スマホに頼る機会が増えているいま、防災グッズとしても注目されているモバイルバッテリー。
店頭でもネット上でも、さまざまな種類のモバイルバッテリーを見ることができます。
選択肢が多くてありがたい反面、結局どれを選べば良いのかわからないという方も多いのでは?
この記事では、そんなあまり詳しくないけど欲しい方向けに、モバイルバッテリーを選ぶ時のチェックポイントをお教えします!
購入したモバイルバッテリーを安全に使うための注意事項やおすすめの買い替えタイミング、捨て方までまるっと解説していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
- 【買う前に】モバイルバッテリー選びのポイント6つ▼
- 【買ったら】安全な使い方▼
- 【使ったら】買い替えのタイミング▼
- 【ダメかなと思ったら】モバイルバッテリーの捨て方▼
▼モバイルバッテリー以外はこちら 現代人にとってスマホは「命」とも言えますが、災害時にはスマホの重要性はさらに高くなります。 実際に被災した方の「あってよかった」「なくて困った」と感じたグッズの1位はスマホ充電器だそうです。 いま買う ... 続きを見る
災害グッズ「なくて困った」1位は充電器!いま入手すべき災害用充電グッズを考える
この記事の目次
自分に合うモバイルバッテリーを選ぼう
この記事で解説するモバイルバッテリーとは、繰り返し充電できる、持ち運べる充電式充電器を指します。
そして、モバイルバッテリーの多くはリチウムイオン電池を利用しています。
check!
乾電池式の充電器については充電式ではないので対象外です。
リチウムイオン電池って何?
リチウムイオン電池・LIB(Lithium-ion Batteryの頭文字)とは、簡単に言うとその名の通りリチウム(Li)という金属の「軽い」「電気をたくさん生み出せる」という特性を利用した電池です。
memo
2019年、このリチウムイオン電池開発の功績により吉野彰さんがノーベル賞を受賞したことでも知られていますね!
リチウムイオン電池が発明されたことで、スマホなどの携帯電子機器が爆発的に普及しました。(※1)
モバイルバッテリーの安全性▼や捨て方▼を考える上で大切な情報なので、とりあえず「モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われていることが多い」ということだけ頭に置いておいてください。
モバイルバッテリー選びのポイントを整理しよう
さて、そんなリチウムイオン電池を使っているモバイルバッテリー。
いざ選ぼうとショッピングサイトを検索してみると、このような商品が多いのではないでしょうか。
なんというか、情報が多いですよね(苦笑)
一見雑多に見える情報ですが、整理・分類してみるとチェックポイントが見えてきます。
モバイルバッテリー選びのポイント
※タップで各解説に飛びます。
ひとつずつ見ていきましょう!
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まずは必要な容量を知ろう
充電したいものがあるから持ち歩くのがモバイルバッテリーですよね。では、「充電したいもの」は何ですか?
モバイルバッテリー選び最初のポイントは容量です。
何を充電したいか
モバイルバッテリーで充電できるものはスマホだけではありません。
タブレット、ノートパソコン、ワイヤレスイヤホン、携帯用の扇風機など、
- いつもの生活で外出時に使うもの
- もしもの生活で欠かせないもの
を基準に選んでみてください。
充電したいもののバッテリー容量をチェック
充電したいものを選んだら、次はそれぞれのバッテリー容量を確認します。
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「容量」と聞くとスマホの容量=ストレージ(32GB、64GB、128GBなど)と混乱する方もいるかもしれませんが、こちらは保存できるデータ量を表すもので、バッテリー容量とは別です。
バッテリー容量を調べるためには、「mAh(ミリアンペアアワー)」または「Wh(ワットアワー)」と書かれた数字を探しましょう。
ここをチェック!
たとえばiPhoneの場合、バッテリー容量は以下のようになっています。
スマホ以外にも、充電式のものには記載がありますのでチェックしてみてください。
充電したいものの合計、充電したい回数で考える
外出中に充電が切れたら困るものの容量の合計が、モバイルバッテリーを選ぶ上での基本になります。その上で、
などと考えることができます。
在宅避難の場合、特にお子さんは暇を持て余すことがあるので、携帯ゲーム機▼なども充電できるように考えておくと避難生活の助けになるでしょう。
多すぎ禁物!目安は充電したいものの容量(合計)の1.4倍
欲しい容量がわかったら自分が充電したいものの容量の1.4倍以上のものを選びましょう。モバイルバッテリーの実際の容量は、諸説ありますが表記の6~7掛け(60~70%)くらいが目安です。
notice
なぜなら、モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池と、スマホなどの電子機器自体やそれに接続するUSBコネクタの間には電圧の差があるからです。充電時に電圧の変換が行われると若干の容量のロスが発生するそうです。(※2)
大容量にこしたことはない?モバイルバッテリーそのものの充電時間も考慮しよう
広告でよく見かける「大容量」ですが、モバイルバッテリーの場合は10,000mAh以上を指すことが多いようです。安いものだと¥1,000台で購入することができます。
だったらもう少し値段が高くても20,000mAhのものを買った方がいい?と思うかもしれません。しかし、これには注意が必要。
容量が多いものは重いですし、モバイルバッテリーそのものの充電に時間がかかるからです。頻繁に持ち歩くモバイルバッテリーが、ひと晩経っても満充電にならないようでは困りますよね。
この場合、モバイルバッテリーの容量を抑えるか、急速充電▼の仕組みがあるものを選んでおく必要があります。
航空機への持ち込み制限も
帰省や出張で飛行機をよく利用する方は、航空機内へのモバイルバッテリーの持ち込み条件にも注意しましょう。
モバイルバッテリーは預け入れできないので、機内持ち込み荷物に入れます(※3)。機内に持ち込めるのも100~160Whのバッテリー2個までで、160Whを超える容量のものは持ち込みできません。
ただ、160Whはだいたい43,000mAh超(3.7Vのリチウムイオン電池と仮定)とちょっとしたポータブル電源並みの容量です。
広告では「超大容量」と書かれるレベルなので、スマホ用のモバイルバッテリーを使っているような方はさほど気にしなくても良いでしょう。
ただし、ネットでは「Wh表記がないからと言って没収された」という声もあります。航空会社や国によって対応が異なる可能性はありますので、荷造りの際に確認してみてくださいね。
- スマホを充電するだけなら5,000mAh前後がおすすめ!
