外出中に被災した時に活躍する、持ち歩き用の防災グッズ、通称「0次の備え」。
この記事では、
- ほかの人は普段どんなものを持ち歩いてるか知りたい!
- 必要なグッズを揃えたとして、現実的に持ち歩けるの?
といった「0次の備え」のリアルについて検証していきます。
備えのリアルについては、持ち出し用の「1次の備え」でも検証しています♪
必要な0次の備えグッズリストと解説、それぞれの具体的な使い方については以下の記事を見てみてください。
外出先で被災!普段から持ち歩きたい防災グッズリスト
災害は、時間も場所も選んでくれません。 家には防災リュックが家族全員分備えてあって備蓄もばっちり!…だとしても、外出中に被災したらどうでしょう? 事態が落ち着くまでそこで待機しなければならなかったら? ...
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この記事の目次
いつもの持ち歩きグッズにちょい足し!0次の備え
まずは、ママたちのリアルな持ち歩きバッグの中身を見てみましょう!
持ち歩きバッグの中身拝見!あなたの防災ポーチ見せてください!
ある日のいつもしも編集部、ノマリが突然仕事中の皆に声を掛けます。
皆、「えっ、今!?」「よりによってなんで今日なの~」と戸惑いながらも、見せてくれました♪
トコさんの場合
この日は仕事用に持参するものがあったため、いつもより私物少なめ、というトコさん。
にも関わらず、すごい!母子手帳持ってます!おくすり手帳まで!
ジッパー付きバッグにまとめられていました。
お子さんが小さい頃に熱性けいれんを起こしてから、念のため持ち歩くようになったそうです。
小銭が充実しているのも特徴的ですね。幼稚園の延長保育が都度現金払いということで、常にこのくらい用意しているとのこと。幼稚園ママならではの強みです。
ビニール袋は、お子さんの突発的などんぐり拾いに対応するためだそうです。素晴らしい…!子どもってなんであんなにどんぐりが好きなんでしょうね??
子どもの突発的な要求から防災まで、ビニール袋は万能です!
えるふさんの場合
次はえるふさん。
何も持ってない…と恐縮しきりのえるふさんでしたが、それもそのはず、いつもしも編集部で最もご自宅が近いのです。
グッズを揃えることも大切ですが、公共交通機関を使わなくてもすぐに帰宅可能なこと、これも防災対策としてとても重要です。
そんな最小限の荷物でも、家計とプライベート用でお財布を使い分けているそうで、小銭はばっちり。
お子さん用の可愛いヘアピンとヘアゴムも目を引きます!髪の長いママや女の子が居るご家庭では、備えておくと外食の際にサッと使えたりして便利ですよね。
「髪が邪魔」というのは小さいようで大きなストレスになります。非常時ならなおさらですよね。ヘアゴムは防災グッズとしてぜひとも備えていただきたいです!
みよしさんの場合
次はみよしさん。
ホイッスルにライト、防災寝袋に簡易トイレまであります!
さすが、いつもしもの誇る防災備蓄収納2級プランナーです。いつもしものサイト作りをしていく中で、すこしずつ増やしていったとのこと。
生理用品やウェットティッシュ、目薬など、衛生用品も充実しています。防災ポーチとおやつポーチを分けて入れているそうです。
ナッツとドライフルーツというおやつもいいですね!ヘルシーだけど日持ちして栄養価が高く、トレイルミックスとして山登りをする方にも愛されている組み合わせですから、非常食にももってこいです。
ノマリの場合
最後は私、ノマリです。
言い出しっぺの割には備えていないところから、完全なる抜き打ちチェック(思い付き)だったのがわかっていただけるかと…
充電グッズは割と充実していると自負しています。ただ、最近機種変更しまして、このモバイルバッテリーでは今のスマホをフル充電できないことが判明しました…ライト付きで83グラムと軽いので重宝していますが、再検討の余地ありです。反省。
ホイッスルとライトは、なるべく小さいものを選んで家のカギと一緒にキーホルダーに付けています。いずれも非常用のつもりでしたが、子どものお迎えに行って帰宅すると真っ暗になってしまう冬場、玄関先のポストのダイヤル錠を照らすのに意外と活躍しています。
おやつも豊富で非常用の食料にも困らなそうです。子ども用とはいえ、予想以上に入っていて自分でもちょっと退きました…
この記事の後ろで、0次の備えを揃えて詰めた時にどうなるか検証しています。この微妙な備えがどう変わったか、Before→Afterを見てみてください♪
防災に役立つアプリ、どんなの入れてる?スマホの中身も公開!
バッグを見せてもらって調子づいたノマリ、さらなるお願いをします。
防災として入れていたものも、そのつもりはなかったけど役立ちそうなもの、両方ありました!
