マンションにお住まいの皆さま、「災害が起きてもマンションだから大丈夫」と思っていませんか?

マンションが地震で倒壊することはまずない、2階以上なら浸水のリスクもないから安心ってね…。
しかし、その考えは打ち破られることになるのです。
以前、いつもしも編集部のメンバーで「震災対策技術展2025」に行ったときのこと。
編集部内で唯一のマンション住民である私は、マンション防災のセミナーに参加しました。
そこで初めて知ったマンションならではの災害リスクや被災時のNG行動に、衝撃を受けたのです。

汲み置きの水でトイレを流すのがダメだってことも、知らなかった…。
マンション生活8年目にして初めて知った情報に、動揺を隠せませんでした。

もしかしたら、マンションに住んでても知らない人が意外といるのかもしれない。
大規模な災害が起きたとき、マンションは一体どうなってしまうのか、どんな備えが必要なのか。
マンション住民必見の防災情報をまとめましたので、ぜひご覧ください!
この記事の目次
災害時にマンションで起こること
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大規模な災害が起きたとき、マンションが受ける被害にはどんなものがあるのでしょうか。
過去の災害で実際に起こったことを調べると、マンションにはいろいろなリスクがあることがわかりました。
地震で倒壊する可能性は低くても…
大規模な地震では、マンションに直接損傷が起こります。
建物への被害
- 倒壊
- 壁・天井のひび割れ/崩落
- 階段やエキスパンションジョイント(建物の間の継ぎ目)の損傷
地震の揺れで完全に倒壊してしまったマンションは少ないですが、壁にひびが入ったりタイルが剥離したり、部分的な被害は多く起きています。
設備の損傷・故障
マンションにある設備が、災害によって壊れて使えなくなる場合もあります。
設備の一例と、故障による弊害をまとめました。
- 電気系統 → 停電が起こる
- 給水ポンプ → 断水が起こる
- 排水管 → 排水口に水を流せない
- ガスの配管 → ガスが使えない
- 自動ドア → ドアが開かない/閉まらない
- オートロック→ 住民以外も出入りできてしまう
- 機械式駐車場→ 自動車の出し入れができない
- エレベーターの自動停止 → エレベーターへの閉じ込め・外出の困難
停電により給水ポンプが動かず、その地域で断水が起きていなくてもマンション内で水道を使えない状況になる場合も。
オートロックや機械式駐車場も同様で、設備は故障していないのに停電によって使えない状態になり、その結果起こる問題もあります。
居室内での被害
- 家具の転倒・移動(上層階ほど長周期の揺れが大きく、家具転倒の危険が高くなる)
- 窓ガラスの破損・飛散(窓が大きいため被害も甚大)
- ドアや窓の歪みによる開閉不能
高層階では横揺れが大きくなり、揺れで気持ち悪くなる「地震酔い」も発生しやすくなるそうです。
2階以上でも危険!台風・豪雨被害

豪雨や強風で、居室内が危険にさらされることがあります。
- 1階・地下階・駐車場への浸水
- バルコニーの排水口詰まりによる浸水
- 浸水による設備の故障
- トイレや排水口から下水が逆流(低層階でリスクが高い)
- 強風による窓ガラスの破損・飛散
- 外壁材やタイルの剥離・飛散
下水の逆流は、内水氾濫が原因で起こります。
内水氾濫とは?
豪雨で大量の雨水が地下に流れ込み、排水システムの能力が追いつかず、下水や排水溝から水があふれ出すこと。
河川の水が堤防を越える・堤防が決壊することで起こる外水氾濫に対し、内水氾濫は都市部で起こりやすい。(※1)
近くに大きな河川がなく、2階以上に住んでいても、内水氾濫による浸水の被害を受けることがあります。
マンション性能による二次被害