同時に何を充電したい?出力ポートの数
容量を決めたら、ポイント2つ目に移ります。出力ポート(充電用のケーブルを挿すところや内蔵ケーブル)の数を考えてみましょう。
入力用ポートと出力用ポート
モバイルバッテリーのポートには「入力用(Input)」と「出力用(Output)」の2種類があります。
「入力用」はモバイルバッテリー自体を充電するためのポートで、「出力用」はモバイルバッテリーからスマホ等への充電を行うためのポートです。
point
よくある横長の長方形(=USB Type-A)は電力を供給する側の規格、小さめの台形(=Micro USB/USB Micro-B)は供給される側の規格なので、出力ポートという意味では「よくある長方形の数」を見るのが簡単です。
ただ、最近増えてきた横長の楕円形(=USB Type-C)は入出力のいずれも可能ですので、「横長の楕円」がある時はこちらも出力ポートにカウントできます。
また、ケーブルが内蔵されているモバイルバッテリー▼の場合、ケーブルも出力ポートになりますので、こちらも数えましょう。
「同時」に何台充電できるか
ただ、複数ポートがあっても実際には片方ずつしか使えないという商品もあります。2口以上を選ぶ際は「2台同時充電可能」かを確認しましょう。
同時だと充電速度は落ちることが多い
また、多くの商品の場合、複数ポートを同時に使うと表記にある充電速度は出ません。使用するポートによって仕様が異なる場合もありますね。
「合計 MAX 2.4A」「全体出力 最大2.4Aまで」とあったら、同時につなげた時に反応が悪くなる可能性が高いです。こういった場合、1口ポートを優先度の高い方から順番に使った方が効率が良いでしょう。
出力ポート数=同時充電数とは限らない
仮に「出力ポート数3口」かつ「3台同時充電可能」という商品であっても、充電する機器によっては実現しないことにも注意しましょう。
内蔵ケーブルの場合、同じコネクタを複数用意しているモバイルバッテリーはほぼ見かけません。
たとえば、こちらのモバイルバッテリーは「3口同時充電」と記載されていますが、出力ポートは
- USB Type-Aポート
- 内蔵のLightningケーブル
- 内蔵のUSB Type-Cケーブル
の3種類で、使えないケーブルも出てくる可能性があります。
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このモバイルバッテリーで親子3人のiPhoneを充電しようとした場合、
- ①USB Type-AポートにLightningケーブルを挿す
- ②の内蔵Lightningケーブルを使う
の実質2口しか使えません。
内蔵ケーブルはケーブルの持ち歩きが不要で便利ですが、同時充電したい場合は注意してくださいね。
複数ポート、ホントに必要?
そもそもですが、自分が同時にキープしておきたい機器があるかどうか、複数ポートの必要性を確認しましょう。
出力ポートだって1つより2つの方がお得じゃない?と考えそうになりますが、ここも注意が必要!
当然ながら、モバイルバッテリーの容量は決まっていて、複数に対して給電する=容量を分け合う形になりますので、それぞれをフル充電したいのか、とにかく充電切れを起こさないようにしのげれば良いのか検討してみましょう。
- スマホを充電するだけならポートは1つで充分。
軽量?小型?大切なのは「持ち歩きやすさ」
容量と出力ポートの数を見てきましたが、”モバイル(mobile)”バッテリーと言うからには、持ち歩きやすいことが大前提!
次は、モバイルバッテリー選びのポイント3つ目・重さや形状などの携帯性を見ていきます。
「軽量」「わずか〇g」にダマされない!重さの目安
モバイルバッテリーの商品ページには、その軽さをうたう言葉があふれていますが、中には首をかしげたくなる表現も。
例えば「わずか200g!」。
当たり前の話ですが、200gは計量カップ1杯分の水に相当しますよね。文庫本1冊が150g程度らしいので、それより重いわけです。(注:京極夏彦作品を除く)
また、スマホの重さも150~200g程度のものが多いので、「文庫本を持って出かける」「もう1台スマホを持ち歩く」ことが自分にとって苦になるかどうかを判断の目安にしてみてください。
ショッピングサイトで購入する際は特に、重さを必ず確認するようにしましょう。
容量が大きいモバイルバッテリーは重い
モバイルバッテリーの多くは、その中身の7~8割がリチウムイオン電池です。
リチウムイオン電池には、
- 円筒型:モバイルバッテリーやハンディファンなど
- 角型:音楽プレーヤなど
- コイン型:バックアップ電源やソーラー時計など(※4)
- パック型:カメラのバッテリーなど
- シート状(リチウムポリマー電池):スマートフォンや薄型のモバイルバッテリーなど
などの種類があります。(※5)
モバイルバッテリーでよく使われているのは円筒型とシート型。容量の大きいモバイルバッテリーにはこの電池がたくさん入っていると考えて良いでしょう。当然、物理的に重くなりますよね。
容量と重さ、場合によってはどちらかを妥協する必要があります。
持ち歩くシチュエーションを確認
さて、では実際にモバイルバッテリーを持ち歩く場合、どんなバッグに/どんなポーチに入れますか?
