最近は自然災害が増えましたが、それに伴い「帰宅難民(帰宅困難者)」になる危険について注目されています。
ニュースで帰宅難民の映像を見ていても、どこか他人事だと思ってはいませんか?
働くママさんや、家から離れた場所に外出することの多いママさんであれば、帰宅難民となってしまった場合に子どもを守るための対策を考えておく必要があります。
被災した直後には家族となかなか連絡が取れない可能性があり、不安なあまり無理に徒歩で帰宅するなど、危険な判断をしてしまいがちです。
帰宅難民になった場合にまずすべきこと・活用できる備え・家族で話し合っておくべきことについてまとめました。
この記事の目次
東日本大震災から学ぶ、ママが帰宅難民になるリスク
東日本大震災では、震災後長時間公共交通機関が停止し、大勢の人が帰宅できなくなりました。
東京都が平成24年に発表した「首都直下地震等による東京の被害予想」によると、大地震が起こった場合に都内では約517万人の帰宅難民が出ると予想されています。
他人事とは言えない帰宅難民問題について、詳しく知っておきましょう。
帰宅難民とは
帰宅難民とは、震災などの影響で公共交通機関が停止し、自宅へ帰ることが困難になる人のことです。
東京都三鷹市の子育て支援NPO「子育てコンビニ」に寄せられた東日本震災の体験談には、
保護者の中には共働きのうえ両親ともに都心の会社に通勤しており、いわゆる帰宅困難者となってしまい、自宅に子どもが1人きりでいる家庭や、近所で預かってもらったご家庭、また、学童保育所や保育園で一夜を過ごしたお子さんもいました。
とあります。
帰宅難民という言葉は、主に首都圏に仕事等のために外出している人に当てはまりますが、首都圏内に限らず公共交通機関の停止により帰宅難民になることは十分考えられます。
家と会社が比較的近くても、駅やバス停、道などが人で溢れるゆえに通過が難しく、やむをえず会社や施設に留まる人もいるでしょう。
実際、道に人がごった返している状態では帰宅よりも施設に滞在することが勧められています。
通常であれば仕事場から歩いて帰ることができる人でも、被災時には帰宅難民になる可能性があると覚えておきましょう。
仕事をしていないママさんでも、買い物等の用事を済ませるために外出していた先で被災し、帰宅できなくなる可能性もあります。
上記と同サイトの東日本大震災の体験談には、
子どもは習い事に行っていて、私は病院の待合室。
電話が繋がらなくて状況がわからず、病院を抜け出して歩いて無事を確認しに行きました。
とありました。
また自分が帰宅難民となる可能性を考えると共に、ご主人など家族が帰宅難民となった際の対策も話し合っておく必要があります。
混乱時にパニックに陥らないためには、事前の準備が大切なのです。
東日本大震災の教訓
帰宅難民になった場合、家に帰ることができないことに加えて様々な問題が生じます。
まず、徒歩で帰ることには様々な困難が伴います。
徒歩で帰宅した人が感じた問題点
東日本大震災の発生後行われた調査では、徒歩で帰宅した人が感じた問題点として
- 徒歩で帰宅中に携帯電話が通じなかった
- 家族との連絡手段がなかった
- 屋外で体が冷えた
- ひとりで不安だった
などが挙げられていました。
徒歩で帰宅せず会社や施設に留まることにした場合も、家族と連絡がつかなかったり、災害に関する情報の収集手段がない場合には不安を感じるでしょう。
さらにママさんなど女性の場合、暗くなってから1人で移動するのは危険です。