マンションの中には遮音性・気密性がとても高い物件もあります。
プライバシーや快適性を保つための性能が、災害時にはリスクになることもあるのです。
遮音性が高いことによるリスク
線路や幹線道路の近くに建っているのに、外の騒音がほとんど聞こえない物件もあります。
そのくらい遮音性が高いと、災害時に不都合が起きてしまうことも。
遮音性が高いことによるリスク
- 助けを呼んでも外に聞こえない
- 外からの室内の安否確認が困難
- 外部からの呼びかけや警報が聞こえにくい
- 災害時の孤立感が増大
音は伝わりにくくても振動は伝わりやすい場合があるので、非常時は壁や床を叩いて隣人に助けを求めるという方法もあります。
気密性が高いことによるリスク
気密性の高いマンションでは、24時間換気システムによって室内の空気質が保たれています。
24時間換気システムとは?
常時換気を行い、室内の汚れた空気(湿気・ホコリ・花粉・化学物質などを含む)を排出して、外のきれいな空気を取り込む設備。
2003年の建築基準法改正で、すべての新築物件に設置が義務付けられた。
地震や停電で換気システムが停止してしまうと、様々な問題が起きる可能性があります。
気密性が高いことによるリスク
- 室内の空気質が悪化し、臭いがこもる
- 室内に熱がこもりやすく熱中症のリスク上昇
- 室内でストーブやカセットコンロを使うとき一酸化炭素中毒のリスク上昇
- 湿度が上がり結露・カビが発生する
- カビ・ダニ・ハウスダストによるアレルギー症状が出る
- 化学物質(ホルムアルデヒドなど)が滞留してシックハウス症候群が起こる
夏場は虫が入ってきたり、冬は寒かったりで大変ですが、定期的な換気で健康被害を防ぎましょう。
都市部ならではのリスクも
多くのマンションは、都市部や市街地に建っています。
災害時、そのことがリスクになることもあるのです。
- 交通がストップ
- 物資の不足
- 小売店から食料や日用品がなくなる
- 避難所・災害支援・医療機関などに人が殺到
- ゴミの収集がストップしてゴミ置き場がいっぱいになる
大きな災害の後に食料品や生活必需品が手に入りにくくなることは知られていますが、人口が密集する地域では深刻な物資不足が起こります。
また、普段当たり前に利用している施設やサービスも、災害時は利用できなくなってしまいます。
災害時にマンションで起こることまとめ
- 大きな地震で倒壊することは少なくても、壁や天井が崩れたり設備が壊れたりすることはある
- 都市部では内水氾濫のリスクが高い
- 災害により停電・断水・浸水が起こることがある
- マンション性能によるリスクや都市部ならではのリスクにも注意
私のマンションは安全?

災害時にマンションで起こることを知っていくうちに、自分のマンションの安全性が気になってきますよね。
今住んでいる、もしくはこれから住もうとしているマンションが安全かどうか、その場所の災害リスクと、建物の災害対策を調べるポイントをご紹介します。
土地の災害リスクと防災情報を知ろう
マンションに限らず、その土地の災害リスクを知るためには、まずハザードマップを確認しましょう。
ハザードマップとは?
地震・洪水・土砂崩れなどの災害が起きたときに、どの場所がどんな危険にあう可能性があるかを地図で示したもの。
紙に印刷して配布されているものや、インターネットで閲覧できるものがある。
まずは国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で、マンションの付近の災害リスクを調べてみましょう。
ハザードマップについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
災害のリスクと一緒に、周辺の災害対策についても調べてみましょう。
近くに避難所や給水拠点などがあるか、自治体が提供するハザードマップや防災情報のページで確認することができます。

こちらの記事では、災害に強い土地の選び方を解説しています。参考にしてみてくださいね。
災害に対するマンションの強さ
災害リスクがわかったら、高リスクの災害に対してマンションがどんな対策をしているのか確認します。
建物そのものの強さと、防災のための設備のどちらも確認しておくと安心ですね。
地震に対する建物の強さ

地震が起きたときにどれくらいの揺れに耐えられるか、マンションの耐震基準を調べましょう。
耐震基準とは?
建築基準法の中で、大きな地震でも建物が倒壊・崩壊しないよう定められた最低限の基準。
大きな地震が起こるたびに改正され、基準が厳格化されている。
建物はそのときの耐震基準に従って建てられるため、建てられた時期によっては現在の基準よりも耐震性が低い場合があります。
| 施行期間 | 耐震基準 | 強度の目安 | 背景 |
| 1950年 〜1981年5月 | 旧耐震基準 | 震度5程度で大きな損傷を受けない | 1924年の関東大震災後を受けて成立 |
| 1981年6月 〜2000年5月 | 新耐震基準 | 震度6強〜7で倒壊しない | 1978年の宮城県沖地震を受けて大幅な改正 |
| 2000年6月〜 | 2000年基準 | 木造住宅の耐震性を強化 | 1995年の阪神・淡路大震災を受け改正 |
自分のマンションがどの耐震基準で建てられているかは、マンションの完成日ではなく建築確認申請の日付で判断します。