モバイルバッテリーにはさまざまな形があります。よく見るのは
- 薄い長方形のカード型
- 厚め正方形のタイル型
- 細長いスティック型
- 厚め円形のメダル型
などですね。
バッグが小さいなら隙間に収まりやすいスティック型、大きいけどマチがあまりないバッグならカード型など、持ち歩きに便利な形状を確認しましょう。
- 持ち歩くなら100g前後がおすすめ!
本体だけじゃない!ケーブル選びも結構大事
モバイルバッテリーを備えるときに忘れていけないのがポイント4つ目・ケーブルです。
多くのモバイルバッテリーの場合、付属品として付いてくるのはモバイルバッテリー自体を充電するためのケーブルのみ。モバイルバッテリーとスマホなどをつなぐケーブルは自分で用意する必要があります。
【バッテリー→スマホ】コネクタの形に注意!
ケーブル選びで最も重要なのはコネクタの形。これを間違えるとそもそも機器に差すことができませんので、かならず確認しましょう。
コネクタの形状によってAndroid用/iPhone用と分けて書かれていることもありますが、一口にAndroidと言ってもMicro USB充電のものとType-C充電の機種が存在します。(※6)
iPhoneは、2022年現在最新のiPhone13でもApple独自のLightning端子ですが、iPadはType-C充電ですので、やはり注意が必要です。将来的にはType-Cに集約されていくのでは、という話もありますが、現状はバラバラです。
異なる種類のコネクタに対応!1本2役
スマホはLightningだけどワイヤレスイヤホンはType-Cなど、充電したいもののコネクタの種類が複数あるなら、
- 2in1/3in1ケーブル
- 変換アダプター
などが便利です。
変換アダプターはコンビニでも購入できますよ。1本のケーブルを使いまわすので同時充電は難しくなりますが、持ち歩きの荷物をコンパクトにすることができます。
また、先にご紹介したケーブル内蔵のモバイルバッテリー▲を選ぶのも良いですね!
【電源→バッテリー】USB対応のコンセントタップが必要
モバイルバッテリーに付属している充電ケーブルは、USBケーブルなことがほとんど。つまり、別途USB対応のコンセントタップが必要です。
プラグが内蔵されたモバイルバッテリー(ハイブリッド型)であれば、直接コンセントに差すことが可能なのでモバイルバッテリー充電用のケーブルは気にしなくても済みます。
この投稿をInstagramで見る
こちらはいつもしも公式インスタグラムでも紹介している無印良品×Ankerのコンセント型モバイルバッテリーです。コンセントに差したまま、普段のスマホ充電もこちらを経由させることでモバイルバッテリーの充電忘れを防ぐことができます。
ただ、コンセントに直接差すため、他のプラグに干渉するなど電源周りがごちゃつきがちというデメリットもありますので、使用する場所には注意しましょう。
手持ちのケーブルのアンペア数は?バランス重視なら2A
バッテリー本体と比べると軽視されがちなケーブルですが、モバイルバッテリーと充電対象をつなぐケーブルのスペックは実は結構大切!
ケーブルのスペックは主にアンペア(A)数で判断します。
①モバイルバッテリー②ケーブル③スマホなどの充電対象、この3つのアンペア数は揃えることを意識してください。
notice
モバイルバッテリーが5Vの力で2Aの電流を流すことができたとしても、ケーブルが1Aしか通せなかったら1Aでしか充電できません。
後で解説する急速充電▼対応のモバイルバッテリーを使用する場合は特に、ケーブルも急速充電対応のものを選ぶ必要があります。
memo
2.4Aあるいは3Aといったケーブルもありますが、やはりやや高価。かといって1Aでは充電に時間がかかります。
価格とスペックのバランスに悩んだら、とりあえず2Aのケーブルから見てみると探しやすいですよ。
自宅のケーブルをチェックしたらモバイルバッテリーを買い直すことになった
手持ちのケーブルにはA数が不明なものがたくさんあります。ネットで購入したものは購入履歴から確認することもできますが、そういえば傷んでた!と思いついたときに買ったものも多いので…
というわけで、我が家にあるスマホ充電用のケーブルのスペックをUSBチェッカーを使用して確認してみました。
結果、在宅避難用に備えていた20,000mAhのモバイルバッテリーを処分▼しました(泣)。
半年に1度は残量チェック&充電していたのですが、スマホへの給電確認はおろそかになっていたのを反省。
本来の調査目的であるケーブルはいずれも1.5~2.1A程度と意外と優秀だったので予想外の結果になりましたが、良い備えの見直しになりました。
USBにもバージョンがある!USB-Aの青いポートに注意
一番馴染みが深い長方形のUSB Type-Aのポートの中に、青いものがあるのをご存じですか?これはUSBのバージョンが比較的新しいことを表しています。
USBのバージョンって?
