2025年1月、ある日のいつもしも編集部。



というわけで、2025年2月6,7日に横浜で開催された「第29回震災対策技術展」に行ってきました。
最新の防災グッズや非常食などの情報収集とセミナーの聴講が目的でしたが、大いに見聞を広めてきた「いつもしも」スタッフたち。
予想以上に濃かった震災対策技術展の様子をリポートします。
この記事の目次
防災に関わる多くの企業・団体が参加する展示会
震災対策技術展は、地震や台風、豪雨などの自然災害への備えや防災に関する技術や製品、情報などを紹介する技術見本市です。
1995年に起きた阪神・淡路大震災をきっかけに神戸で開催され、30年近い歴史があります。
-
【防災おでかけ】阪神・淡路大震災のはじまりの場所『野島断層』を見に行ってみよう
2020年以降に猛威を振るってきた新型コロナウイルスも、2023年には感染法上の「5類」に移行し、行動制限もなくなりました。 引き続き警戒は必要ですが、思い切った遠出がしやすくなったことは確か。 家族 ...
続きを見る
なお、当日は「振動技術展」と「防災食品展」も同じ会場の一角で同時開催されていました。
入場は事前登録制となっていますが、当日来場しても登録すれば入場することは可能です。
それでは早速、リポートしていきましょう。
受付してから、いざ入場!
いつもしものスタッフ達が訪れたのは2日間の開催のうち、後半の2月7日。
場所は、みなとみらいにあるパシフィコ横浜 Dホールでした。
早速、受付を済ませてネームホルダーを首から下げ、入場します。
無水ハミガキセットで「お口の防災」
最初に訪れたのは、災害時でも水を使わずにオーラルケアができるセットを紹介しているこちらのブース。
阪神・淡路大震災で被災された医師が、避難所で多くの高齢者が誤嚥性肺炎で亡くなるのを目の当たりにし、災害時こそ口腔ケアが大事だと話していたとのこと。
水を使えない環境でも口腔内を清潔に保つことができるよう、ミニ歯ブラシ(無水ハブラシ)やフロス、歯磨きシートなどが入っており、朝と晩の毎日2回のケアができるセットになっています。
災害時のオーラルケアの大切さは、最近ではメディアなどでも周知されるようになってきましたが、お年寄りだけでなくむし歯になりやすい子どもにも、ぜひ備えておきたいですね。
「いつも」見える場所に置く防災備蓄庫
続いて、赤いボックスが目を引いたのが、企業のオフィスやマンションなどの集合住宅に置く防災備蓄庫です。
埋もれてしまいがちな防災備蓄のうち、発災後にすぐ手に取りたいものをいつも目に見える場所に置いて、災害発生時に素早く行動するための備蓄庫とのこと。
何が入っているのか一目でわかるアイコンは、家庭内の防災備蓄の置き場所などにも真似したい「見える化」ですね。
非常食になった揖保乃糸!?
防災食品展のコーナーで見つけたのは、あの揖保乃糸の非常食。
長期保存(5年)が可能で、麺と粉末スープ、フォークと紙容器がセットになっており、お湯をかけるだけで食べられます。
水でもOKなので、冬は温かいにゅうめん、夏は冷たいそうめんでさっぱりと、季節に合わせていただけますね。

その場で試食させていただいたスタッフ達にも大好評でした。

ちょい足しアイテムをもっと詳しく
備蓄としても採用されている非常食ゼリー
多くの幼稚園や保育園で、災害時の備蓄食として採用されているLIFE STOCK。
東日本大震災をきっかけに、水がなくても誰でもすぐに食べられる非常食として開発されたそうです。
アレルギー物質28品目不使用、コンパクトサイズで保管場所を取らないのも嬉しいですね。
写真左は熱中症対策にもなる水分補給タイプ、写真右のレモン&キャロット味は食物繊維も配合されたバランスタイプです。
そのLIFE STOCKを販売している大正製薬といえば、栄養ドリンク剤のリポビタンDが有名ですが、リポビタンD JERRYは長期保存が可能で水分と栄養を同時に摂取できるので、こちらも防災の備蓄にもなりますね。
非常食スイーツの定番「えいようかん」
いつもしものSNSで度々商品を紹介させていただいている井村屋も出展されていました。
#スリーピングストック していた #チョコえいようかん がそろそろ賞味期限。少しずつ消費しようと、ようかんトーストにしてみました🍞1枚に1個使うとかなり多かったので、量は調整してみてくださいね。途中少しくどく感じたのでクランベリージャムを足してみたら、ものすごく合いました🥰 #いつもしも pic.twitter.com/F534b4utZN
— いつもしも◇ママと子どもの防災 (@itumosimo) October 3, 2022
非常食スイーツの祖とも言える「えいようかん」。
長期保存(製造から5年6ヶ月)できて、1本171kcalと食べ応えのある羊羹は、災害や遭難した時の備えとしてはもちろん、アウトドア、レジャーなどでの栄養補給にもおすすめです。

