被災者へのアンケートによると、被災後に必要だと感じたものの1位は「モバイルバッテリー」、2位が「電池」と「水」でした。(※1)
電池は、ラジオやランタンなどの防災グッズはもちろん、スマホの充電にも活躍する大切な備えのひとつです。
普段から何気なく使っているものでもありますが、防災備蓄として確実に備えよう!と思うと、気になることも出てきますよね。
- いつも使っている乾電池で大丈夫?
- 何本くらい必要なの?
- 長期保存中に液漏れや事故が起きないか心配…
などなど、電池の備えについての疑問をまとめました。
比較を先に読みたい方はこちらからどうぞ♪
この記事の目次
防災グッズ用の電池は何をどれくらい買えばいい?
ライフラインの中でも電気は比較的復旧が早い傾向にありますが、2019年の台風15号では復旧までに約15日間を要しており、必ずしもすぐ使えるともいえません。(※2)
また、東日本大震災のときのように、計画停電が実施される可能性もあります。
「もしも」を考えるとキリがないですが、乾電池は緊急支援物資として手に入りやすいもののひとつなので、備蓄全体の目安として推奨されている1週間分を目標にしてみましょう。(※3)
わが家では何本必要か数えてみよう
1週間分の電池というと、具体的には何本なのでしょうか。
必要な電池の数は、家族構成や備えているグッズによって変わるものです。
人数が多ければ明かりや充電のために数が必要になりますし、もし大容量バッテリーなどを備えていれば、電池の消費は少なく済むでしょう。
一概には言えない部分なので、まずは自分の家でどんなものに・どれくらい電池を使っているのかを調べてみましょう。
memo
ちなみに、日本気象協会「トクする!防災」では、5人家族が3日間を乗り切る備蓄の目安として、乾電池50本が挙げられています。
4人家族の電池リスト
いつもしもでは、電池の使用チェックリストを配布しています。
例として、幼稚園児と小学生のお子さんをもつスタッフ・ノマリさんの結果を見てみましょう。
※タップで拡大できます
- 単1……6本
- 単2……2本
- 単3……32本
- 単4……62本
- アルカリボタン電池……3個
- リチウムコイン電池……9個
表を見てみると、お子さんのおもちゃにかなりの量の乾電池を使っていることがわかります。
一見、災害時におもちゃは不要にも思えますが、心を支えてくれるものや暇を潰せるものは、メンタルのためにとても大事です。
また、停電中、光るおもちゃが明かりになってくれた、という経験談も見かけます。
お気に入りのおもちゃがいつも通り使えるよう、余裕をもってストックしておけるといいですね。
加えて注目したいのが、スマホの充電器です。
ここでは1回分で計算していますが、最近のスマホは単3乾電池4本ではフル充電できない機種がほとんどです。
「家族で」「1週間程度」使うとなると、かなりの乾電池を消費するでしょう。
スマホは大事な情報源になりますから、節約しながら使うと考えても、1人あたり最低8本は用意しておきたいですね。
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さらに、数は少ないですが、ボタン電池も使用しています。
防災グッズの中でも、ヘッドライトなどはボタン電池を使うものもあるので、忘れずにチェックしておきましょう。
使用電池チェックリスト
100個超えの電池をローリングストック!?
仮にあなたのお家でも、100個くらいの電池を使っているとします。
災害時も不足なく使えるようにするには、どう管理していけばいいのでしょうか。
備蓄の管理方法といえば、最近話題の「ローリングストック」ですよね。
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電池もいつも使っているものなので、ローリングストックのリストに入っているのを見たことがある人も多いと思います(いつもしもの日用品ストックリストにも入れています)。
ただ、これほどの量の電池を「いつもより多め」に備えておくとなると、切らさないように管理するのが大変そうですよね…。
そこでおすすめしたい管理方法が、「ローリングストック」と「スリーピングストック」を使い分けることです。
スリーピングストック
日常的に使うわけではなく、ときどき見直すくらいでほったらかしておく備蓄方法。
時計やおもちゃなど、ふだんも使うぶんはローリングストックし、ラジオやランタンなどの停電時に使うぶんはスリーピングストックとして確実にキープしておけば、いざというとき在庫切れになる心配はありません。
スリーピングストックにした電池は、他の防災グッズと一緒に半年に1度ほど点検し、期限が近づいたら「いつも」用に回してしまえばOKです。
先程のリストを、自分なりの「ふだん使うもの」と「停電時に使うもの(停電時も使いたいもの)」に分けてみると、さっきよりもだいぶハードルが低く感じられると思います。
使用数チェックを簡単に済ませたい方は、「もしも」の電池だけを数えてみましょう。
そもそも、もしものときに何を使うのかよくわからない!という方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
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備蓄向きの種類は「アルカリ乾電池」!
