暑い季節は何だか食が進まない…。
そんな経験は誰にでもありますよね。
普段でもバテやすい夏なのに、もし災害が起こったらどうなるでしょう。
ライフラインが途絶えればクーラーや冷蔵庫も使えず、心身の疲れから余計に食欲が低下してしまう事が考えられます。
十分に食事が摂れないと体調不良に陥ることもある為、被災した時こそ食事面から体調管理をすることが大切です。
そこで今回は夏向けの非常食特集!
暑い夏に被災した場合におすすめのローリングストック食材や、選び方のポイントを紹介します。
暑い時期の被災時に食事面で注意したいこと
食材を紹介する前に、まずは夏の被災時に食事面で注意しておきたい点を挙げておきましょう。
check!
先に食材リストから読みたい方はこちら
熱中症、夏バテ対策
暑い季節に食欲が落ちたり身体がだるくなる事を夏バテといいますが、実は夏バテと熱中症は症状が異なります(※1)。
- 夏バテ
暑さから自律神経が乱れ、結果的に食欲や体力が低下すること。 - 熱中症
屋内外に関係なく高温多湿が原因。体温調整ができなくなることで突然めまいや吐き気などの症状を発症する。
夏バテは徐々に、熱中症は突然体調に異変が出る事が大きな違いです。
これがクーラーなどが使えない災害時となると、当然両方のリスクに備えなければなりません。
そんなリスクから体を守るためには、こまめに水分を摂って脱水対策することが大事になります。
飲料水などからの水分摂取はもちろん、食事からも水分補給できるとより安心です。
夏向けの非常食は特に水分多めの食材を意識して揃えましょう。
災害時の体調不良は食事で防ごう!起こりがちな健康被害と、その対策方法
自然災害はショックな出来事であり、それに加えて避難生活で不安定な生活を続けていると、体も心もバランスを崩してしまいます。被災時にバランスを崩しがちなときこそ、食事を通して健康管理を行うべきと言えます。 ...
続きを見る
なるべく加熱不要で食べられるものを
真夏の屋内で火気調理すると、室内の温度上昇によって熱中症のリスクも上がります。
普段の生活でも夏に揚げ物などの加熱調理をするのは苦痛ですよね。
そんなリスクを回避する為にも、夏用の非常食は加熱せずに食べられるものを多めにストックしましょう。
また、そうめんなどを茹でる時は最低限の加熱時間で済むような工夫が必要です。
あらかじめ水漬けしておく、半分に折るなど、普段からできる時短方法を知っておくと、もしもの時でも慌てず調理できます。
食中毒にも注意
夏場の食事で一番怖いのが食中毒です。
災害時はすぐに治療を受けられない事が多い為、食品に触れる際の衛生面には細心の注意を払いましょう。
対策としては下記のような除菌対策グッズを用意しておくのがおすすめです。
- ラップ
- 食品用ポリ袋
- ビニール手袋
- アルコールスプレー
また、在宅避難になった場合は冷蔵庫の食材も非常食になりますが、停電してしまうと庫内の温度が徐々に上がって食材が傷んでしまいます。
食べる前に必ず臭いや見た目をチェックし、少しでも違和感があれば食べないようにしましょう。
時短テクにもなる!いつもの食材を冷凍保存して非常食に
「非常食」というと防災グッズ専門店で購入するものというイメージがありますが、日頃から食べている食材を非常食にすることも可能です。 いつものおかずやご飯を冷凍保存することで、簡単に被災時の食料を確保する ...
続きを見る
夏の災害時に不足しがちな栄養素、成分
災害時の食事はどうしても空腹を満たす為の食事内容になりやすいため、備える段階で栄養バランスも考慮しておくことが大切です。
ここでは、特に夏に不足しがちな栄養素(※2)を挙げておきましょう。
▼こちらもCheck
その備蓄で栄養バランスは大丈夫?栄養素から考える非常食
近年台風や地震の発生率が増加しているため、非常食は 「もしものために用意するけど、使わないもの」という認識から、 「すぐに使えて、健康管理のために役立つもの」という認識へと変化しています。 いま備える ...