最近はコンビニなどで気軽に買えるミニ羊羹も増えているので、防災ポーチに入れておくおやつとしてもぴったりですね。
ごはん不要!?そのままで美味しいカレー
こちらは、よくあるレトルトカレーかと思いきや、なんとごはんの代わりに米粒状のでんぷん加工品が入ったカレー。
ごはんを別で用意する必要がないのは嬉しいですね。
動物性油分を使っていないため、常温保存でもルーが固まらず、美味しく食べられます。

防災ポーチに入れて持ち歩きたい衛生グッズ
ひときわ賑わっていたコーナーで紹介されていたのは、2023年防災グッズ大賞を受賞したという水のいらない全身キレイセット。
災害時の衛生環境の悪化はストレスや体調不良にもつながるため、水のない環境でも全身をケアできて長期保存が可能な商品は、ぜひ備えておきたいですね。
ウエット手袋付きのシャンプー3回分、歯みがきシート10回分、からだふきやのボディタオルなどが入って5年保存可能です。
また、2024年12月に発売された『御守り紙』は、厚手で柔らかな水に流せるポケットティッシュ。
トイレやおむつ交換にも使えるので、防災ポーチに入れておくのもおすすめです。
ハザードマップ配布コーナー
会場の一番奥には、自治体などで配布されているハザードマップを自由に取ることができるコーナーがありました。
住んでいる地域のハザードマップは自治体から配られるので手元にありますが、自分や家族の通勤・通学先の周辺のハザードマップも気になりますよね。
ネットで見ることもできますが、紙だと細かいところや全体を把握しやすいので、機会があればもらっておくと安心です。
ハザードマップの横には、震災対策技術展に出展している企業や団体、自治体の資料がまとめて手に取れるコーナーも。
こちらでゆっくり資料を集めることもできますね。
-
ハザードマップの取説~ハザードマップとはなにか、活用法まで徹底解説!
台風の予報や警報が出るたびに耳にする「お住まいの地域のハザードマップを確認して、安全な場所に避難してください」というフレーズ。 地域の役所などから配布されて、ちらっと見たことはある気がするけれど、しっ ...
続きを見る
災害食やマンション防災などセミナーも盛況
震災対策技術展では、防災に関する各分野の企業や専門家を招いたセミナーにも参加することができます。
今回、いつもしものスタッフ達は「災害食レシピ」「防災グッズの基礎知識」「マンション防災」の3つのセミナーを聴講してきました。
(※セミナーには事前にメールで申し込みが必要です)
ここでは、各セミナーの大まかな内容と感想をお伝えします。
~災害時に活きるフェーズフリーレシピの開発~

『備えいらずの防災レシピ』というレシピ本の著者でもある栄養士・調理師の飯田和子さんによる講演は、「災害食」の定義やストックしておきたいもの、フェーズフリーのレシピなどが紹介されました。
レトルトをストックする場合は、アレルギーにも注意とのお話も。

体系的に学ぶ防災グッズ・防災セットの基礎知識

YouTubeやメディアなどで活躍されている防災・BCP策定アドバイザーの高荷智也さんのセミナーは、聞き取りやすく流暢な話術にまず圧倒されたスタッフたち。
その内容も、防災リュックを準備する前に一番な大切ことは「まず死なないこと」だという言葉が印象に残りました。
どんな防災リュックも防災グッズも、役に立つのは生き延びた後であり、「自宅」「職場や学校」「外出先」のどこで被災するかわからないので、どこであっても生き延びるための備えが必要というお話でした。
自宅だと、特に就寝中のリスクが大きいので、寝室の耐震や揺れへの対策が重要とのこと。

~首都直下地震対策~ マンション防災の取り組み方

自らもマンションで暮らしていて、『マンション防災の新常識』の著者でもある釜石徹さん、「マンション防災の基本は自助」とのこと。
まず自室で死傷しないことが一番大事なことであり、そのうえでライフラインの断絶に対する備えや、長期の在宅避難を想定した備蓄の大切さを話されていました。
また、自助のためにもマンション内でのコミュニティ作りが大事という話には、大いに納得です。

まとめ
今回の滞在は、午前10時頃からお昼休憩を挟んで午後3時くらいまででした。
各ブースを回って説明を聞いたり、セミナーに参加したりと、防災の知識や情報をブラッシュアップする良い機会になった今回の震災対策技術展。
日頃は「いつも」取り組める「もしも」の備えを検証したり実践している「いつもしも」スタッフたちですが、こうして防災の専門家や、防災グッズや非常食を開発されている企業の方のお話を聴く機会は、とても有意義なものでした。
これからも日々アンテナを張り巡らせて、情報をアップデートしていきたいと思います。
防災に興味を持っている方は、ぜひこういったイベントなどにも参加してみてくださいね。