本数はだいたい把握できたとして、「どんな電池を備えればいいのか」も気になりますよね。
まずは、よく目にする3種類の乾電池を比較してみましょう。
アルカリ/マンガン/リチウム乾電池の違い
アルカリ乾電池
もっともポピュラーな乾電池ですね。
LEDランタンやおもちゃなど、大きな電流を使うものに向いています。(※4)
特に「防災用」とうたわれていない安い製品でも、5年以上問題なく使える長寿命の製品が増えてきています。
マンガン乾電池
アルカリ乾電池よりも安価で、電流が小さい乾電池です。
休み休み使うと回復するという特徴があり、リモコンや時計など、ときどき使うものや小さな電流を使うものに向いています。(※4)
ただ、最近の機器は「アルカリ乾電池を使用してください」と指定している場合もあり、あまり使われなくなってきています。
リチウム乾電池
あまり聞き慣れない名前ですが、主にカメラやアウトドア用品で使われている、パワフルな乾電池です。
バッテリーによく使われる「リチウムイオン電池」と名前が似ていますが、こちらは使い捨てです。
アルカリ乾電池より軽いのに長持ちで、液漏れしにくく15年の長期保存も可能。
さらに温度変化に強く、氷点下でも使えるというスゴそうな電池です!
性能だけを見れば防災備蓄用に最適といえそうなのですが、当然コストもお高いのが難点(4本で650円しました)。
また、LEDではなく豆球を使った懐中電灯や、アルカリ電池・マンガン電池に合わせて作られた機器は正常に動作しなかったり、電池寿命が短くなることがあるようです。
結論
種類 | パワー | 寿命 | コスト | 汎用性 |
---|---|---|---|---|
アルカリ | ○ | ○ 5~10年 | ○ | ◎ |
マンガン | △ | △ 2~3年 | ○ | △ |
リチウム | ◎ | ◎ 15~20年 | △ | ○ |
性能やコスト、扱いやすさなどのバランスを考えると、防災用の備蓄にはアルカリ乾電池が最適といえるでしょう。
マンガン乾電池は、ランタンやラジオなどの防災グッズには向かないため、あえて備蓄する必要性はなさそうです。
リチウム乾電池は最も高性能ですが、これだけで1週間分を揃えるとなるとコストがかかります。
スマホの充電やメインのランタンなど、電池を切らしたくないものに対してピンポイントにリチウム乾電池を備えるのはアリかもしれませんね。
充電池(ニッケル水素電池)は備蓄には不向き
乾電池の消費が激しい家庭では、エネループなどの充電池を利用している方もいらっしゃいますよね。
充電池は、停電してしまうと充電ができなくなること、災害時は数が必要になることから、防災備蓄用にはあまり向いていないといえます。
また、アルカリ乾電池と電圧が異なるため、使う機器の設計によっては故障につながる場合もあります。
買い替えが効く平常時ならともかく、災害時、慣れない防災グッズに使うのは避けたほうが無難でしょう。
さらに、密閉構造の機器では絶対に使ってはいけないとされているため、防水機能つきのラジオやライトなどには使えません。(※6)
ふだん充電池がメインの方も、防災備蓄としてアルカリ乾電池をスリーピングストックしておくことをおすすめします。
サイズ変換グッズは万能ではない
防災用に高性能のランタンなどを購入すると、単1や単2など、ふだんはあまり使わない電池が要ることもありますよね。
そんなときに気になるのが、乾電池のサイズ変換グッズ(スペーサー)ではないでしょうか。
ただし、これはあくまで所定の位置に収まるように調整するだけの、ケースのようなものです。
本来、電池の大きさによって、容量もパワーも違っています。(※7)
ケースに入れても中身は同じなので、使用可能時間が短くなったり、本来の機能を発揮できないことがあります。
基本的にはぴったりの乾電池を備えるようにし、スペーサーはあくまで保険的に備えるのがよさそうです。
5種類の乾電池を防災グッズにセットして比較
アルカリ乾電池とリチウム乾電池が長持ちするということがわかりましたが、どの商品を使えばいいのでしょうか?
気になることはやってみるのがいつもしも。というわけで、防災グッズを使って乾電池の持ちを検証してみました。
今回使ってみたのは、以下の5種類です。
- 普通のアルカリ乾電池
- 100均のアルカリ乾電池
- 上位モデルのアルカリ乾電池
- マンガン乾電池
- リチウム乾電池
これらの乾電池を、LED懐中電灯とスマホ充電器で検証していきます!