2000年以降、2022年現在も多く流通しているのはUSB2.0というバージョンです。そのあと開発されたのがUSB3.0で、最新は2019年発表のUSB4なのですが、要するにバージョンが大きくなるほどにスペックが高いということ。
ちなみに、バージョンとType-〇などのUSBのポートの形とは別です。Type-A(ポートの形)にはUSB2.0バージョンもUSB3.0バージョンも存在します。
このあたりのバージョンはとんでもなく!ややこしいので、より詳細を知りたい方は以下のサイトなどを参考にしてみてください。
見た目は同じType-Aでもスペックが高いUSB3.0に対応している場合は、ポートもケーブルも青にすることが推奨されています。
互換性はあるのでバージョン違いでも使えますが、本来の性能は発揮されません。モバイルバッテリーのType-A出力ポートが青かったら、ぜひケーブル側も青いものまたはUSB3.0と明記されているものを選んでみてくださいね。
最適な長さは?使う場所や体勢を考慮しよう
最後にケーブルの長さを見てみましょう。
一般的に購入可能な充電ケーブルには、0.1m~3.0mまで様々な長さが存在します。モバイルバッテリーとの接続やパソコン周辺での利用なら、1.0mくらいまでの短めのケーブルが使いやすいでしょう。
「大は小を兼ねる」ということで、ついちょっと長めなケーブルを選びそうになりますが、ケーブルが長くなると充電時間も延びてしまいます。
上の図は、充電器でスマホ「エクスペリアZ5」を充電したときの最大電圧と最大電流を測定した結果だそうです。同じケーブルでも長さによって能力が変わることがわかりますね。
QiやMagSafe、ワイヤレス充電ならケーブル要らず
モバイルバッテリーの中にはワイヤレス給電に対応したものもあります。
よく知られているのは、置くだけで充電ができるQi(チー)。QiはWPC(Wireless Power Consortium:ワイヤレスパワーコンソーシアム)が策定したワイヤレス充電の国際標準規格です。docomoでは「おくだけ充電」と呼ばれています。
ただ、Qiは正しい位置にスマホを置かないと充電されないので、モバイルバッテリーとしてはやや使いづらいですね。Qi対応のモバイルバッテリーは、持ち歩くけど充電は長時間机の上で行う可能性がある人向けでしょう。
もう1つが、AppleがiPhone12以降に導入したスマホ背面にマグネットで貼り付けることで充電が可能なMagSafe(マグセーフ)です。MagSafeもベースはQiです。
Qiと違ってながら充電▼がしやすいので、ケーブルの扱いにストレスを感じる方には良いですね!
充電対象がMagSafe対応機種に限定されている方は、MagSafe対応のモバイルバッテリーを検討してみても良いでしょう。
- 複数種類のコネクタが必要な場合は2in1/3in1ケーブルや変換アダプターが便利!
- モバイルバッテリーへの充電もチェック!USBコンセントも用意しよう
- ケーブル単体で購入するなら1m以内&2A(アンペア)がコスパ◎
- 対応機種ならケーブル要らずのMagSafe対応のモバイルバッテリーもおすすめ。
充電規格を確認して急速充電しよう
粗悪な商品でなければ、充電はできます。ですが、少々お高くてもとにかく早く充電したい!という方もいますよね。
モバイルバッテリー選びのポイント5つ目は急速充電です。
急速充電とは
では、急速充電とはいったい何かと言うと、その名の通り従来よりも速い速度で充電を可能にする規格のことです。
ただ、どのくらいの速度で充電できれば急速充電、といった定義はありません。
急速充電の規格としてよく知られている「PD(Power Delivery=パワーデリバリー)」「QC(Quick Charge=クイックチャージ)」について見てみましょう。
PD(Power Delivery=パワーデリバリー)とは
PD(Power Delivery=パワーデリバリー)とは、USB IF(USB Implementers Forum:USBインプリメンターズ・フォーラム)というUSBの規格を決めたりしている非営利団体が定めた充電規格で、最大100W(20V/5A)までの給電が可能です。
企業じゃないの?と一瞬身構えそうになりますが、Microsoft・Apple・HP・Intelなど名だたる企業が参加しています。
Android端末の一部のほか、8以降のiPhone・Google社のPixelなどがPDに対応しています。
QC(Quick Charge=クイックチャージ)とは
QC(Quick Charge=クイックチャージ)とは、Qualcomm(クアルコム)社が開発した充電規格です。
「QC3.0」という表記をよく見ますが、これはQCのバージョンのことで、2022年1月現在の最新は2020年に発表されたQC5.0です。
注意したいのは、QC3.0まではiPhone・iPadが対象外だということ。
2017年発表のQC4以降はPDとの同期がとられるようになり、QC4+そして最新のQC5.0の場合はiPhoneもAndroidも気にせずに充電が可能になりました。
急速充電したいときの注意点
急速充電をしたいときのポイントは、
- 急速充電対応と明記されているモバイルバッテリーを選ぶ
- お手持ちのスマホがどの規格に対応しているか確認する
- 急速充電対応と明記されているケーブルを選ぶ
の3つです。
繰り返しになりますが、Apple iPhone・iPadなどは3.0までのQuick Chargeに対応していません。充電はできますが、ごく一般的な早さです(※7)。iPhoneユーザーがQC対応のものを使う時は、QC4以降を選びましょう。
逆に、旧モデルのAndroidの一部はPower Deliveryに対応していませんので、こちらも注意しましょう。
また、急速充電にはUSB Type-Cケーブルが必須です。Type-Cケーブルには急速充電に対応していないものもあるので、必ず急速充電対応と明記されているものを選んでくださいね。
- 急速充電は急速充電対応の①モバイルバッテリー②充電対象③ケーブルが揃うことで実現する
- 急速充電は早くて便利だけどグッズがお高め。モバイルバッテリーのヘビーユーザーでなければ非対応のものでも大丈夫。
安全性・PSEは必須
モバイルバッテリー選び6つ目のポイントは安全性。
モバイルバッテリーは、そのパワフルさが魅力である一方、危険性も伴うため使用する上での注意事項▼があります。
よって、必ず確認していただきたいのがPSEマークの有無です。
PSEマークについて
PSEマークとは、電気用品安全法の基準に適合した電化製品に掲示される印です。
高危険度が予測される電気用品「特定電気用品」に付けられるひし形、その他に付けられる丸型の2種類があり、モバイルバッテリーは丸型になります。
モバイルバッテリーは、電気用品安全法により
- 丸形のPSEマーク
- モバイルバッテリーの製造又は輸入の事業を行う届出事業者名
(原則、PSEマークに近接して表示) - 定格電圧
- 定格容量
の4つの記載が義務付けられています。(※8)
平成31年2月1日以降は、PSEマークの無いモバイルバッテリーは販売禁止となっていますので、大前提としてPSEマークが付いているものを選びましょう。
ただし、PSEマークがついていれば安全というわけではありません。使用上の注意▼も必ず確認してくださいね。
できれば信頼できるメーカーのものを
モバイルバッテリーによる事故のニュースを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
【防災用品の正しい使い方をチェック!③】
携帯電話の充電がなくなると、とっても不安…。災害時に限らず、モバイルバッテリーを持ち運ぶ方は多いはず。
コネクターに水がついた状態での使用
専用以外のアダプターでの充電
これらは火災事故発生の原因。改めて、お使いの製品のトリセツの確認を! pic.twitter.com/bDak9mE2GD— 経済産業省 (@meti_NIPPON) September 1, 2021
製品評価技術基盤機構(NITE)のHPで「モバイルバッテリー」を指定すると事故例が確認できるのですが、
- 損傷の激しさにより事故原因の特定ができないと結論付けられたものの多さ
- 「型式機種」「製造・輸入・販売業者」が不明なものの多さ
に驚かされます。
原因不明では改善措置を取らせることができませんし、そもそも製造元がわからなければ指導することすらできませんよね。つまり、事故の原因となったモバイルバッテリーが今も普通に購入できている可能性が十分にあり得るということです。
使い方が正しくても、製品そのものに欠陥があると重大な事故につながります。今後の事故を減らすためにも、PSEマークのない製品や製造元のわからない製品は購入しないようにしましょう。
モバイルバッテリーのメーカーでは、
などが人気です。
各社独自の安全基準も!
