週末や連休、夏休みなどの長期休暇を前に、
と、考えるママ・パパは多いのではないでしょうか。
人込みは疲れるし、あまりお金はかけたくないけれど、せっかくなら、子どもの体験や学びにつながるおでかけが理想ですよね。
そこで今回は、防災とも関連のある天気や気象の科学館、「気象科学館」へ「いつもしも」のスタッフ親子で行ってきたので、その様子をレポートします。
親子で楽しみながら、天気や防災に関する知識が学べますよ。
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この記事の目次
気象科学館ってどんなところ?
気象科学館は、1997年の6月1日(気象記念日)に開館し、2020年に移転してリニューアルオープンしたため、比較的新しい施設です。
どんなところか、簡単に解説しましょう。
日本でただ一つの「気象」に特化した科学館
全国に科学館・博物館は数あれど、「気象」を冠した科学館は、東京の気象科学館のみ。(※1)
その名の通り天気や気象災害に特化した科学館で、気象庁・港区立教育センターという複合ビルの2階にあります。
気象庁と同じ建物にあるなんて、なんだかわくわくしますね。
ちなみに気象予報士が常駐しているため、天気に関する疑問や気になることも、その場で聞くことができます。
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気象庁の本庁舎は、以前は千代田区大手町にありましたが、2020年11月から港区虎ノ門に移転しました。気象科学館も同じ年の7月にリニューアルオープンしています。
同じ建物の1階には、港区立みなと科学館もあるので、併せて楽しむことができますよ。
気象と防災の関係って?
最寄り駅は神谷町か虎ノ門ヒルズ
港区という都心にあるため、アクセスは便利です。
平日なら、朝と夕方の電車が混雑する時間帯を避けるのがおすすめです。
気象科学館へのアクセス
- 東京メトロ(日比谷線)「虎ノ門ヒルズ駅」A2a出口より徒歩4分
- 東京メトロ(日比谷線)「神谷町駅」4b出口より徒歩5分
- 東京メトロ(銀座線)「虎ノ門駅」2番出口より徒歩10分
- 東京メトロ(南北線)「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩15分
(※気象科学館HP参照)
今回は神谷町駅から歩いてみました。
地下鉄の駅は出口が多く複雑なので、最も近い出口を明記してくれているのは助かりますね。
地上に出てからは、地図アプリを頼りに5分ほど歩いて到着しました。
check!
虎ノ門ヒルズ駅は、当初2020年に予定されていた東京オリンピックに合わせて開業した、日比谷線開通以来の新しい駅です。
鉄道好きな子どもには、新駅の見学も兼ねて虎ノ門ヒルズ駅を利用してもいいですね。
雨の日のおでかけにもハードル低め
あいにく、この日の天気は朝から雨でした。
が、子連れのおでかけに悩ましい天候だったからこそ、気象科学館は雨の日でもおすすめできることが実感できました。
雨の日のおでかけチェックポイント
- 基本的に屋内の施設である
- 最寄り駅からのアクセスが良い(駅直結、屋根のある通路がある、徒歩数分などが◎)
- その建物内だけで数時間は過ごせる
- 食事や休憩のために屋外に移動しなくて済む
気象科学館は小規模の施設ではありますが、上記のポイントを満たしているので、雨の日のお出かけにもハードル低めですよ。
見学レポ!気象科学館へ行ってみた
外観は、一見すると科学館とはわからないオフィスビルのような建物ですが、入口には、「港区立みなと科学館」「気象科学館」という表示が出ています。
入ってすぐの受付の横では、ロボット犬の aibo(アイボ)がお出迎え。
1階には、港区立みなと科学館の常設展示や実験室、多目的ロビー、プラネタリウムの券売機などがあります。
気象科学館とみなと科学館の見学は無料で事前予約も不要なので、そのまま階段を上って気象科学館へ向かいましょう。
ベビーカーや車椅子の場合は、奥にエレベーターもありますよ。
階段を上がると、2階は右側がプラネタリウムホール、左側が気象科学館となっています。
まずは館長の「はれるん」と記念撮影
最初に目に入るのが、2024年でちょうど20歳になる気象庁のマスコットキャラクター、はれるん。
実は、気象科学館の館長でもあるんです。
というわけで、まずは館長と記念撮影!
