地震に台風、豪雨と、毎年のようにさまざまな災害に見舞われる日本。
東日本大震災以降は、学校教育の場でも避難訓練や引き取り訓練に加え、防災について学ぶ時間が増えています。
この災害の多い国で子育てする私たちにとって、いざという時に自分と子どもを守ること、そして自分で自分を守れる子どもに育てることは、これからの時代を生きるために必要なことと言えます。
ここでは、防災教育として家庭で今すぐできることを子どもの年齢別にまとめました。
この記事の目次
子どもの年齢で変わる? 発達に見合った知識と備え
子どもに必要な防災教育は、子どもの年齢に応じて変わってきます。
大切なのは、「いま」の子どもに必要な知識と備えです。
園や学校での防災教育(一例)と家庭で出来ることを調べてみました。
就学前の子ども
小学校に就学する前(0歳~5歳)の子どもは、基本的に1人になることはありません。赤ちゃんや乳幼児はもちろん、保育園や幼稚園に通うようになっても常に保護者や保育者と一緒に通園し、園では保育者に見守られながら過ごします。
point
この時期の子どもに必要なのは、地震や火災が起こるとどういうことが危険なのか、そのとき大人と一緒にどのように行動すればいいのかを覚えることです。
保育園や幼稚園での防災教育
保育園や幼稚園では、月に1回ほど地震や火災を想定した避難訓練が行われ、子どもたちは先生の話でどういうときに逃げる(=避難する)必要があるのかを知り、先生の指示を聞いて安全に避難することを学びます。
そして保護者も、引き渡し訓練などを通じて災害時における園との連絡手段、子ども達の避難場所や引き渡しのルールなどを共有します。
memo
災害時に誰がどのように子どもを引き取るかについては、年度初めに自宅や勤務先から園までの所要時間などを記入した書類を提出し、1年に一度は訓練を通して実際にシミュレーションするという園が多いようです。
あらかじめ日程がわかっている訓練なので、保護者もその日は遠出せずに自宅で待機していることが多く、実際に勤務先や外出先で災害が起こった場合は訓練どおりにならない可能性もありますが、親も子どもも訓練を通して慣れておくことが大事ですね。
また、先生が自分の被災体験を話してくれたり、給食に非常食を取り入れるといった独自の防災教育もあるようです。
遊びながら防災意識を身につける
この年齢の子どもに防災を意識してもらうには、大人が関わりながら遊びに取り入れるのが一番です。初めはよくわからなくても、成長するにつれて理解することも多いので、あまり構えずに気楽に取り組んでみましょう。
おすすめは、絵本の読み聞かせやかるた、トランプなどのゲームです。
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最近は防災に関する絵本も多く出ています。読み聞かせるのはもちろん、仕掛け絵本を自分でめくらせたり、シールを貼ったりするものは子どもも喜びます。かるたやトランプはゲームにしなくてもカードを読んであげるだけで、知らなかったことを知るきっかけになります。
子ども用の非常食を試食して慣れさせておくことも備えになりますし、室内にテントを張ってその中で遊んだり、停電時を想定してランタンの明かりだけで数時間過ごしてみるといったおうちキャンプも防災教育の一環になるでしょう。実際にやってみると、具体的にどんなことに困るのか気づくので、備えに生かすことができます。
この年頃の子どもには、防災学習の動画を一緒に見るのもおすすめです。
NHK for school 「もしものときのがんこちゃん じしんがおきたら」
わからないところは大人が補足して説明してあげると、子どもの記憶にも残りやすいですね。
親子でやってみよう
あんよやまねっこができるようになったら、家でもダンゴムシのポーズを遊びに取り入れてみましょう。「ダンゴムシ!」の掛け声で、床にうずくまって手で頭を抱え、できるだけ体を丸めます。子どもと一緒のときにグラッと揺れたら、ママも同じポーズを取りながら「ダンゴムシして!できるかな?」と大きな声で指示を出し、揺れがおさまるのを待ちましょう。(※耐震性のある建物内にいて上から物が落ちてこない状況が前提です)
また、万が一はぐれてしまったり迷子になったときのために、周りの大人に自分の名前や年齢を伝えて助けを求められるようにすることも大切です。
小学校低学年(1~3年)の子ども
子どもにとって大きな変化の一つが、就学です。それまではいつも大人と一緒だったのが、小学校に入学すると1人で行動する場面も出てきます。最も多いのは学校への登下校です。集団で登校する小学校もありますが、下校は学年ごとに時間も異なるので別々になります。