トコさんの場合
(参考:ポケットファーマシー -電子お薬手帳)
ニュースにラジオ、防災情報などがあるなか、おすすめしてくれたのはおくすり手帳アプリ。
行きつけの処方箋薬局の情報が登録してあって、病院で処方された薬が自動で登録されるんだそうです。
自分のデータだけでなく、お子さんなど家族の情報も管理できるのが良いですね!
これなら、普段どんな薬を服用しているかがわかるので、緊急時や被災時に急に初めての医療機関に診てもらうことになっても安心です。
処方箋データを先に送っておくこともできるので、待ち時間を短縮することもできます。小さなお子さん連れには特にありがたいですよね。
えるふさんの場合
(参考:特務機関NERV防災)
えるふさんのおすすめはNERV防災アプリ。
特務機関NERVというTwitterアカウントをご存知でしょうか?
【震度・震源速報 2020年1月14日】
4時53分頃、茨城県南部を震源とする地震がありました。震源の深さは約50km、地震の規模はM5.0と推定されています。この地震による津波の心配はありません。 pic.twitter.com/XUT3qjkmzc— 特務機関NERV (@UN_NERV) 2020年1月13日
某アニメに出てくる組織を名に冠しているため、アニメファンのネタアカウントかな?と思ってしまいますよね。
しかし、蓋を開けてみれば、主要ニュースや気象・災害情報などを提供してくれる真面目な情報アカウントで、2020年1月現在のフォロワー数は80万人以上。
気象庁などから専用線で直接情報を入手しているそうで、ニュース速報よりも速く知ることができます。
NERV防災アプリは、このアカウントを運営している方が立ち上げた、防災気象情報に特化したアプリです。
雨雲レーダーなども、天気情報としては珍しいダークトーンの背景が見やすくて新鮮ですよ!
みよしさんの場合
(参考:yahoo!防災速報)
みよしさんのおすすめはyahoo!防災速報。
yahoo!といえば、2014年以降、毎年3.11にYahoo! JAPANで「3.11」と検索すると被災地への募金ができる等(※1)、防災のイメージが強いですよね。
企業として積極的にCSR=企業の社会的責任に取り組んでいて、その中の柱の1つとして「災害・社会課題への支援」を挙げています(※2)。
yahoo!防災速報アプリでは、災害情報はもとより、2019年10月からはユーザーの投稿もあわせて確認することができるようになりました(※3)。
正式な災害情報と現場の生の声が一度に確認できるのは良いですね!
【2020.3.11追記】
正式版がリリースされました!(※4)
【2021.2.1追記】
同アプリの「災害マップ」で、以下のアップデートが行われています。(※5)
- 被災地で救助活動を行うNPO団体・被災状況を取材する報道機関などによる、現地情報の投稿を開始(2020年6月~)
- 防災士による、居住地域や外出先などで気づいた危険箇所の投稿を開始(2021年2月上旬~予定)
危険個所の投稿で事前の備えを、発災直前や発災中はリアルタイムの投稿を参考に行動できるようになるそうです。
ノマリの場合
(参考:震災時帰宅支援マップ首都圏版 ※サービス終了)
ノマリのおすすめは、帰宅支援マップアプリです。
帰宅支援マップについては、震災後にコンビニで見かけていい機会だからと買ってみたら自宅が対象外だったという苦い思い出があります…
こちらは有料版ですが、そんな背景もあったので思い切って買ってみました。
現在地と目的地をまっすぐ結ぶ直線(画像右上の緑のライン)で目指す方角を確認しつつ、帰宅支援ルートを選んで進むことができます。
オフラインでも使えるのがポイントです!
いつもの持ち歩きグッズを見直してみよう
まずは、いつもしも編集部のバッグやスマホの中をご紹介しました。みなさんの普段の持ち物と比べていかがでしたか?