災害時には女性を狙った悪質な犯罪が増えるので、通常時以上の警戒が必要です。
普段は安全な道でも、災害時に停電した場合には暗く危険な道になります。
震源に近い地域の場合、明るくても道を歩くこと自体が危険になることもあるでしょう。
帰宅しなかった人たちの意見
帰宅せずに施設に留まることにした人の理由は、
- 職場、家族と連絡が取れたから
- 食料、水、就寝場所が確保できたから
- 交通機関の復旧のめどが立たなかったから
といったものがありました。
「家族と連絡が取れるならば無理して帰宅しない」と考える人が多いことがわかります。
ママさんであれば、お子さんの安全確認が最優先事項と言えるでしょう。
さらに交通機関の運行情報を常にキャッチできるならば、無駄な移動を控えることができます。
人で溢れる駅に行ったり、交通機関が復旧するまでその場で待つ、という行動は体力の消耗になりますし、二次災害に巻き込まれる可能性もあります。
つまり必要な備えは、
- 災害時でも家族の安全が確認できるようにしておく
- 交通機関の最新情報をキャッチできるようにしておく
- 会社に滞在できるようにしておく
といった方向性になるでしょう。
地方でも帰れなくなる可能性が
東日本大震災の際には都心だけでなく、地方都市でも帰宅難民が発生したようです。
仙台駅周辺では約11,000人が帰宅難民となり、駅周辺の混乱および避難所の混乱を呼びました。
徒歩で帰宅する帰宅難民者が緊急車両の妨げになったり、二次災害に巻き込まれたケースも報告されています。(※1)
平成31年10月には千葉にて台風、大雨が発生し、交通機関が動かなくなりました。
千葉市内の一時滞在施設で夜を明かした人も多く、都心に行っていなくても帰宅難民になる可能性があるという問題が浮き彫りになりました。(※2)
外出時に被災する可能性は誰にでもあるわけですが、実際に帰宅難民になった場合、行政はどのように援助してくれるのでしょうか?
3日は子どもと会えない!政府の帰宅難民対策と個人でできること
帰宅難民になった際にはまず自分の身の安全を確保する必要があります。
安全な場所に身を置くためには、政府が災害時に提供する備えについて知っておく必要があるでしょう。
帰宅難民のための政府の対策
内閣府は東日本大震災を踏まえ、平成27年に「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者対策のガイドライン」を出しました。
ガイドラインの中では、大地震発生時には「むやみに移動しない」が大原則となるとあります。
帰宅困難者が一斉に帰宅をした場合、救命活動や緊急輸送活動等に支障が出て、救える命も救えなくなってしまうかもしれないからです。
さらに危険な道を無理に移動すると、途中で落下物があったり火災にまきこまれる危険もあります。
こうした理由から、企業や商業施設に「一斉帰宅抑制」をかけるよう促しています。
行政機関は発災後3日目までは救命活動や消火活動に専念し、4日目以降に帰宅困難者の帰宅支援を行うとされています。
そのため、会社などに留まることにした場合は3日分の備えが必要であることがわかります。
同時に、3日間は子どもに会えなくなる可能性があるという事が理解できます。
会えなくなる3日の間、自分が無事であり、子どもの安否が確認できる備えをしておくことが、パニックに陥らないための助けとなるでしょう。
移動中に被災したら?