また、下校後に1人もしくは子どもだけで近所の公園や児童館などに出かけたり、習い事に行くといった場面も増えてきます。
下校後の過ごし方については家庭によって事情や教育方針が異なるため、各家庭でルールを決めることになりますが、この時期の防災教育には、もし子どもが1人の時に災害が起こったらという想定が必要です。
point
子どもが1人でいるかもしれない時、親はどう動けばいいのか、そして子どもが自分で自分を守るためにはどうすればいいのか、対応を決めておきましょう。
日常でも、それまでは親とつないでいた手を離すようになり、家族で外出した先ではぐれたり迷子になる可能性もあります。もし外で家族とはぐれてしまったらどうすればいいのか、あらかじめ子どもと話しておくことは防災学習にもつながります。
mama's voice
子どもが小学校2年の時、ターミナル駅の混雑ではぐれてしまったことがあります。それ以来、迷子になったときは
- 駅やデパートなど建物の中であればスタッフの大人に助けを求める
- 屋外の場合は最後に家族と一緒にいた場所で待つ
というルールを決めました。後日ディズニーランドの広場ではぐれてしまった時も、最後にいた場所を探してすぐに合流することができました。
子どもそれぞれの性格や特性、行動パターンによっても、ベストな方法は異なります。その子に合った方法を一緒に考えましょう。
小学校(低学年)での防災教育
入学すると、防犯も含めて日常生活を安全に過ごすために必要なことが学べるクイズ式のリーフレットが配布されます。また、学校では安全教育の一環として身の回りの危険を見つけたり、生活科の時間を使って防災学習なども始まります。この中で、登下校中など自分ひとりの時に自分を守るための知識やどのように行動すればいいのかなどを学んでいきます。
(出典:文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)
地震や火事、津波を想定した避難訓練は基本的に月1回、保護者への引き渡し訓練は年1回という学校が多いようです。このほかにもバケツリレーなどの消火訓練や学校が避難所になった場合を想定して備蓄倉庫や炊き出しを見学するなど、地域の協力を得て独自の訓練を行っている学校もあります。
子どもの居場所を把握するためには
未就学児に比べると1人で行動する時間は増えますが、低学年のうちは大人が公園遊びや習い事の送迎をする家庭も多く、放課後の学童保育も低学年の児童は利用率が高い傾向にあります。
1人になる時間は比較的限られます。家庭では子どもが1人で行動するシチュエーションごとに、災害が起きた場合の対処法を決めておきましょう。まずは落ちてくるものや倒れるものから離れて自分の身を守ることが最優先ということを伝えます。そのあとで合流する場所や連絡の取り方を教え、時々確認するようにしましょう。
もし子どもと離れている時間に災害が起こったら、真っ先に気になるのは、子どもが今どこにいるのかということでしょう。学校や習い事にいる時間ならひとまず安心できますが、問題は登下校中や放課後など、1人でいるかもしれない状況です。
このような時に子どもの居場所を把握するためのサービスやグッズも増えています。
たとえば、遠方の小学校へ電車通学する場合などに駅の改札を通るとメールで知らせてくれるシステムです。ほかにも基本的に任意加入ですが、学校や放課後を過ごす学童や塾、習い事などで入退室を通知してくれるところもあります。
この春、中学生になって電車通学が始まった息子ちゃんと登校できているか心配でスマホの探すアプリを使っても、電源を切っていて検索できないこともしばしば
そんな時におすすめなのが改札通過通知サービス。我が家も迷った結果、スマホと併用するため #まもレール に申し込みました#いつもしも pic.twitter.com/S7PbEQyFkf— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) April 14, 2022
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入退室の通知は、ゲートを通った時に自動的に通知してくれるものもありますが、子どもが自分でリーダーにカードをかざす手動の場合もあります。子どもがカードをかざすのを忘れてしまうと通知されません。
こういったサービスを利用してもいいですし、最近は小学校に入学するのを機にGPSを持たせて、子どもの居場所を確認する家庭も増えています。
mama's voice