独自の安全基準を設けている会社もあります。心配な方は、PSEマークのみならず、こういった対応と取っている製品を選ぶのも良いですね。
PL保険(生産物賠償責任保険)つきの商品も
モバイルバッテリーの中には「安心のPL保険加入!」といった紹介がされているものもあります。
Q:PL保険は、どのような保険ですか。
A:PL保険は、製造業者等が製造または販売した製品等が原因で、他人にケガをさせた場合などに、事業者が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害を補償する保険です。
製造業者が加入する保険で、商品が原因で何か事故が起こった時に訴訟費用や損害賠償金が補償されるそうです。
消費者的には必須というわけではありませんが、仮に事故が原因でその会社が倒産しても、PL保険に入っていれば下りた保障金は製品事故の被害者に優先的に支払われることになっているそうです。
- PSEマークは必ずチェック!ないものは購入しないようにしましょう。
- Anker /ELECOMなどよく知られたメーカーの製品がやはり安心。
その他のおすすめポイント
最後に、先に紹介した6つのポイントほど重要ではありませんが、モバイルバッテリーを選ぶ際に参考にしていただきたいおすすめポイントをご紹介します。
残量確認できるものが便利
モバイルバッテリーの性能には直接影響しませんが、電池残量が現時点でどのくらいかがわかる商品がおすすめです。
パーセンテージやインジケーターランプで表示される商品が多いようです。
表示は便利ですが、あくまで目安として見てくださいね。動作確認するときは、必ずしばらく接続してみましょう。
オプションは要るものだけ
また、単に充電するだけでなく、ライトやカイロなどの機能を備えたモバイルバッテリーもあります。
便利ではありますが、それぞれを十分に使うことはもちろんできません。
多機能ラジオなどの防災グッズについても同じことが言えますが、主な目的を達成できない可能性があることを理解した上で選びましょう。
そうはいっても気になるお値段
容量が大きい、あるいは充電が速いなどの、いわゆる「性能が良いモバイルバッテリー」は魅力的ですが、当然ながらお値段もそこそこします。
ケーブルのところでも少し触れました▲が、ママ的な金銭感覚でぶっちゃけますと、別に最新だったりハイスペックだったりのモバイルバッテリーを備える必要は全くありません。
そこまで性能が良いものでなくても、とにかく確実に備えておきたい=数が欲しい!容量が確保できれば速度はそこまで問わない!という方は相当数いらっしゃいますよね。もちろんノマリもこのタイプです(笑)。
型落ちでも、急速充電じゃなくても、非常時に生命線でもあるスマホを安全かつ確実に生かしておくことができればOK!と考えてみてください。
最後は好みで!
自分にとってどんなモバイルバッテリーが良いのか、なんとなくイメージができたでしょうか?
おそらく、ここまでの条件で絞ってもなお、検索するとかなりの商品がヒットすると思います。となると、ここからはもう好みで選んで大丈夫(笑)!
