場所も事前に確認が必要です。
避難所での生活は不自由になると思いますが、日中は、子どもたちが萎縮せずに遊べる環境が必要ですね。
子どもならでは!勉強道具も入れておこう
子どもならでは備えとして、遊び道具だけではなく勉強道具も少し入れておいてください。
ペンとノート、単語帳、年表など、かさばらないものがおすすめです。鉛筆を持っていく場合は、鉛筆削りもセットで用意してくださいね。
memo
以下は東日本大震災後の声になりますが、被災時は、経済的支援と並んで、子どもたちへの学習支援も必要になってきます。
避難生活が長引いた場合ではなくても、受験期やテスト前などは特に、焦る気持ちを少し和らげるためにも、用意して損はないでしょう。
セット買いよりは手作りがおすすめ!子ども用防災リュックの備え方
ここまで、子どもの防災リュックに入れたいものについて解説してきましたが、
…と思う方もいらっしゃるでしょう。
あくまで「いつもしも」の意見ですが、大人と一緒が前提の幼児用なら、とりあえずでセットを買うのはアリです。
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ただ、子どもは、大人以上に使用感・味の好みが分かれます。
また、1人で避難することがあり得る年齢ならば、1人でも使えるものを備える必要があります。
小学生以上の子どもに防災リュックを備えるのであれば、面倒でも1つずつ一緒に選んで備えたほうが、使い方を意識できますし、結果的に無駄がありません。
最も見直しが必要になる非常食も、在宅避難用を備えた中からピックアップする方が見直ししやすいです。
以上を踏まえて、「いつもしも」ではセット買いよりも手作りをおすすめします。
ポイントを押さえれば百均でもOK
また、市販のセットの中には、中身は百均と変わらないものもあります。
特に、避難用に使えそうなリュックがお手元にある方は、セット買いするよりも、百均で中身を揃えていったほうがコスパ的にも良いでしょう。
例えば、このあたりは百均で揃えることができますよ!
- ゴミ袋
- 簡易トイレ
- エアクッション
- たためる座布団
- ケミカルライト
- 筆記用具
- イヤホン
- 軍手
- エア枕
- コップ
- ペットボトルオープナー
- ホイッスル
- ブランケット
- エマージェンシーシート など
リストにあるそのものでなくても、代わりに使えそうなものを備えておくのはアリです。
何も備えていないよりは、とりあえずでも備えてある方がずっと良いからです。
余裕ができたら、あるいは好みが絞れてきたら、改めて百均以外のものもご検討いただくことをおすすめします。
重さの目安
防災リュックを作るときは、子どもに実際に背負ってもらって、避難所まで行ける重さかを必ず確認しましょう。
重さの目安は体重の10〜15%です。
※タップで拡大できます
津波や土砂崩れの危険地域であればギリギリまで軽く、洪水などある程度予測ができる災害を想定した地域であればグッズを充実させるなど、お住まいの地域の状況を鑑みて決めるのも良いですね。
まとめ
子どものための非常持ち出し用・防災リュックについて解説しました。
大人用の備えとの違いは、子どもの「できない」に寄り添う必要があること。
ママパパの世代では当たり前のことが、子どもには新鮮だったりするものです。
もしものときに子どもが困らないよう、どんなことができてどんなことができないのか、そして何があれば助けになるのか、親子でじっくり話しながら備えてみてくださいね。
子ども用防災リュックのポイント
子ども用防災リュックを備える際は、こちらを参考に「これを備えて、子ども自身が使えるか?」を確認してみてくださいね!