家が学区域のはずれにあるので、小学校入学と同時に子どもにGPSを持たせました。普段はなくさないようにランドセルの中に入れています。下校時間を過ぎているのに、なかなか帰ってこない…というときにスマホで居場所を確認しています。通学路は決まっているのですが、一緒に帰る友達につられて寄り道してしまうことも多いので(汗)
子どもとの連絡ツールとして、キッズケータイやキッズスマホを持たせる家庭もありますが、学校への持ち込みが禁じられていたり、低学年だと子どもが操作できない、もしくは関係のないときにいじってしまうなど他のトラブルにつながる可能性も。持たせる場合は、家庭で使い方やルールをよく確認しておきましょう。
防災を意識するためのコンテンツ
小学生になると国語や算数など教科の学習が始まり理解力が上がるため、防災に関する知識も身につきやすくなります。
「どうして地震がおこるの?」という素朴な疑問を持ったり、防災イベントや体験施設で災害を疑似体験することにより、危険を認識する力もついてきます。
【関連】いつもしも with Kids
また、小学生の子どもに人気の学習漫画や科学漫画は、災害を扱ったり非常時を想定した内容も多く、防災教育の一環にもなります。
災害が起きたらどうなるのか視覚的にイメージしやすいため、防災に対する意識も変わるでしょう。人気アニメのキャラクターや可愛いイラストは、子どもが進んで読んでくれそうです。
自治体が発信している防災学習を目的とした子ども向けの動画もあります。クイズ形式になっているものもあり、子どもが楽しみながら防災知識を学べるようになっています。
このようなコンテンツを上手に活用して、子どもに防災を意識してもらい、もしもの時に身を守る方法を伝えていきましょう。
子ども用の防災ポーチは最小限に
小学生になれば、もしもの時のための防災グッズは日頃から持たせておきたいところですが、低学年の子どもには持ち物の管理はまだ難しいことも。防災ポーチを持たせる場合は、どこかに置き忘れたり失くしてくることを前提に、最小限で失くしても困らないアイテムにしましょう。
GPSなどは紛失のリスクや目に見える場所に付けるとかえって危ないこともあるので、ランドセルの中のファスナー付きポケットなどに入れておくことが多いようです。緊急時の親の連絡先などは小さなカードやメモに書いて移動ポケットなどに入れておくと、公園に行くときにも持ち歩けます。
いつもしものおたすけミニブックも配布中!
- ミニハンカチとティッシュ
- ウエットティッシュ(あれば)
- ホイッスル&ライト(あれば)
- 親の連絡先を書いたメモ
- GPS(持たせられるなら)
非常用の持ち出し袋(防災リュック)ではなく日常的に持ち歩くには、このくらいに絞ったアイテムを移動ポケットやランドセル、習い事のバッグなどに入れておくのがおすすめです。
ランドセルに防犯ブザーを付けている子も多いと思いますが、防犯ブザーは大きいので代わりに小さなホイッスルにすれば邪魔になりません。(所構わず吹いてしまう可能性もありますが…)
このパンダ、実は防災用のホイッスルなんです✨鯖江のめがね工房( @plusjack_sabae)で開発された笛はメガネと同じ素材👓優しい透明感でしっくりと手になじみます🥰人にも救助犬にも届く音域を意識して作られているそうですよ。
💛お守りホイッスル effe pensierohttps://t.co/HLQvFLCXBb #いつもしも https://t.co/v6TMsjF5y5 pic.twitter.com/GqmcGHPRaQ
— いつもしも◇子どもとママの防災 (@itumosimo) October 25, 2021
小学校高学年(4~6年)の子ども
子どもにとって、小学校低学年から高学年への変化も大きいです。高学年になると、1人で登下校する機会がさらに増えます。放課後の過ごし方も多様になり、友達と遊ぶ以外にも習い事や塾などで行動範囲が広がります。低学年の頃よりも1人で移動する機会は確実に増えるでしょう。
学習面でも低学年に比べて難しく抽象的な概念も学ぶようになります。理科や社会の学習が進むと、自然災害が起こる仕組みや防災なども扱います。5・6年生は日頃から高学年として学校の中で主導的な役割を担うようになるため、子どもの意識もより自発的に行動するように変わっていきます。
高学年になったら、学校や自宅以外の場所で自分を守るための知識や家族との連絡の取り方、合流場所などをあらかじめ話し合って確認しておきましょう。日頃から子どもに持たせる防災グッズも少し増やします。
小学校(高学年)での防災教育