会社や施設等で被災した場合はその場に滞在できますが、もし移動中に被災した場合には「一時滞在施設」に留まることが促されています。
一時滞在施設とは、災害時に被災者が身を寄せることができるよう準備された施設のことです。
協力する民間事業者や自治体が提供する施設の中で、受け入れ可能となった施設に滞在することができます。
一時滞在先の情報については各自治体のホームページにて確認することができます。
学校、美術館、スポーツセンターなど様々な施設が一時滞在施設として登録されていますので、一度目を通しておくと良いでしょう。
notice
民間事業者による施設の場合、事業者の意向でホームページに名前が載っていない可能性もあります。
また被災状況により、一時滞在施設が開放されない場合もあります。
お持ちのスマートフォンに
- 一時滞在施設開放情報
- 洪水ハザードマップ
- 大雨浸水ハザードマップ
等の機能があるアプリをインストールしておくと、被災時に一時滞在先を捜し、そこまで移動するために役立ちます。
一時滞在先がわかったとしても、そこまで移動する際には災害に巻き込まれないための安全な道を選ぶ必要がありますので、むやみに動かず安全な道を選ぶようにしましょう。
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会社・施設に留まる場合の注意点、おすすめ防災グッズ
上記にあるように、発災後すぐは会社や施設に留まるよう促されると予想できます。
その場合、まず気になるのは家族のことでしょう。
東日本大震災発生時も、無理に徒歩で帰宅した人の理由に「家族と連絡が取れず心配だった」というものがありました。
行政や企業の指示に従い、自分も心穏やかでいるために、まずは家族が無事であり、自分が会社や施設に留まる意思を伝える必要があります。
そのためには、普段から家族で連絡手段を決めておく必要があるでしょう。
警視庁の「帰宅困難者対策」のページには、覚えておきたい「帰宅困難者心得10か条」があります。
- あわてず騒がず、状況確認
- 携帯電話、携帯ラジオをポケットに
- 作っておこう帰宅地図
- ロッカー開けたらスニーカー(防災グッズ)
- 机の中にチョコやキャラメル(簡易食糧)
- 事前に家族で話し合い(連絡手段、集合場所)
- 安否確認、災害用伝言ダイヤル、災害用伝言板や遠くの親戚
- 歩いて帰る訓練を
- 季節に応じた冷暖準備(携帯カイロやタオルなど)
- 声を掛け合い、助け合おう
出典:帰宅困難者対策 警視庁
会社に最低限の食料、防災グッズを用意しておくべきこと、慌てずに情報収集をして近くにいる人と助け合って行動するべきこと、家族との連絡手段を決めておくことの大切さがわかる10か条となっています。
これを踏まえて、会社に留まる時のために、用意しておきたい防災グッズをまとめました。
備えができている、と思うと、すぐに帰宅できないとしても気持ちに余裕ができるものです。
まずはおやつ等を用意することから、始めてみませんか?
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徒歩で帰る場合の注意点、おすすめ防災グッズ
被災後に徒歩で帰るほうが良いと判断した場合、または一時滞在後に安全を確認して徒歩で帰宅することにした場合、危険を踏まえつつ行政の備えを最大限に活用し、安全第一で帰宅しましょう。
徒歩で帰る場合、まずは安全なルートを選ぶ必要があります。
具体的には、以下のような条件になります。
- 建物が密集しておらず落下物の危険が少ないルート
- 人が集結する駅やバス停等に近づかないルート
- 緊急車両等の通り道にならないルート
自分の帰宅ルートをイメージし、シミュレーションしてみましょう。
point
ママさんであれば、夜道を歩く場合には複数で帰る必要があるかもしれません。
同じ方向に帰宅する人で、一緒に移動できる人がいるかどうか考えておくと良いでしょう。
それと共に、帰宅ルートの途中に活用できる施設を把握しておく必要があります。
「東京都防災マップ」のページにアクセスすると、自分のいる地域にある「災害時帰宅支援ステーション」の位置を知ることができます。
災害時帰宅支援ステーションとは、コンビニエンスストアやガソリンスタンド、都立学校などの中で帰宅困難者の支援を提供している施設です。
災害時に水やトイレ、災害情報等の提供をしてくれます。
東日本大震災の際徒歩で帰宅した人に大変だったことを聞くと、トイレに行けなかったことや、スマホが通じず情報が得られなかったことと答えた人がいました。
徒歩で帰ることになった場合は、無理をせず帰宅支援ステーションを活用しながら帰宅しましょう。
スマホが充電切れになってしまった場合のことを考えて、紙の帰宅支援マップを会社に置いておいたり、遠方に出かける際に持ち歩くのもおすすめです。
その他、徒歩で帰る時のために、用意しておきたい防災グッズをご紹介します。
徒歩で帰る場合には、軽装で歩きやすく、疲れにくい格好がベストです。
ロッカーに簡単な着替えを用意しておくと安心ですね。
check!