色や柄もさまざまな商品がありますし、オシャモバなどオリジナルデザインが作れるものも良いですね。持っていて気分が上がるデザインを選ぶのもおすすめです。
Nintendo Switchには「任天堂公式ライセンス取得」のバッテリーが安心
子どもから大人まで絶大な人気を誇るNintendo Switchも、モバイルバッテリーで充電することができます。
ただし、プレイしながらの充電だと消費に追いつかない可能性もあります。
外出先でNintendo Swithchを充電したい場合は、任天堂公式ライセンスを取得しているモバイルバッテリーが安心です。
選んだモバイルバッテリー、どう使う?気になる充電のタイミング
モバイルバッテリーの購入が決まったら、または購入した後に知っておきたい、モバイルバッテリーの使い方について見ていきましょう。
リチウムイオン電池は継ぎ足し充電OK!メモリー効果はほぼナシ
充電式充電池の場合、中途半端に使用して充電する、いわゆる継ぎ足し充電は良くないと言われることがありますが、ほとんどのモバイルバッテリーは継ぎ足し充電しても問題ありません。
というのも、継ぎ足し充電が問題になるのはニッカド充電池やエネループのようなニッケル水素電池の性質(メモリー効果)によるものだからです。(※9)
リチウムイオン電池にはこのメモリー機能はほぼ見られないため、リチウムイオン電池を使用しているモバイルバッテリーでは気にする必要はありません。
過充電を防ぐ!保護機能でつなぎっぱなしでも安心
では、充電のしっぱなし(過充電)はどうでしょう。モバイルバッテリーを充電したまま寝てしまったりスマホを充電したままバッグの中に放置してしまったりすること、ありますよね。
しかし、基本的にはリチウムイオン電池にもモバイルバッテリーにも保護回路が組み込まれています。
memo
繋ぎっぱなしは電池の劣化を招くという話もありますが、これに関しては諸説あります。
例えば大手キャリアなどは「満充電状態で充電を続けることはバッテリー劣化の原因になる」とコメントしていますが(※13)、一方でAnkerは「充電ケーブルを挿したままでもバッテリーへの影響はほぼありません」(※14)と公式サイトで見解を述べています。
ここから判断すると、安全性が確認されている製品であればあまり過剰に気にする必要はなく、満充電が確認できたタイミングでケーブルを外せばよい、という程度の認識で良さそうです。
check!
充電は100%より「腹八分目」がおすすめ
ちなみに、リチウムイオン電池のパフォーマンスが良いのは充電20~80%だそうです。常に100%を目指さないことも、安全な使い方のポイント。
KDDIの方が「腹八分目」という言い方をされててわかりやすかったです。
ついついやっちゃう「ながら充電」は熱くなったら中断
次に気になるのは、充電中にスマホを使用する、いわゆるながら充電。モバイルバッテリーではやってしまいがちですが、こちらもあまりやるべきではないという声をよく耳にします。
しかし、Ankerによると、それは「一昔前の話」とのこと。
充電中のスマートフォンやタブレットの使用はバッテリーに悪影響を与える?ー充電しながらのスマートフォン使用がバッテリーに良くないというのは、一昔前の話。バッテリーの技術も日々進歩しているので、安価な粗悪品を使わない限りは特に心配する必要はありません。
ただし、使用中にモバイルバッテリーやスマホが明らかに熱くなった場合は操作や充電を中断した方が良いそうです。
リチウムイオン電池は熱に弱い▼ため、発熱によりダメージが加わり劣化が加速すると言われています。電気機器ですので、通常の使い方でも多少の発熱はありますが、不安を感じたらいったん充電をストップするなどの対応をしてくださいね。
モバイルバッテリーを安全に使うための注意点
安全性▲のところでも少し触れましたが、モバイルバッテリーの中身・リチウムイオン電池の使用は、方法を誤ると重大な事故につながります。
東京消防庁によると、令和2年のリチウムイオン電池関連から出火した火災は105件、その内モバイルバッテリーと携帯電話が20件ずつの計40件を占めています。
※タップで拡大できます
令和3年のリチウムイオン電池関連から出火した火災は141件(前年比37件増)、過去5年間で最も多い件数となっています。
モバイルバッテリーからの出火は23件とやはり内訳の中で1位。引き続き注意が必要なことがわかります。(※15)
モバイルバッテリー使用時には、以下の点に注意しましょう。
リチウムイオン電池は暑がり&寒がり!特に高温環境に注意
ながら充電▲のところで説明したように、リチウムイオン電池には熱に弱いという性質があります。
- 使用温度:0℃~35℃
- 推奨使用温度:16~25℃
- 保管温度:-20~45℃
- 最大許容温度:45℃
と、なかなかの箱入りっぷりです。
Appleのサイトによると、特に注意すべきは高温環境で、
- 駆動時間が短くなる
- 80%以上の充電を制限する
- 保管だけでもバッテリーに回復できないダメージを与える
などの劣化を促進させる可能性があるそうです。
上記だけで済めばまだ良い方で、先ほどご紹介したような発火・爆発といった重大な事故につながることもあり得ます。
例えば、真夏の炎天下の車の中はエンジン停止後わずか30分で約45℃を記録するため、絶対にNG。
一方、低温環境の方は、一時SNSをにぎわせた「寒冷バッテリー切れ」のように確かに電池の性能が低下しますが、適温に戻れば復活するそうです。(※16)
適切な温度帯を考えると、「モバイルバッテリーは、子どもと安心して過ごせる環境にしか置かない」くらいの理解で良さそうです。
外部衝撃によるショート
スマホやモバイルバッテリーを落として衝撃を与えたり圧力を加えたりすると、リチウムイオン電池が内部短絡を起こす=ショートする危険性があります。
本格的な夏を前に エアコンや携帯型扇風機の事故に注意を
充電式の携帯型扇風機の事故も相次いでいて、充電中に発熱して火災となり、やけどを負ったケースや、使用中にバッテリー部分が破裂したケースなどが、報告されているということです。https://t.co/Pv31lbaoWh pic.twitter.com/F03iTk27ZC— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) June 24, 2021
NITEでは、強い衝撃を与えてしまった自覚がある場合は、そのまま使い続けず販売店やメーカーに相談することをすすめています。(※17)
この記事の後ろでモバイルバッテリーの捨て方▼についても解説していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。
過放電を防ぐ!長期間使わない時の保管方法
モバイルバッテリーの使い方で過充電について解説▲しましたが、過充電と同様に注意しなければいけないのが過放電。充電の逆、電池の使い過ぎの方です。
電池には使っていなくても電力を消費する自己放電という特性があり、長期間放っておくと過放電になる可能性があるそうです。
過充電と同様に基本的には保護回路が用意されていますが、過放電とは要するにあまり使用しなくなった=忘れかけている機器で起こり得る事象なので、より危険性は意識しておきたいですね。