結果だけざっくり知りたい方はこちら
結論を先に読む
※簡易的な検証のため、あくまで目安程度にご覧ください。
LED懐中電灯で電池もちを比較
まずは、LEDの懐中電灯を2晩のあいだつけっぱなしにしてみました。
多少のばらつきはありますが、約16時間×2日=約32時間使っています。
なお、今回使用した懐中電灯の連続点灯時間はアルカリ乾電池で約40時間です。
簡易的な照度計を使い、5種類の電池で明るさの変化をチェックしてみました。
いつものアルカリ乾電池
まずは、自宅でローリングストックしている東芝の乾電池から試してみます。
使用可能期限
約5年(他の乾電池よりも少し前に購入)
購入価格(税抜)
627円(1本あたり約31円)
検証
- 1日目(初期状態)
問題なく目の前を照らせ、周囲のものの輪郭もわかる程度の明るさです。 - 2日目(16時間使用後)
写真ではあまり差がないのですが、離れた場所にあるものがやや見にくくなります。
とはいえ、そう広くない室内であればじゅうぶん使えるように感じられました。 - 3日目(32時間使用後)
かなり頼りない明かりです。歩き慣れた自宅で、ものが散らかっていない状態なら大丈夫かな、という感じ。
本来は寝ている時間が長いですし、細切れに使うことになるでしょうから、自宅内の移動でちょっと使うくらいなら3日以上もつのではないでしょうか。
もしこれが据え置きのランタンなどであれば、予備の電池が必要ですね。
では、これを基準に検証を続けていきましょう!
100均のアルカリ乾電池
セリアで購入した三菱電機の乾電池でも、同様に検証してみます。
防災用というよりは消耗品のイメージで、正直あまり期待していませんでしたが…。
使用可能期限
約5年
購入価格(税抜)
100円(1本あたり約25円)
検証
- 1日目…さっきの乾電池よりも高めの数値が。ただ、体感的にはそう変わらずでした。
(撮影日が異なるため、外の明るさも関係しているかもしれません) - 2日目…やはり2日目でだいぶ落ちてしまいました。自宅内なら使えそうです。
- 3日目…かなり心もとない明かりです。光にムラも発生しました。
意外にも、家電量販店で購入したアルカリ乾電池とほぼ変わらない結果に!
4本ずつの販売なのでまとめ買いはしにくいものの、ローリングストックとしては充分ではないでしょうか。
マンガン乾電池
検証用に購入した懐中電灯に、たまたまオーム電機のマンガン乾電池が付属していました。
備蓄の選択肢からは外していますが、せっかくなので試してみることに。
使用可能期限
約2.5年
検証
- 1日目…すでに他の乾電池より暗く感じました。ムラも出ています。
- 2日目…あっという間にアルカリ乾電池の3日目と同じくらいの明るさに。
- 3日目…かなり暗く、足元がなんとかわかる程度です。
パワーが足りないのか、最初から光にムラが出てしまいました。
実はこの懐中電灯、マンガン乾電池の場合の連続点灯時間は約12時間と記載されていたため、ほぼその通りの結果になっています。
上位モデルのアルカリ乾電池
次は、ちょっといい乾電池も試してみましょう!
今回はパナソニックのエボルタNEOを使用しました。
使用可能期限
約9.5年
購入価格(税抜)
580円(1本あたり145円)
検証
- 1日目…問題なく明るいです。
- 2日目…まだ明るい!あきらかに長持ちしています。
- 3日目…だいぶ暗くなってしまいましたが、自宅内なら充分使えそうです。
さすがにお高い電池は違いました…!
防災備蓄として、安心して備えられる持ちのよさです。
期待のリチウム乾電池
同じくパナソニックのリチウム乾電池でも試してみます。
かなり高性能な電池ということで、期待しつつ挑んだところ…。
使用可能期限
約14.5年
購入価格(税抜)
650円(1本あたり約163円)
検証
- 1日目…まあまあの明るさです。
- 2日目…16時間使ったのに、ほぼ明るさが変わりません!
- 3日目…まだまだいける?とワクワクしていましたが、突然真っ暗に…。
なんと、3日目の朝には点いているかもわからない状態になっていました。
暗くするとわずかに点灯していることがわかるものの、約6ルクスと「ないよりはマシ」程度の明るさです…。(ろうそくの火がだいたい10ルクス程度だそうです)(※8)
念のためもう一度チャレンジしてみましたが、同じ結果でした。
もしかしてこの懐中電灯、注意書きにあった「アルカリ電池、マンガン電池に合わせて設計された機器」なのかも…?