帰宅難民になったら子どもはどうなる?家庭で今からできる備え
上記で述べたように、被災時に正常な判断を下し安全な手段を選ぶためには、「家族が安全である」という情報が不可欠です。
子どもの安否確認ができないと、つい危険な行動を取ってしまったり、一時滞在中も落ち着かず疲れきってしまうでしょう。
災害が起こる前に、安否確認の方法を決めておく必要があります。
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家族で決めておくべき確認事項
今のうちに、以下の事項について家族みんなで話し合っておきましょう。
安否確認の方法
家族で安否確認の方法を決めて、一緒に使い方を確認しておきましょう。
安否確認の手段は、主に以下の4つが考えられます。
災害用伝言ダイヤル
NTTが提供するサービスです。
171をダイヤルすることで伝言を録音・再生することができ、電話が繋がりにくいときでも安否確認をすることができます。
毎月1日と15日に無料体験が開放されています。
災害用伝言板
携帯電話の通信会社が提供するサービスで、通信会社ごとに使用法が異なります。
それぞれの会社のページの使用法をチェックしておく必要があるでしょう。
SNS
LINE、Twitter、Facebook、Skypeなどがあります。
災害時は公共の無料Wi-Fi(00000JAPAN)が開放されるため、電話よりも連絡を取りやすい傾向です。
第三者への連絡(三角連絡法)
被災地内で電話が通じにくくなっている場合、遠方の第三者に連絡を取り、安否確認をするという方法もあります。
親戚や友人など信頼できる人に話して、被災時に連絡役となってもらうようお願いしておきましょう。
待ち合わせの場所
家族が別々に被災した場合、災害が落ち着いたときにどこで集合するかを決めておく必要があります。
特に帰宅難民になる可能性が高いママさんの場合は、子どもにどこに滞在するのが最善かをしっかり伝えておく必要があります。
避難場所だけでなく、安全なルートを選び、実際に歩いてみるなどして子どもに教えると良いでしょう。
point
実際にルートを歩いてみるときには、昼と夜の2回歩いてみることをお勧めします。
明るいとわからなかった危険や、目印が見えなくなることなどを理解するためです。
さらにルートにトイレや給水所などがあるかどうかも確認すると良いでしょう。
火災や建物の倒壊等で道が通れなくなった場合のルートも考えておくと、安心です。
自分で避難することができない年齢の子どもの場合は、預けている施設に大人が迎えに行くのが最善です。
あわせてチェック!
家族で決めたことは、メモに書いて子どもに持たせておくと安心。
いつもしもでは、基本的な緊急連絡先はもちろん、もしものときにどう行動すれば良いか、どんな風にママパパと連絡を取ったらいいのかを書いた「おたすけミニブック」を配布しています。ぜひご活用下さい!