Panasonic公式サイトでは、しばらく使用しない場合は、電池容量の2/3から半分程度状態で保管するよう推奨しています。定期的に見直して充電する、何年も使っていないものなら処分するなどの対応を検討してみてくださいね。
ケーブルはマメにチェックを!買い替えは早めに
充電用ケーブルを小さなお子さんに舐められてダメにした経験があるママは多いのではないでしょうか。
充電中の事故は世界中で報告されていますが、その多くはケーブルの品質の悪さやケーブルの損傷が原因の感電死と言われています。
なるべく子どもの手の届かない場所に置くのはもちろん、もし舐めてしまっても重大な事故につながらないよう、日頃から状態をチェックしておきましょう。
カバーで保護/コネクタの向きでケーブルを傷みにくくする
充電ケーブルが傷みやすいのは断然コネクタ部分です。
CABLE BITEなど、ここを保護してくれる可愛らしいグッズもありますね。
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また、コネクタ部分のつくりを工夫して傷みにくくしている商品もあります。
専用の付属品を使おう
リチウムイオン電池が原因の事故の中には、専用の付属品以外を使用したために発生したものもあります。(※17)
多くのモバイルバッテリーの場合、入出力には汎用的なUSBケーブルを使用するため、あまり気にすることはありません。ただし、防災グッズとして人気のスマホ充電もできるLEDランタンの中には、専用のACアダプターが同梱されているものもあります。
「挿せるから」「似ているから」という理由で、他製品の付属品を使いまわすのは危険を伴いますので、注意してください。
もし発火してしまったら
では、万が一発火してしまったら、どうすれば良いのでしょうか。東京消防庁は以下のように注意喚起しています。
【万が一発火した時には】
電池から火花の飛び散っている時には近寄らず、火花が収まってから消火器や大量の水で消火するとともに119番通報してください。
金属リチウムは水に触れると激しく反応して水素を発生することが知られています。(※18)
モバイルバッテリーに使われているのはリチウムイオン電池で、金属リチウムそのものを使っているわけではないので、危険度は下がります。
ただ、水を使う場合は、反応よりも冷却効果を高めるために大量の水をかけ続けるようにしましょう(※19)。
モバイルバッテリーの寿命は?買い替えのタイミング
日常的に使う乾電池と比べて、長く繰り返して使えるモバイルバッテリーですが、残念ながら寿命があります。
リチウムイオン電池の寿命
リチウムイオン電池の寿命はサイクル数でだいたい決まると言われています。
サイクル数とは、電池切れから100%分の充電を1サイクルとカウントしていることが多いようです。(1サイクルの定義はエンジニアにより見解が異なる(※20)ようで、実際に調べていてもマチマチでした…)
「100%」ではなく「100%分」で1回という点が、継ぎ足し充電▲でもOKな理由でもあります。
経済産業省の資料(※21)では、リチウムイオン電池のサイクル数は3,500回となっていますが、
と、500回程度を目安としているメーカーが多いようです。
おすすめの買い替えタイミング
モバイルバッテリーの寿命がわかったととしても、細かく計算しながら使う人はあまりいませんよね。
その場合、だいたい2~3年くらいをひとつの目安にすると良いかと思います。ほぼ毎日使う人なら寿命がくるし、2年縛りの契約でスマホの買い替えをする人もいるタイミングです。
こんな時は注意!「ふくらみ」は劣化のサイン
2020年7月、携帯ゲーム機のバッテリーに関するこんなツイートが話題になりました。
PSPを持っていたけどここ数年使ってないという全人類へ。
とにかく探し出して、バッテリーを外すのです。私だけでなく、家の人や姉のバッテリーも膨らんでました。
PSPはバッテリーの蓋が先に外れる作りになっている安全設計ですが、危険度はゼロでは無いので~— 風見猫@Street.Master.Dragon 12/31南ゆ05b エコーズ委託 (@kzmnk000) July 24, 2020
このツイートには、返信とともに多くの膨らんだリチウムイオン電池の写真が寄せられています。同じリチウムイオン電池を使用しているモバイルバッテリーでも起こりうることです。
電池が膨らんだ原因は、おそらく長期間放置したことによる過放電で大量のガスが発生したこと。膨らんだ電池や内部から破壊されたような本体を見ると焦ってしまいますが、即爆発などの可能性は低いそうです。
あらかじめ膨張することを考慮した設計がなされていることも多く、通電せずに高温多湿を避けて静置しているかぎりでは、直ちに破裂、爆発といった大きな問題が発生する可能性は低いと考えられます。
SoftbankのHPでも、リチウムイオン電池の特性、と説明されています。
ただ、こうなると電池の劣化は明らかです。使い続けることはやめて、修理センターに相談したり、あるいは廃棄して買い替えるなどの対応を取りましょう。
充電の減りが早くなった
充電してもすぐに減ってしまう時も、電池の劣化のサインと言われています。
モバイルバッテリーは使用感で判断することになりますが、スマホの場合は自分でチェックすることができますので、1~2年経過したら確認してみるとよいですね。
熱を持つようになった
充電中、多少の発熱はありますよね。しかし、高温環境での利用や連続使用以外の理由で、手に持てないほどの異常な発熱を感じた場合は、電池の劣化による熱暴走▲の危険があります。
すぐに利用を中止し、処分するようにしましょう。
キャンペーンやセールを利用してお得に買い替えも
ちなみに、Ankerはモバイルバッテリーの下取り&買い替えサポートを行っています。
Anker Storeに持ち込むと、保証期間を過ぎていても壊れていても店内のモバイルバッテリーが¥300OFFになるそうです。(※23)2020年には、さらにお得な買い替えキャンペーンも行われていました(※24)。
こういったキャンペーンを利用したり、そろそろ交換時かな?と思ったらセールをチェックしたりして、お得に買い替えましょう。
家庭ごみでは出せない!モバイルバッテリーの捨て方
生活を支えてくれたモバイルバッテリーが寿命を迎えた▲とき、どうすれば良いでしょうか。
notice
リチウムイオン電池を含むモバイルバッテリーは、家庭ごみとして捨てることはできません。
可燃物・不燃物に混ぜなければ良いという話ではなく、小型家電としても、アルカリ乾電池などと同じ電池類としても出すこともできませんので注意してくださいね。
家電量販店・自治体などに持ち込む
リチウムイオン電池にはリチウム・ニッケル・コバルトといった、いわゆるレアメタルが使われています。そして、これらの希少金属を有効利用するため、販売業者には回収・リサイクルが義務付けられています。(※25)
回収所はこちらの「協力店・協力自治体検索」から検索できます。
家電量販店やスーパー、役所で回収している自治体もあるようなので、お住まいや職場の自治体を指定してチェックしてみましょう。
基本は電池の回収ですが、モバイルバッテリーに関しては、本体そのまま出す(本体回収)ことが可能です。
捨てる前に電池の種類を再確認!