書類がない場合は、マンションの管理会社に確認してみましょう。
過去の大きな地震(阪神・淡路大震災、東日本大震災)で、大破したマンションの大半は旧耐震基準で建てられたものであり、新耐震基準のマンションで大破したものはほとんどなかったそうです。(※2, ※3)

ところで、耐震基準と似たワード「耐震構造」を耳にしたことがある人もいるかもしれません。
耐震基準と耐震構造のちがい
- 耐震基準…法律で定められている建物の地震への強さの基準
- 耐震構造…耐震基準を満たすための建物の設計方法
マンションの耐震構造について詳しく知りたい場合は、こちらを参考にしてみてくださいね。
被害を最小限に!防災設備

実際に災害が起きてしまったとき、なるべく被害を抑える工夫がされているマンションもあります。
ハザードマップでリスクが高い災害に対して、マンションにどんな設備があるかをチェックしましょう。
マンションの管理会社や管理人に問い合わせれば、マンションにある防災設備を教えてくれますよ。
うちのマンションにも防災備蓄倉庫があり、管理人さんに何が備蓄されているのかを聞いてみたことがあります。

ヘルメットやランタンなど一応備蓄してあるようですが、マンション全体に行き渡る数ではありません。
なんとなく予想はしていましたが、やはり水や食料の備蓄はゼロでした。

マンションの安全性の確認方法まとめ
- ハザードマップでマンション周辺の土地の災害リスクを調べる
- 自治体の防災情報で避難所などの場所を確認する
- 耐震基準や防災設備で、マンションの災害への強さがわかる
- マンションが管理している備蓄は充分とは言えない
マンション防災、こう備える!
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マンションの住民は、大規模な災害が起きても原則的に在宅避難することになっています。
なぜ避難所に行けないの?
避難所は、その地域の住民の20〜30%を収容することが想定されています。
自宅が倒壊して住める状態ではない人が優先して入ることができ、マンションは倒壊の可能性が低いため在宅避難することが前提と考えられているのです。
避難所に行くことを禁止されているわけではありませんが、都市部の多くの自治体では、マンション住まいの人に災害時の在宅避難を推奨しています。(※4, ※5, ※6)

自宅で家族だけで過ごすなんて、心細すぎる…。
不安な気持ちになるのも、とてもよくわかります。
しかし、地域の住民みんなが避難所に殺到してしまうと、避難所の環境が悪化してストレスが増加してしまいますよね。
自宅に残るメリットもたくさんあるので、デメリットと一緒に確認しておきましょう。
merit
- 住み慣れた自宅で過ごせる
- プライバシーの確保
- ペット・子どもがいる場合、避難所と比較して周囲を気にしなくていい
- 感染症のリスク低減
demerit
- 避難所と比較して物資・情報・支援を受けにくい
- 外出が難しい(高層階は特に)
在宅避難のメリット・デメリットをふまえて、マンションで特に必要な防災グッズ・防災アクションをご紹介します。
マンション以外にも共通する備えの基本は、各パートで紹介している情報も併せて確認してみてくださいね。
マンションで備える防災グッズリスト
大きな災害が起きてマンションで被災した場合、ライフラインがすぐに復旧するとは限りません。
加えて在宅避難では物資や情報が手に入りにくいので、水・電気・ガス・情報の備えが重要です。
まずは1週間自宅で過ごせるように準備するのが理想ですが、現実には予算も収納スペースも厳しいものがあります。