避難訓練などとは別に、教科の学習を通して防災の知識を学ぶようになります。2020年度に始まった新しい学習指導要領の影響もあり、「防災・安全教育」の充実が図られています。
例えば、5年生の理科の教科書には天気の変化や台風と防災、洪水などの単元があります。授業で気象情報の見方や台風に対する備えについて学んだあと、グループごとに洪水の原因や対策について調べて発表する(アクティブ・ラーニング)といった学習も取り入れられています。
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理科のグループ学習で洪水について調べたとき、全国のハザードマップを調べました。色々な地域のマップを見ていると、特に川の蛇行している部分の外側で被害想定が大きいことに気づきました。そして自分の家のあたりが大雨で浸水しないか心配になりました。
水害が続いた近年、東京都では学校を通じて保護者向けに「マイ・タイムライン」という冊子を配布し、家庭でもタイムライン(防災行動計画)を立てることを推奨しています。
親子でやってみよう
小学校中学年になると、社会科で地図の見方を習います。家庭でも家の周りの地図やハザードマップを親子で一緒に見てみましょう。通学路を中心に、大雨で水が溜まりやすい場所や地盤が弱いところを確認しておきます。地図には載っていませんが、地震の際に倒れてきやすいブロック塀があるところなども注意! 授業の一環で防犯マップを作る学校もあります。防犯や交通安全と同じように防災も意識づけましょう。
危険を理解するためのメディア
子どもの興味が自分の住んでいる地域やコミュニティから少しずつ外の世界に広がっていくこの時期は、防災への関心を深めるチャンスでもあります。
近年は特にさまざまな自然災害が増えているので、テレビのニュースやドキュメンタリーなどを目にする機会も多いでしょう。社会に対する興味も芽生えてくる高学年の子どもには、新聞各社が発行している小学生新聞もおすすめです。
自治体やNPO法人などが主催する防災教室や防災キャンプといったイベントもあります。座学だけでなく、自分の家の防災マップを作るなどのワークショップやテントを組み立てたり、かまどベンチで火をおこす炊飯訓練など、体験を通して学ぶことができるようなプログラムもあります。夏休みなど長期休暇を使って開催されることが多いので、自由研究を兼ねて参加してみるのも良いのではないでしょうか。
休日のお出かけには、防災公園や科学館、消防博物館などが気軽に行けておすすめです。
防災ポーチの中身は子どもと決める
小学生も高学年になると、行動範囲が広がり持ち歩く荷物も増えてきます。もしものための防災ポーチの中身は、子どもの意見も聞きながら決めましょう。
mama's voice
以前、子どもが自分で作ったポーチ。防災というより普段の外出時の持ち歩き用でしたが、これをベースに親の目線で持たせたいものを追加しました。(アップデートした防災ポーチはこちら)
いざという時に使うのは子どもなので、どういう時に使うのか説明しながら子どもの意見も聞いて、可能なものは取り入れました。案外、子どもの意見の方が参考になったりします。
自我がはっきりしてくる年齢でもあり、子ども自身が使うポーチなので、親が一方的に中身を決めてしまわずに話し合うことが大切です。
- ハンカチ(ガーゼの大判タイプ)
- ティッシュ
- 除菌ウエットシート
- マスク(予備)
- ホイッスル&ライト
- 非常食(あめやグミ程度のもの)
というわけで、子どものリクエストで引き続き使う、または追加するものを決め、ホイッスルは割愛しました。
子どもの防災ポーチ実例
- ハンカチ(ガーゼの大判タイプ)
- ティッシュ
- 除菌ウエットシート
- マスク(予備)
- 非常食(あめやグミ程度のもの)
↓子どもの意見で追加、または引き続き使うもの↓
- 絆創膏
- ミニライト(太陽光電池のもの)
- メモ帳(ミニサイズ)
- シャープペンシル(鉛筆から変更)
中学生・高校生の子ども
中学生になれば、小学校よりも通学区域が広がります。自転車やバス、電車を使って通学する場合もあるでしょう。休日も部活動などで遠方へ出向くことが増えます。
高校に進学すると、家から遠い学校に通うことになったり放課後にアルバイトを始めたりと、さらに世界が広がります。スマホの所持率も高校生は9割近いという調査結果もあります。
子どものスマホデビューの年齢は?我が家のルールとその後の話
入学・進級など新しい生活がスタートするのを機に、初めてスマホを持つ子どもが増えています。 我が家もこの春、中学に入学する上の子に非常時の連絡用としてスマホを持たせることになりました。 目新しくて面白い ...