写真映えする可愛いキャラクターで、子ども達はノリノリで記念撮影をしていました。
災害ポイントウォッチャー
はれるんの左側へ進むと、気象や防災について学べる展示が並んでいます。
子ども達が最初に取り組んだのは、災害ポイントウォッチャー。
イラストを見て、地震や津波が起きたときに危険な場所や行動をクイズ形式で答えたり、どうして危険なのか解説を見ることができます。
大きなパネルで見やすく、クイズ形式なので楽しく防災知識が学べますね。
ウェザーミッション
続いて、ウェザーミッション。
気象庁の新人予報官になりきって気象予報にまつわるミッションを遂行します。
迫力のある大画面を通して先輩予報官とやり取りしながら、大雨や洪水など、さまざまな気象災害への対応を学ぶことができます。
まるで本当にやり取りしているようで、予報官になった気分が味わえますよ。
津波シミュレーター
気象科学館エリアの真ん中に位置しているのが、津波シミュレーターの大きな水槽です。
ボタンを押すと普通の波(波浪)と津波(2種類)を発生させることができ、津波が起こるメカニズムや、津波と普通の波のエネルギーの違いを学ぶことができます。
波の行方を目で追うと、津波の場合は普通の波なら届かないところまで到達してしまうことがよくわかります。
定点カメラが海に近い手前と奥側の2ヶ所(A地点とB地点)にあるので、それぞれの画像を見比べてみても興味深いです。
津波の威力も普通の波とは明らかに違うことも感じますね。
うずのすけ
台風や竜巻が発生するしくみを学べる装置が、こちらの「うずのすけ」。
ボタンを押すと、みるみるうちに台風や竜巻になってくるので、見ているだけでも面白いです。
台風の風が反時計回りに吹いていることも、視覚的にわかりますね。
緊急地震速報トライアル
緊急地震速報トライアルでは、椅子に座ってパネルのスタートをタップすると、デモ版のアラーム音が流れます。
続いて、地震のP波とS波など緊急地震速報の仕組みや速報を見聞きしたときの行動などを、クイズ形式で答えます。
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地震の揺れの波は主に2種類あり、速いスピードで伝わるP波と、スピードは遅くて揺れの強いS波があります。 気象庁では、震源付近でP波を検知した地震計から送られてきたデータを解析し、震源や地震の規模、予測される揺れの強さを瞬時に自動で計算します。
この結果、地震の規模や予測震度が一定の基準に達した場合は、緊急地震速報の警報と予報が出されます。
4つある椅子はそれぞれ異なる状況が設定されていて、アラーム音に合わせて座っている椅子も揺れるのでリアリティがありますね。
まだある気象・防災関係の展示
主な展示を紹介してきましたが、ほかにも気象庁で実際に使用している雨量計や風雨風速計、小学校でおなじみの百葉箱などもあり、子ども達は自分の興味の赴くままに自由に見て回っていました。
気象庁が行っている天気予報や地震・火山の監視、気候変動の観測など、さまざまな業務の紹介や、気象に関する書籍を集めたライブラリー、企画展なども展示しています。
マスコットキャラクター「はれるん」のグッズは、地下の食堂で購入することができますよ。
気象科学館はワンフロアで小一時間もあれば十分見て回れるので、ちょっと空いた時間に寄るのもいいですね。
みなと科学館も一緒に訪れたい
気象科学館を見学したら、1階にある港区立みなと科学館にも行ってみましょう。
こちらでは、「”まちに息づく科学”の発見と探求」をコンセプトに、「しぜん」「まち」「わたし」「うみ」のテーマに分かれた常設展示が楽しめます。
例えば、「わたし」のコーナーでは、からだスキャナーや反射神経テストで”自分”と向き合ったり、
「うみ」のコーナーでは、みなとエレベーターという大画面の映像で、海の上や海中、運河を進む疑似体験などができます。
防災に関連する展示も
みなと科学館の展示でも防災に関するものがいくつかあります。
子ども達が興味を持って取り組んでいた展示をいくつか紹介しましょう。
発電チャレンジ
手回しハンドルの付いた発電機を回して電気を作り、電球を点灯させてビルの壁に沿って動くゴンドラに当てると、ゴンドラが壁を上がっていきます。
自分で電力を生み出して電球にチャージし、ゴンドラを動かすことが実感できるので、達成感がありますね。
この色は何色?