せっかくの良い電池なので、次の検証に期待です!
災害時に一番気になる、スマホの充電もテスト!
繰り返しになりますが、被災後に最も必要だと感じられたもののの1位は「モバイルバッテリー」でしたよね。(※1)
充電器はソーラー式や充電式などさまざまな種類がありますが、乾電池式は天気による差や事前の充電忘れがなく、確実性が高いのがメリットです。
ただ容量が少ないので、数が必要になるのがネックなんですよね…。
できるだけコンパクトに備えるには、性能の高い電池を選びたいところです。
今回使ったリチウム乾電池のパッケージにはハッキリと「スマホの充電」と書かれているので、今度こそ期待大です!
使用したスマホは2015年発売のandroidで、バッテリー容量は2,500mAhです。(参考:iPhoneXが2,716mAh)
付属のアルカリ乾電池
充電器にたまたまエボルタNEOが付属していたため、まずはこちらを基準として試してみました。
時間を計りつつ、バッテリー残量0%にしたスマホに充電していきます。
※webストップウォッチを使わせていただきました
充電開始から5時間ほどで電池寿命のお知らせランプが点滅し、充電ができなくなりました。
電源を入れてみると、74%まで充電されていました!
問題のリチウム乾電池は…?
本命のリチウム乾電池でも同様に検証してみると…
なんと、わずか3時間で100%まで充電できました!
その上、まだ電池寿命のお知らせがありません。
再度スマホのバッテリーを消費し、同じ電池で充電してみると…。
こんどは約2時間半で電池寿命となり、40%まで充電されていました。
合計すると、リチウム乾電池4本で約1.4回分の充電ができたということに。
今回は本来の性能をバッチリ発揮してくれたようです!
格安の乾電池も健闘
上記は2つとも高性能な電池でしたので、参考として100均のアルカリ乾電池でも検証してみました。
結果は、約6時間半かかって65%でストップ。
どうしても見劣りはしてしまいますが、じゅうぶん使える量ではあります。
検証結果まとめ
ここまでの結果をまとめてみると、各種類の特徴が目に見えてわかる形になりました。
- アルカリ乾電池は汎用性が高く、長持ちするのでおすすめ!
- 格安のアルカリ乾電池も普通に使える
- マンガン乾電池はやっぱり日常使い向け
- リチウム乾電池は高性能なものの、使いどころをやや選ぶ
電池を上手に保管するのも防災!3つの注意点
100均などの安い乾電池もそこそこのパワーがあることがわかりましたが、一方でパッケージやweb上に液漏れ対策についての情報がないことが気になりました。
どの電池でもそうですが、「液漏れ防止設計」のような記載がない場合は特に、保管方法には自分でしっかり注意を払う必要がありそうです。
液漏れや発火、誤飲など、電池を保管する際のリスクについてまとめました。
実は危険なアルカリ乾電池の液漏れ
まずは代表的なトラブル、液漏れについて見ていきましょう。
液漏れを起こした乾電池はもちろん、入っていた機器も使えなくなることがあります。
さらに、アルカリ乾電池から漏れる液は強アルカリ性で、化学やけどの原因になることも。
肌に触れたり、目に入ったりしてしまうと危険です。
最近の乾電池は液漏れを防ぐ設計のものが増えていますが、それでもまだ100%液漏れしないとはいえないようです。
液漏れの主な原因は、乾電池を機器の中に入れっぱなしにしてしまうこと。
スリーピングストックするときは、乾電池は外した状態で保管するか、絶縁できるものを挟んでおくようにしましょう。
警視庁災害対策課では、余ったクリアファイルを使った方法が紹介されています。
災害時に役立つラジオや懐中電灯など,乾電池を使う機器は、電池を入れたままにしておくと、いざという時に電池が切れていたり、液漏れをしてしまうこともあるので、電池を入れた状態で絶縁体を挟んでおくことをおすすめします。使いたい時にすぐ使え、電池を忘れたり、電池切れの心配もありませんよ。 pic.twitter.com/gQSkmPcKrR
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) June 6, 2021
電池部分の構造によってはうまく挟めないこともあるので、
- 発災時すぐ使うもの
→電池はそのまま入れっぱなしにし、ときどきスイッチを入れて確認 - 少し落ち着いてから使うもの
→電池は外して近くに保管
といった方法をとることになるでしょう。
他にも、こんなときに液漏れすることがあります。
- +-を逆向きに入れてしまったとき
- 新しい電池と古い電池を混ぜて使ったとき
- 違う銘柄の電池を混ぜて使ったとき
- 傷のついた電池を使ったとき
- 高温多湿の場所(車など)で保管したとき
- 金属と一緒に保管したとき
- 使用済みの電池を長期間放置したとき
もし液漏れしてしまったら、手袋や眼鏡などで肌と目をしっかり保護し、粉が飛散しないようウェットティッシュややわらかい布などで拭き取るようにしましょう。(※9)
電池が発火する?一度開けたものは絶縁を
間違った保管方法により電池がショートしてしまい、火災につながることもあります。
特にボタン電池(コイン形リチウム電池)による火災については、消防庁から注意喚起もされています。(※10)
アルカリ乾電池も含め、一度パッケージから出した電池を扱うときは、以下のことに注意しましょう。
- 電池を保管・廃棄するときは、両極にテープなどを貼って絶縁すること
- パッケージから出したら、他の電池や金属製品と一緒にしないこと
基本的には使い終わった電池をゴミに出す前の処置ですが、「液漏れ防止のために外しておこう」と使いかけの電池を取り出したときにも、忘れず絶縁をしておく必要があります。
テープを貼ってしまうと使うときに手間なので、ぴったりサイズのケースに入れておくのがおすすめです。
ボタン型の電池の中でも、小さくて厚いものをボタン電池、大きくて薄いものはコイン電池と区別することがあります。リサイクルに出す際はよく確認しましょう!