ライフライン停止への備え
- 水
- ウォータータンク
- 丈夫で容量のあるリュック
- 乾電池
- モバイルバッテリー
- ポータブル電源
- 懐中電灯
- ランタン
- カセットコンロ
- ラジオ
大きな地震が起きるとエレベーターはしばらく使えないので、階段を上り下りすることになります。
水の入ったタンクや物資を持って階段を上がるときに、丈夫で容量のあるリュックがあれば多少楽に運ぶことができます。
また、ガスも水道と同様に安全確認が済むまで使用できないので、カセットコンロもとても役立ちます。
ライフライン停止の備えの基本は、下記の記事も参考にしてみてください。
火災への備え
- 消火器
- 消火スプレー
一般的なマンションには消火器の設置義務が定められています。(※7)
各世帯にある消火器に追加して、消火スプレー(エアゾール式簡易消火具)も準備しておくとより安心です。
空気が乾燥してくると、火災🔥が心配ですよね😔
わが家では #消火スプレー が台所のシンク下にスタンバってます✌️
使用期限は製造から3年、軽くてリーズナブルなのが嬉しい✨2本セットの1本は実家にお裾分け。
火の用心に努めつつ、もしものときのちょこっと安心をプラス! pic.twitter.com/3rgEyXUEam— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) November 18, 2025
| 消火器 | 消火スプレー | |
| 特徴 | マンションで設置が義務付けられている消火装置 放射時間:10〜14秒 | スプレー缶タイプの補助的な小型消火具 放射時間:10秒程度 |
| メリット |
|
|
| デメリット |
| 大きな火災には対応できない |
消火スプレーは、消火剤の種類によっては散らかりにくいというメリットがあります。
マンションで避難生活を送ることを考えると、消火剤の掃除が楽なのは嬉しいですね。
安全のための備え
- ホイッスル
- サイレン(防災ラジオについている機能でも可)
- 安否確認カード(無事ですカード)
- ヘルメット
安否確認カード(無事ですカード)とは、他の住民に救助の必要がないことを知らせるためのものです。
マグネットタイプが便利ですが、自治体などが配布しているテンプレートをプリントアウトして使うこともできますよ!
ちなみに、いつもしも編集部のある練馬区でも公式サイトで無料配布しています。
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また、マンションは自宅玄関からマンションのエントランスまで、距離がある場合があります。
壁や天井から建材が剥離して落ちてくる場合がありますので、外出のときはヘルメットがあると安心です。
物資不足への備え
- 食料
- 常備薬(解熱鎮痛剤、かぜ薬、整腸薬、湿布など)
- 持病がある場合は治療薬
- 衛生用品(除菌グッズ・絆創膏・包帯・消毒液など)
コロナ禍に、マスクやトイレットペーパーが売り場から消えたことを覚えている人も多いのではないのでしょうか。
ないと困る食料品や日用品は、多めに買ってストックしておきましょう。
食料や衛生用品の備えについては、下記の記事も参考にしてみてくださいね。
【食料の備え】
非常食と備蓄食料の違いは? どちらもストックして「想定外」に備えよう
【衛生用品の備え】
ママが防災グッズにプラスするべき衛生用品まとめ
トイレの備え
- 非常用トイレ
(5回分×家族の人数×3日 ※理想は1週間分) - 防臭袋
- フタのついたゴミ箱
災害時はトイレが使えず、ゴミの収集がストップしてしまうため、生活で出たゴミや使用済の非常用トイレを自宅で保管しなければいけません。
生活空間に悪臭が広がらないよう、防臭袋・フタのついたゴミ箱があるといいですね。
限界突破!マンション収納
マンションならではのリスクに対して、必要な防災グッズをつらつらと紹介してきました。
しかし、問題は備蓄品を収納するスペースです。

私も備蓄品の収納場所に悩むマンション民の1人ですが、狭いなりになんとか工夫していることをご紹介します。
デッドスペースの活用
探せば意外とある、使ってない空間(デッドスペース)に、収納を増設する方法です。

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- ダイニング・学習机の上に吊り戸棚
- 洗濯機の上のスペースに壁面収納
- キッチンカウンターの下に棚
- ベッド下に収納ケース
収納内に滑り止めテープや耐震ラッチを取り付ければ、安心感も倍増!
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収納方法の工夫については、こちらの記事も参考にしてみてください。
高スペパな防災グッズ
収納そのものを増やしつつ、備蓄するものはなるべく場所を取らないものを選ぶようにしています。

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- 折りたたみヘルメット
- 折りたたみウォータータンク
- 外箱レスのボックスティッシュ・圧縮タイプのトイレットペーパー
- シリコン製の折りたためるバケツ
ただでさえ子どものものが増えるので、コンパクトに収納できるものはありがたいですよね。
一人暮らしの方にもおすすめです。