暗くした部屋の中で特定の光を当てると、カラーボールの色の見え方が変化します。
その状態で、色の名前が書かれた穴にカラーボールを正しく入れられるかを試す、色当てゲームのような装置です。
再び明るくなると、穴に入れたボールの色が予想と全く違っているので、大人も子どもも盛り上がります…!
停電などの暗い状態だと物が見えない、もしくは色が変わって見えるということを実感できますね。
外側には、中の様子がわかるモニターも設置されています。
建物と地震
地震が起きたときの建物の揺れ具合を外側から見ることのできる装置です。
起震装置の上に免震なし、免震構造、制震構造の3種類の建物が乗っていて、地震が起きたときに同じ条件で揺れ方がどのくらい違うのかを視覚的に理解できますね。
イベント・講座情報
プラネタリウムはテーマ別の上映が豊富
科学館に併設しているプラネタリウムは、光学式と4Kデジタルの投影機が設置されており、テーマ別の上映を見ることができます。
忍たま乱太郎やニャンちゅうとコラボした番組から、満天の星空と癒しのBGMに癒される「お仕事がえりのプラネタリウム」、アロマに包まれる「アロマプラネタリウム」まで、子どもも大人も楽しめるプログラムになっています。
投影内容は期間限定のものや日によって変わるので、プラネタリウムに出かける前には、スケジュールや番組内容をチェックしてくださいね。
投影スケジュール・番組内容
意外な穴場かも!? 気象庁の食堂に潜入
さて、9時半頃に入館して気象科学館、みなと科学館と順に回り、子ども達も大人もお腹が空いてきたところで、お昼の時間です。
周辺はビジネス街、ランチタイムは飲食店も混雑しそうですし、出来れば近場で済ませたいと事前に調べていたところ、なんと一般のビジターでも気象庁の食堂を利用できることが判明…!
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気象科学館が開いていても、気象庁の食堂は土曜・日曜・祝日はお休みなので注意しましょう。
というわけで、一旦外に出て同じ建物の地下にある食堂へ。
外の階段を下りて行きましたが、こちらの出入り口は天候や時間によっては閉鎖されています。
建物自体がまだ新しいので、食堂も明るくきれいで広々としています。
ウィークリーメニューを確認して、食券を購入します。
ちなみに、気象庁のマスコットキャラクターのはれるんグッズもこちらで買えますよ。
メニューには、ご飯と汁物、小鉢が付く日替わりの定食や麺類、カレーなどが揃っています。
気象庁の職員向けの食堂なのでキッズメニューはありませんが、ミニサイズのカレーや丼などもあるので、子どもにも選びやすく、シェアできるのが嬉しいですね。
スタッフと子ども達も、それぞれ定食やラーメン、カレーなどをチョイス。
食べ終わった食器は自分で下げるのですが、洗い場に出す手前に残った汁を捨てて軽くゆすぐシステムになっていました。
お腹もいっぱいになったところで、気象科学館とみなと科学館の見学は終了。
ランチも合わせて3時間弱のお出かけとなりました。
この日はプラネタリウムは観なかったのですが、プラネタリウムにも行くと、もう少し時間が必要になりそうです。
親子で感想を共有しよう
おでかけした後は、親子で写真を見ながら感想を言い合ってみると、子どもの好きなことや意外なものに興味を持ったことがわかり、面白いです。
「それなら次はここへ行ってみようか」と、次のおでかけ先の参考にもなりますね。
防災おでかけによって、親子で新しい体験ができたり、今まで知らなかったことを知ることも楽しいですし、単に楽しい時間を過ごすだけでも、良い思い出になると思います。
おでかけをきっかけに、わかったことや感想をまとめれば立派な調べ学習になり、さらに深めれば自由研究にもつながるかもしれません。
防災を自由研究にするには
次のお休みの日には、ぜひ親子で「防災おでかけ」を楽しんでくださいね。
気象科学館
住所 | 東京都港区虎ノ門3-6-9 気象庁2階 |
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利用時間 | 9:00~20:00 |
休館日 | 第2月曜、火曜(月曜が祝日の場合は、火曜、水曜) ※臨時休館日あり |
入館料 | 無料 |
公式 サイト | https://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/kagakukan.html |
参考サイト
※1 全国科学博物館協議会