帰宅難民になったら、預けている子どもはどうなるのか
「全国保育協議会」が東日本大震災後に出した「『東日本大震災保育所の対応に学ぶ』~子どもたちを災害から守るための対応事例集」によると、震災発生時に
- 地震対応マニュアルを様々な場面を想定して作っていたので行動しやすかった
- 基礎対応を簡潔にまとめていたため、すぐに必要な情報を探すことができた
という報告がされていました。
保育所等の施設では、各施設で災害時の対応マニュアルが用意され、ほとんどの施設では一年毎に防災訓練を行っています。
お子さんを預けている施設の対応の仕方を知るためにも、引き渡し訓練に参加し、発災時からお迎えまでの流れを確認しましょう。
親ではなく第三者でも引渡しが可能なのか、その場合引き渡しカード等が必要なのか…といった決まりも、施設により異なります。
家族全員がそれに通じ、非常時に誰が迎えに行くのが一番現実的なのか、考えておきましょう。
また無事引渡しができたときに、どのようにほかの家族に報告するのかまで、きちんとシミュレーションしておくと安心です。
避難指示が出された場合、災害の種類により避難する場所が異なる園もあります。
まずは「広域避難場所」に避難することにしている施設が多いかもしれませんが、津波が発生した場合には、まず高台に逃げることが先決となるでしょう。
また、保護者との待ち合わせは園ではなく避難場所、と決めている施設もあるかもしれません。
発生した災害に応じて、どこに迎えに行くべきなのか、あらかじめ把握しておきましょう。
point
「広域避難場所」とは、地震発生時に火災や建物の倒壊から身を守るために行く場所です。
預け施設近くの大きな広場や公園が指定されているでしょう。
「避難場所」とは自宅で暮らせなくなったとき、一時的に生活する場所です。
万が一、誰もお迎えに行けない状況が続いてしまった場合はどうでしょうか。
上記の対応事例集を見ていると、
- 3日分の非常食を用意しておくようにとの指示に従っていたので、その非常食で乗り切ることができた
- 避難場所の建物に水、食料、オムツを置いていたので、子どもたちにおやつを渡すことができた
といったコメントがありました。
一方で、少数ながら「食料の備蓄が不足していた」「避難場所に持ち出せなかった」という園もあったようです。(※3)
ほとんどの施設が非常食やオムツの用意をしていると考えられますが、お子さんを預けている施設の備えについて今一度確認してみましょう。
帰宅難民になったら、留守番している子どもはどうなるのか
共働きのご家庭の場合、またママが買い物に行く間など、ひとりで留守番する時間があるお子さんの場合はどうでしょうか?
ひとりで被災したときのことを想定して、どんな対応をするべきかきちんと伝えておく必要があります。
- どうやって身を守るか
- どうやって安否確認するか
- どうやって避難するか
といった事を一緒に考えておきましょう。
上記にあるように、一度防災リュックを背負って、避難ルートを一緒に歩いてみるのがおすすめです。
子どもがひとりの場合、どの程度の災害ならば避難するべきなのか、あるいは家に残るべきなのかを判断するのは難しいでしょう。
細かくシミュレーションして様々な状況にどう対応するか、家族会議するのは大切なことです。
家の近くに親戚などがいるか、ご近所の方と一緒に避難することができるのか、などによっても判断は異なるでしょう。
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さらに家にいる子どもの安全を守るためには、家具の転倒防止対策をしておく必要があります。
子ども部屋のタンスなどは、L型金具やポール式の転倒防止器具をつけて固定すると良いでしょう。
普段子どもが座る場所、お昼寝する場所等には大きな家具を置かないようにするなど、家具の置き方を工夫することもできます。
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地震による命の危機として最初に思い浮かぶのは、建物の倒壊でしょう。 ですが、その前に命の危機に直面することがあります。 それが「家具の転倒や移動」です。 特に、子供がいる場合家具の転倒だけでも大ケガを ...
まとめ:ママが帰宅難民になっても子どもを守れる備えを
東日本大震災以来、帰宅難民に対しての行政や民間企業の備えはより充実したものとなっています。
しかしその備えを活用するためには、各自が行政の取り組みについて知り、自分の仕事場や通勤ルートでどのように活用できるかを把握する必要があります。
また家族との連絡方法や待ち合わせ場所など、今から決めるべきことを話あっておくことで、帰宅難民になった際にも冷静に対応できるでしょう。
帰宅難民は他人事ではない問題です。
ぜひ、今日からできる対策を始めましょう。
イラスト:クリハラマリ
参考サイト
※1 寅屋敷哲也・丸谷浩明(2018)「地方都市における災害時帰宅困難者問題への対応及び地域内連携の研究 報告書」
※2 時事通信 -帰宅難民、滞在施設で一夜=電車、車動かず立ち往生-千葉市
※3 石井博子ら(2012)「災害時の保育園の危機対応に関する研究 」『保育科学研究』第2巻