モバイルバッテリーに使われているのはリチウム電池ではなくリチウムイオン電池なので注意してくださいね。「リチウム」の文字が入っていても、コイン形リチウム電池(CR/BR)はアルカリ乾電池と同様の扱いです。
check!
リチウムイオン電池は、金属リチウムを利用しているリチウム電池と区別してリチウムイオン二次電池とも呼ばれます。
二次電池とは、充電によって繰り返し使用可能な電池のこと。エネループ(eneloop)で知られるニッケル水素電池も二次電池です。私たちが日常的に使う乾電池のような使い切りタイプの電池が一次電池に当たります。
一方で、コイン形電池より小さいボタン電池(SR/PR/LR)は、水銀を含んでいるため環境保護を目的として別途回収・リサイクルされています。(※26)
モバイルバッテリーを捨てに行ってみた
回収可能店リストに近所のビックカメラ×コジマがあったので、今回の検証でダメになっていることが分かったモバイルバッテリーを持って行ってみました。
が、店内をいくらウロウロしても回収ボックスは見当たりません。
ということで、ノマリ家の近所ではサービスカウンターの方に直接渡す形式でした。
普通ゴミに混ぜて捨てられていたモバイルバッテリーにより、ごみの回収施設で火災が発生する事例も報告されています。繰り返しになりますが、正しく捨てるよう注意しましょう!
メーカーの回収サービスを利用
Ankerでは、回収用キットを送付してくれるリサイクルサービスがあります。(※27)
モバイルバッテリーの回収店に行くのが難しい場合は、購入時にこういったサービスのあるメーカーの商品を選ぶのも良いですね。
まとめ
いまや私たちの生活欠かせないインフラの1つであるスマートフォンを支えてくれる、モバイルバッテリーの選び方を解説しました。
購入するのは簡単なモバイルバッテリーですが、適当に選んでしまうと危険ですし、良くない商品に当たってもゴミ箱にポイと捨てることもできません。
今度こそ、自分にとって使いやすいモバイルバッテリーを手に入れましょう。
参考サイト
※1 吉野彰さん(旭化成・名誉フェロー)からのメッセージ|文部科学省
※2 スマホの充電 「急速対応」のはずなのに遅いワケ|NIKKEI STYLE MONO TRENDY
※3 安全な空の旅のためにお出かけ前にご確認を。 飛行機に持ち込めないもの。|政府広報オンライン
※4 コイン形リチウム二次電池|Panasonic
※5 電池の種類がわからない方|一般社団法人 電池工業会
※6 docomo端末充電器適合表|TOPLAND
※7 Quick Charge(クイックチャージ)とは|サンワサプライ
※8 電気用品安全法 モバイルバッテリーに関するFAQ|経済産業省
※9 継ぎ足し充電は問題なし 意外なバッテリー新常識|NIKKEI STYLE MONO TRENDY
※10 iPhone の「最適化されたバッテリー充電」について|Apple
※11 Xperia使いこなしガイド -いたわり充電|SONY
※12 スマホのバッテリーを長持ちさせるコツ|Galaxy
※13 「ながら充電」や「100%のまま充電」はNG? スマホのバッテリー寿命を延ばす方法|IT Media
※14 スマホの充電は正しくできてる?みんなが気になるバッテリーの疑問10選|Anker
※15 リチウムイオン電池からの火災に注意~電池の分別回収にご協力を!~|東京消防庁
※16 「寒い日やスキー場ではスマホ電池の減りが早い」は都市伝説? 結露など冬の注意点も|TIME&SPACE by.KDDI
※17 リチウムイオン電池搭載製品の 発火事故事例|NITE
※18 周期表とアルカリ金属|でんじろう先生のはぴエネ!【公式】
※19 【電池発火時の対処、消化方法】リチウムイオン電池が発火した際、水はかけても大丈夫?|電池の情報サイト
※20 「充電繰り返すとスマホ電池は劣化」は都市伝説? バッテリー寿命を延ばすコツ|TIME&SPACE by.KDDI
※21 蓄電池戦略|経済産業省 蓄電池戦略プロジェクトチーム
※22 ワイヤレス充電でスマホを発熱させずバッテリーを劣化させない方法|ELECOM
※23 モバイルバッテリー下取り&買い替えサポート|Anker
※24 モバイルバッテリー買い替えキャンペーン 申し込みフォーム|Anker
※25 小型二次電池のリサイクル(資源有効利用促進法)|経済産業省
※26 ボタン電池回収にご協力ください|一般社団法人 電池工業会
※27 リサイクル|Anker