小さな子の誤飲事故にも気を配って
ボタン電池については、3歳以下の小さなお子さんの誤飲事故も多数報告されています。
ボタン電池の誤飲は短時間で食道や胃に重大な影響をおよぼすことがあるので、管理にはじゅうぶんな注意が必要です。
消費者庁による注意喚起では、事故防止として以下のような方法が示されています。(※10)
- 何にボタン電池を使っているのか把握すること
- 電池のフタが外れやすくなっていないか確認すること
- ボタン電池は絶対に子どもの手の届かない場所に保管すること
- 電池の交換は子どもの目に触れない場所で行うこと
万が一お子さんが電池を飲み込んでしまったときは、一刻も早く受診しましょう。
電池を安全に保管するポイントまとめ
他にも、冷蔵庫で電池を保管するという通説も、サビの原因になるため実はNGとされています。
使い慣れているため「なんとなく」で扱ってしまいがちな電池ですが、実はさまざまな事故や不具合が起きているんですね。
ここまでの注意点をまとめてみると、安全に保管するには、以下のような条件が必要とわかります。
- 高温多湿を避け、涼しい場所に保管する
- しばらく使わないときは機器から外し、絶縁しておく
- 新しい電池と古い電池が混ざらないようにする
- 金属の近くに置かない
- 小さな子の手が届く場所に置かない(使用中のおもちゃもフタが外れないよう注意)
- 定期的に使用期限と状態をチェックする
基本的には、電池のパッケージに書いてある注意事項をしっかり守っていれば問題ありません。
しっかり守って備えましょう!
まとめ:防災グッズと一緒に電池の備えもチェック!
いつもなにげなく使っている電池ですが、防災グッズとしてしっかり備えようと思うと、気をつけることがたくさんありました。
防災備蓄に必要なポイントをまとめてみます。
※下線部をタップで該当箇所に戻れます。
- 電池の数はどれくらい?
「いつもの電池」と「もしもの電池」を数えてみましょう - うっかり切らさない備えかた
防災用の分はスリーピングストックとして別にキープ推奨 - 備蓄向きの乾電池
アルカリ乾電池がおすすめ!リチウム乾電池の部分使いもあり - 安全な保管のしかた
液漏れや誤飲事故に注意!注意事項を読んで正しく使いましょう
停電を乗り切るために絶対に必要な電池。
ぜひ数えて、備えてみてくださいね!
参考サイト
※1 2018年自然災害被災者に聞いた、防災についてのアンケート |特集 | DCMホールディングス
※2 「台風」と「電力」〜長期停電から考える電力のレジリエンス|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
※3 災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~ | 首相官邸ホームページ
※4 アルカリ乾電池とマンガン乾電池の違いは何ですか? | 電池工業会
※5 密閉構造の機器に充電池が使用できない理由は? PZ18088 - ニッケル水素電池&充電器 - Panasonic
※6 乾電池の大きさが違うと、パワーも違いますか? | 電池工業会
※8 アルカリ乾電池から液もれ!どうしたらいい?(Panasonic)
※9 乳幼児(特に1歳以下)のボタン電池の誤飲に注意!-重症化することを知らない保護者が6割も!!-(発表情報)_国民生活センター
※10 電池の保管にご注意を!~ パッケージから出した複数の電池を保管中に出火した火災が発生しています ~ |東京消防庁