やっておきたい防災アクション
被災してもマンションに住み続けなければいけないとなると、少しでも暮らしやすい状態を保ちたいものです。
- なるべく居住スペースを確保できるようにする
- 室内の安全性を保つようにする
- 二次被害が起きないようにする
以上を踏まえて、普段からやっておきたいアクションをリストにまとめました。
地震への備え
- 家具・大型家電の固定
- 感震ブレーカーの設置(通電火災を防ぐ)
- 窓に飛散防止フィルムを貼る
- 就寝時はカーテンを閉める
- 窓の近くに大きな家具を置かない
家具の固定は命の安全のため必要なことですが、家具の転倒を防いでなるべく部屋の中のスペースを確保する目的もあります。
大きな家具は揺れで窓ガラスにぶつかることもあるので、窓の近くに置かないようにしましょう。
台風・水害への備え
- 雨戸やシャッターを閉める
- 窓を段ボールで保護する
- カーテンを閉める
- 排水口・トイレ・出入り口に水のうを置く
マンションによっては床から天井まである大きな窓の場合もあり、全体に飛散防止フィルムを貼るのは大変ですよね。
そんな場合はカーテンを厚手にすると、多少は割れたガラスの飛散を和らげることができます。
また、避難経路が限られるマンションでは、自分や家族だけでなく他の住民の避難動線を邪魔しないことが大切です。
廊下や階段はもちろん、もしものときはベランダなども避難経路になるため、普段から通路をふさがないよう気をつけましょう。

避難経路の確保
- 自宅玄関の前でも、通路を塞ぐ場所に物を置かない
- ベランダの隔壁近くに物を置かない
- 避難ハッチ・避難はしごの上や直下に物を置かない
玄関前のスペースに生協や宅食のボックス、ベランダにアウトドア用品などつい置いてしまいがちですが、マンションの住民が一斉に避難する状況を思い描いてみて、スムーズに通れるようにしておきたいですね。
マンションの備えまとめ
- ライフラインが止まったマンションで3日間(理想は1週間)過ごせる備えを
- 火災・安否確認・物資不足を想定したグッズがあると安心
- デッドスペースを活かして収納を確保、高スペパな防災グッズを活用
- 在宅避難に備えて室内の安全性・居住性を確保しよう
- 避難経路に物を置かないよう注意
災害が起きた!マンションで取るべき行動・NG行動

災害が起きた直後に自分の取った行動が、命やその後の生活に関わることがあります。
マンションでやるべきこと・やってはいけないことを確認しておきましょう!
発災時にやるべきこと
災害が起きた直後はパニックになってしまいそうですが、普段から家族で確認するなどして備えておきましょう。
冷静に行動できる自信がない…という場合は、安否確認カードを冷蔵庫に貼っておいたり、感震ブレーカーを設置したりするといいかもしれません。
マンションで被災したらやるべきこと
- エレベーターで被災したら全部の階のボタンを押す
- 火災が起きたら初期消火をして隣人に火災を知らせる
- マンション内の住民に無事を知らせる
- 停電時・避難時はブレーカーを落とす
発災時にやってはいけないこと
安全確認や点検が終わるまで、マンション内の設備は使わないようにしましょう。
自分が気をつけていても他の住民がうっかりやってしまうことも考えられますので、マンション全体での連携も大事ですよね。
マンションで被災したらやってはいけないこと
- すぐに避難所に向かう
- トイレを流す・排水口に水を流す
- エレベーターを使う
- 黙って遠方に避難する
マンション全体で安全を守る

災害が起こったときには、マンションそのものが避難所となって被災生活を送ることになります。
普段の生活で少しだけ意識して、いざというときのマンションの防災力を上げていきましょう!
定期点検・メンテナンスは必ず受けよう
一般的な規模のマンションでは、消防点検が義務付けられています。(※8)
消防点検とは?
半年に一度、消防用設備(火災報知器・防火扉・消火器など)がきちんと設置されているか、作動するかを確認する。
【主な点検項目】
- 消火器…きちんと設置されているか、使用期限が切れていないか、本体に異常がないか など
- 火災報知器…正常に動作するか
- 避難器具(避難はしご・隔壁など)…周囲に障害物がないか、正常に動作するか など
消防点検は土日に行われることが多く、居住者が立ち合う必要があります。