0次の備えに関しては、「新しく備えなければいけないもの」ではなく、「いつもの持ち歩きグッズをどう変えるか/何を足すか」を意識してみてください。
例えば、
- 持ち歩いているティッシュを水に流せるものに変えてみる
- 生理用品のポーチにヘアゴムも入れてみる
- キーホルダーを、ライトやホイッスル付きのものに変えてみる
- 防災系のアプリをインストールしてみる
など、ちょっとしたことで、普段の備えが災害時の備えにバージョンアップします。
いつもの持ち歩きグッズを見直して、その上で、簡易トイレや帰宅支援マップなど、普段は意識しないものだけを追加してみましょう。
point
- 普段持ち歩いているものにちょい足しする
- アプリで身軽に備える
これなら持ち歩ける!女性のための防災ポーチ
さて、ここまでご紹介してきた持ち歩き用の防災グッズ、本当に持ち歩けるのか?私物バッグに詰めて試してみました。
防災ポーチに何入れる?いつもしも版・0次の備えリスト
こちらのリストを元に揃えていきます。
とことんコンパクトにしてみた
まず、アプリで代用できるものはすべてアプリで用意します。
▼おすすめアプリ記事(近日公開)
そして、ポーチその1に充電グッズを。
ポーチそのものも軽いものに変えてみました。
モバイルバッテリーは少し重いですが、1回フル充電できるものを新しく購入しています。(83g/2600mAh→132g/4700mAh)
こちらは、筆記用具と、財布に入れておくもの。
緊急連絡先として夫の名刺を用意し、名刺裏に付箋を貼って、その他家族の番号や子どもたちの園と学校の番号を書きました。付箋は、プラス2枚ほどメモ用に何も書いていないものを付けています。
緊急連絡先や写真やシールは、紙幣を数枚追加して名刺サイズの封筒にまとめ、財布の外ポケットに入れました。
続けてポーチその2、トイレセット。
簡易トイレは、セット売りのものから1回分を抜いたものです。排せつ用の袋と凝固剤とジッパー付きバッグがセットになっています。
最後、ポーチその3、残りのグッズ諸々。
それぞれまとめます。
このうち、薄いものや細かいものは、バッグの内ポケットに入れてしまいます。
私の場合、入れ替えが面倒なので、手持ちのバッグのほぼ全ての内ポケットに同じ装備を入れています。ズボラな方にはおすすめです(笑
0次の備えをまるっと入れてみると、こんな感じ。
0次の備え、入れてみた!
バッグの大きさは、A5サイズのノートがすっぽり入る程度ですが、まだ多少余裕がありますね。
この時点で重さを量ってみると…
約2キロでした!
いかがでしょうか?このくらいならいけそうな気がしませんか?
普段お使いのバッグで想像してみてください。
定期的に見直し
0次の備えはいつも持ち歩くものなので、季節や外出先、それからバッグそのものの買い替えや生活スタイルの変化でも内容は少しずつ変わってきます。
見直した内容はいつもしもの公式SNSでご報告しているので、ぜひチェックしてみてくださいね!
この投稿をInstagramで見る
0次の備え、1週間持ち歩いてみた
この検証のあと、1週間このバッグを持ち歩いてみました。持ち歩き時間は、徒歩25分+電車20分の往復です。
正直な感想を言いますと、
もともと荷物が多めだったせいで、重さの面で負担が増えた感覚はなかったです。
おやつは少し減らしましたが…
お弁当を入れた日などは、バッグがパンパンになってしまって簡易トイレのかさ張りが気になったりはします。
ですが、それよりこれで何かあっても乗り切れる!という安心感が思いのほか大きくて自分でも驚きました。いつかやらなきゃ、と思っていたことができるとスッキリしますね。
防災ポーチのほかにも、実際に「やってみた」備えの検証シリーズはまだまだあります!
リアルなレポートに興味のある方はぜひ読んでみてください。
これでも重そう…もっと荷物を減らしたい方は
もし、これでも多い…重い気がする…という方。
減らす余地があるとすれば、
- バッグ本体
- 財布
- モバイルバッテリー
- 水筒
- トイレグッズ
のいずれかかと思います。
バッグは、布製のものにすればだいぶ軽くなります。ただ、いつも持ち歩くものなので、いくら防災のためとはいえ好みに合わないものを無理に使う必要はありません。
point
日常の中で防災を意識するとき、「必要」と「好みに合わない」は常に付きまとう課題ですよね。
いつもしもでは、無理せず防災を続けることを大切にしているので、「新しいバッグが欲しいと思ったとき、好みかどうかと合わせて、防災グッズを入れて持ち歩いても負担にならないバッグかどうかも気にしてみる」くらいをおすすめします!
財布の中身は、ポイントカードなどアプリ化できるものはしてしまうなど、カード類を減らして極力薄くしてみましょう。
モバイルバッテリーは、より薄くより軽いものが続々と発売されています。コード一体化型などもありますので、定期的に新しい商品をチェックしてみると良いでしょう。それまで使っていたものは、まだ使えるようでしたら1次や2次の備えに回していってくださいね。
水筒も、300ml入るサイズを使いましたが、真夏でない時期やもしもの時の徒歩帰宅にあまり何時間もかからないという方は、もっと小さなサイズでも良いかと思います。2019年に大ヒットした、容量わずか120mlというミニ水筒などもおすすめです。
また、トイレグッズについては、最低限で言ったら、
- 消臭袋
- 吸収剤
があればなんとかなります。
ただ、やはり排せつ物なので…事後は自分でも見たいものではありませんし、せめてもう一枚、丈夫で透けない袋を用意しましょう。
まとめ
ほかの人がどんなものをどのように持ち歩いてるかを見てみると、新鮮な驚きがあったり、自分もやらなきゃと刺激を受けたりしますよね。
今回は、いつもしも編集部の持ち歩きグッズや愛用アプリ、私物を使ってのリアルな0次の備えをご紹介しました。
ぜひ、ご家族やお友達とも、おすすめグッズやアプリについてお話してみてください!