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進学をきっかけにスマホや携帯電話を所持する子どもが増える一方、校内での使用はもちろん持ち込みを禁止している学校もあり、登下校中の連絡手段がないこともあるようです。
家族とのやり取りは電話よりLINEなどのコミュニケーションツールが主体になり、災害時にも比較的つながりやすいことは安心ではありますが、連絡手段をスマホに依存するため、非常時にはバッテリー切れやWi-Fiにつながらないなどの問題も出てきます。
中学校・高校での防災教育
中学校や高校では、自分たちの周りだけでなく地域にも目を向けた、より社会的な視点での防災学習が取り入れられています。
中学生や高校生を対象とした防災教育で注目されているのが、HUG(Hinanjo Unei Game)です。
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HUGとは、災害時の避難所運営を考えるアプローチのひとつとして静岡県が開発したゲームです。避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所に見立てた平面図に適切に配置し、避難所で起こるさまざまな出来事にどう対応していくかを模擬体験することができます。
このゲームを通して、災害時に支援を必要とする人への配慮を学んだり、炊き出し場や仮設トイレなど生活空間をどのように配置するべきか意見を出しながら話し合うことで、広い視点から防災に対する理解を深められるとして注目されています。
イマドキの中高生必携の持ち物
最近の中高生、特に高校生が必ず持っているとも言えるスマートフォン。学校内では使用が禁止されていても、登下校など移動中は使えるというところが多いようです。
防災を意識して…というわけではないのかもしれませんが、スマホをよく使う子はモバイルバッテリーやモバイルWi-Fiを持ち歩いていることも。大人並みに使いこなしている印象です。
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中高生に限らず、災害などの非常時にTwitterなどのSNSを情報源とする人も多いですが、デマや真偽不明の情報が出回ることもあります。信頼性の高いアカウントをフォローしたり、ニュースアプリを利用するなど、ハード面だけでなくソフト面でも備えておきましょう。
ほかにも最低限の衛生グッズや、可能ならバータイプの栄養機能食品など簡単な食べ物と水筒を持ち歩くようにしましょう。ラジオや帰宅支援マップなどアプリで代用できるものをスマホに入れれば荷物の軽量化にもなります。
荷物を軽量化する方法については、こちらの記事を参考にしてください。
家族との連絡手段や合流場所
子どもがスマホを持っていても、災害時にすぐ連絡を取れるかどうかはわかりません。
自宅から離れた学校に通う場合、登下校中に災害が発生したらどう行動するべきか、あらかじめ決めておきましょう。
交通機関がストップするような災害が起きた場合、私立の学校同士で協力し合う仕組みもあります。
これは自宅にも学校にもたどり着けない時、近くの私立学校に避難すれば、自分の所在を在籍する学校に連絡してもらえるというネットワークです。私立学校の被災状況や生徒の安否情報もラジオで放送されます。
連絡が取れないときの対応をあらかじめ共有していれば、親も子も落ち着いて行動できますね。
防災学習は学校と家庭の両輪で
子どもの防災学習は学校と家庭の両方で実行することが大事ですが、特に家庭での取り組みが鍵になってきます。
ここではすべての年齢の子どもを対象として、家庭でできる取り組みをまとめました。
家庭での防災教育 基本の三本柱
繰り返しになりますが、家庭での防災教育で最も大事なのは、以下の3つを確認しておくことです。