という場合もありますよね。
消防点検の日時は数ヶ月前に告知されるので、できれば予定を調整して点検を受けましょう。
どうしても都合がつかない場合は、管理会社や管理人さんに伝えて実施の時間帯をずらしてもらうこともできます。

もしかしたら、「部屋が汚いので恥ずかしい」という人もいるかもしれません。
点検を行う担当者は何百というお宅を訪れて作業をこなしているので、滅多なことでは意に介さないと思われます。
点検自体は10〜15分程度ですので、サッと受けて終わらせてしまいましょう。

この上なく恥ずかしいですが、作業員さんはむしろ「こんな荒れた状態なのにきちんと点検を受けるなんて、なんて意識の高いご家庭なんだ」と思ってくれているはず…!(願望)
また、排水管の清掃をマンション全体で実施している場合もあります。
排水管が詰まると雨水や生活排水が流れなくなり、浸水や排水口からの逆流の原因になることも。
排水管のつまりを解消すると、悪臭・害虫発生の予防や排水管劣化の防止にもなるので、普段の生活にもメリットがあるんですよ。

排水管がつまって汚水があふれたら…と考えるだけで恐ろしいので、必ず受けるようにしています。
マンションの定期的な点検やメンテナンスが、安全性や居住性の維持につながります。
少し面倒かもしれませんが、ぜひ協力しましょう。
普段の管理が建物の頑丈さを保つ

どんな建物でもそうですが、年月が経つと部分的に壊れたり、全体が劣化したりします。
建物の性能を保つため、多くのマンションでは補修や大規模修繕を行うことが管理規約内で定められています。
補修と大規模改修はどう違うの?
補修…不具合が発生した箇所の修理
不具合の例)配管の漏水、壁のひび割れ、タイルの剥離、手すりの故障、電球の交換 など
大規模修繕…建物全体を新築した当初の水準に戻すための計画的な工事
工事の例)外壁塗装、防水工事、シーリングの打ち替え、排水管や設備の更新 など
日常的な補修や、十数年に一度の大規模修繕により、マンションの性能は保たれます。
マンションに住む一員としてこうした管理体制に関心を持ち、マンションの取り組みに参加することも、防災につながるのです。
安全性能維持のためにできること
- 不具合を見つけたら、小さなものでもすぐに管理組合や管理会社に連絡する
- 大規模修繕の計画内容を確認する

人任せにせず、わが家の安全を守るために行動したいですね。
コミュニティの強さ=防災力
もしものときに命と生活を守るのは、建物の強さや備蓄だけではありません。
災害が起きた場合、マンションでは住民が協力して救助活動を行ったり、避難生活の方針を話し合って決めたりします。

もちろん、外部からの支援が全く受けられないわけではありませんが、公助の手が回らず、管理会社自体も被災してすぐに対応できないかもしれません。

発災直後はマンションにいて動ける住民が対応することになります。
いざというときに少しでも連携しやすいよう、普段から他の住民とのつながりを作っておくのがおすすめです。
コミュニティづくりのためにできること
- マンションのイベント(避難訓練・交流会など)には積極的に参加する
- 子ども同士の付き合いがある家庭と顔見知りになる
- 乳幼児がいる家庭・高齢の単身世帯・体が不自由な方をなんとなく気にかけておく
とは言え、都市部ではご近所付き合いのハードルが高いですよね。

マンション民の日頃の備えまとめ
- 定期点検・メンテナンスは必ず受けよう、難しい場合は管理人さんに相談
- 補修や大規模修繕によりマンションの安全性は維持される
- いざというときにコミュニティのあるマンションは強い、普段から住民同士で挨拶を
マンション防災、みんなで備えれば怖くない
マンションの防災について調べてみると、私自身マンションに住んでいるのに知らないことがたくさんありました。
「大きな災害が起きても避難所にいけないなんて」「自分たちだけで避難生活を乗り切れるのかな」と不安に思う人もいるかもしれません。
でも、建物が頑丈で倒壊のリスクが少ないのは、マンションの大きな強みです。
非常時でも自宅で過ごせる可能性が高いのは、安心材料でもあります。
都会にあっても住民同士で協力しあえることは、メリットと言えるでしょう。
災害は怖いですが、大切なのは知ることと備えること。
マンションならではの良さとリスクを理解した上で備えつつ、マンションライフを楽しみましょう!