- 連絡手段・・・災害時にどうやって連絡を取るか、その優先順位(LINE→電話など)
- 合流場所・・・連絡がつかない場合、どこへ行くか(自宅や学校、親戚の家など)
- 防災意識・・・家の中や外での危険な場所を知る、最低限の防災ポーチを持ち歩くなど
災害伝言ダイヤルなどは、子どもには意外と使い方が難しかったり公衆電話が近くにない、使い方を知らないといったことも考えられます。
子どもの年齢や自宅もしくは学校の立地(危険度)、通学手段などによって対応は異なるため、「いまの我が家の場合」を決めて家族全員で共有しておきましょう。
防災に興味を持つきっかけ作り
防災意識を身につけるためには、まずは防災に興味を持ってもらうことから始めましょう。
子どもが興味を持ってくれそうな、おすすめのコンテンツです。
- 漫画
- 書籍
- 小学生/中高生新聞
- 教育テレビやドキュメンタリー
- 子ども向けの動画(YouTube)
ドキュメンタリーは刺激が強い映像だと必要以上に怖がらせてしまう恐れがあるので、バラエティー番組などで時折放送している「もしも首都圏で震度6の地震が起こったら…」といった想定の再現VTRなどがおすすめです。
災害を経験したことがない子どもにソフトに伝わる内容のものを選びましょう。
▼防災をテーマにした小説から入るのも良いですね!
本好きママ防災士セレクト!読書感想文におすすめの本9選
夏休みの話題がチラホラ聞こえて来る頃、ウキウキする子どもとは対象的に、ママたちはソワソワし始めます。 そうです、夏のママを悩ませるツートップといえば、自由研究と読書感想文!(学童や部活のお弁当問題もあ ...
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遊びながら楽しく防災知識を学ぶ
家族で楽しく遊びながら防災知識が学べるゲームです。
- かるた
- すごろく
- トランプ
- クイズ
- アプリ
かるたやすごろくなどは家族で楽しめますし、クイズやアプリはちょっとした待ち時間や暇つぶしにもいいですね。
check!
東京消防庁のサイトのキッズコーナーで公開している防災クイズはレベル別に分かれており、レベルによっては地震や火災、生活事故など災害の種類も選べます。二択から選択して答えていきますが、要所で簡単な解説もあり、全問正解するとプレゼントがもらえます。
アプリで楽しめるクイズもあります。
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子どもだけでなく、大人とっても自分の防災知識を確認したり、アップデートするのにおすすめですよ。
体験を通して想像力を養う
コンテンツや遊びで防災に対する興味が湧いてきたら、次のようなイベントや施設に出かけてはいかがでしょうか。実際に目で見て体験することで、子どもにも理解しやすく記憶にも残ります。
- 地域の防災イベントやワークショップ
- 科学館や博物館
- 防災公園
- 子ども向けの防災キャンプ
いつもしものスタッフと子どもたちも、以前に防災公園に併設している施設へ行ってきました。その時の体験レポートも参考にしてくださいね。
【防災おでかけ】子どもと楽しめる防災体験施設『そなエリア東京』に出かけてみよう
とある日のいつもしも編集部。 というわけで、今回はロケ企画。 いつもしも編集部のママライター達が、そなエリア東京へ子連れ防災遠足に出かけてきました。 そなエリア東京のマメ知識 そなエリア東京とは、東京 ...
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まとめ
防災学習と言っても、堅苦しくならず気軽に始められることを中心に紹介しました。
改まって防災のことを話す機会がないという人も、まずは東日本大震災が起きた3月11日、防災の日の9月1日など日にちを決めて、家族で「もしも」のときのことを話し合ってみてはいかがでしょうか。