続きを見る
ビタミンで夏バテ防止
夏に被災した際の疲労回復に欠かせないのがビタミン。
なかでも糖質をエネルギーに変換させるのに必要なビタミンB1は摂りたい栄養素の1つです。
非常食というと空腹を満たす主食系に偏りがちですが、ビタミンB1が不足すると夏バテによる疲労感も増してしまいますので、主食+αのおかずとして必ずストックしておきましょう。
ビタミンB1が多く含まれる食材には豚肉や魚、大豆食品などがあります。
缶詰やパウチ食材などバリエーションは豊富なので、比較的手に入りやすいです。
また、疲労回復にはビタミンCも欠かせません。
災害や暑さへの不快感でストレス過多になると大量に消費されてしまう為、不足しないよう注意しましょう。
ただし余分なビタミンCは貯めておけず、汗などで排出されてしまいます。
一度に多く摂るのではなく、こまめに摂る事を心がけましょう。
ミネラルで熱中症対策を
ミネラルもビタミンC同様、汗などで流れやすい栄養素です。
夏場に不足すると熱中症になる恐れがある為、意識して摂るよう心がけましょう。
特に必要なのはナトリウムです。
食塩などに含まれるナトリウムは普段の食事をしていれば自然に摂取しているものですが、夏バテなどで食欲不振に陥ると摂取量も減ってしまいます。
ナトリウムが不足すると疲労感が抜けず体調不良を起こしやすくなる為、注意が必要です。
どうしても食が進まない時は、経口補水液や塩飴などでナトリウムを摂取しておきましょう。
たんぱく質で免疫力UP
血液や筋肉など、身体づくりに欠かせないのがたんぱく質です。
不足すると体力や免疫力が低下してしまうため、よりバテやすい身体になってしまいます。
タンパク質は肉や魚などの動物性、大豆などの植物性と2つに分類されますが、偏りなくバランス良く摂れるのがベストです。
最近では常温保存できるたんぱく質食品が多く販売されているので、ストックに困ることはあまりないでしょう。
普段の買い物ついでに購入するように習慣付けると無理なく備えられますよ。
栄養素の働きを助けるクエン酸
クエン酸はレモンなどの柑橘類などに含まれる酸味成分です。
摂取することで代謝が活発になり、効率よくエネルギーを作り出すことができます(※3)。
また、クエン酸には栄養吸収をサポートする役割がある為、ミネラル分を吸収しやすくなるなど夏バテ対策にも効果を発揮します。
ただしクエン酸は長期間体内に留めることができない為、一度で大量に摂らずこまめに摂取するようにしましょう。
非常食になる夏向けおすすめ食材
夏向け非常食を選ぶポイントを理解したところで、次は具体的な食材を紹介していきましょう。
おすすめ食材をまとめたものがこちらです↓。
このリストの中から特におすすめしたいものについて詳しく説明していきましょう。
【通年版はこちらをCheck!】 地震や台風、新型コロナウィルスなどの感染症…近年は思いがけない非常事態に見舞われる機会が増えてきました。 そんな時はどうしても冷静な判断ができず、買いだめする人が増えてしまいます。 そうならない為にも ... 続きを見るスーパーで揃える非常食紹介!簡単便利にローリングストックしよう
”野菜”を食べてビタミン補給
不足しがちなビタミンやミネラルを補うためには、野菜をしっかり摂る必要があります。
ただし、冷房の効かない高温多湿の室内では常温保存できる野菜でも傷みやすくなる為、常温で長期保存できるよう加工された野菜食品を多めに用意しておくと安心です。
おすすめをいくつか紹介しましょう。
缶詰、瓶詰、パウチタイプ
野菜そのものの食感に近く、普段の食事にも取り入れやすいのが缶詰やパック、パウチタイプなどの加熱処理済み野菜です。
開けてそのまま食べられる手軽さは魅力的ですよね。
何種類かストックしておけば忙しい日の食事作りにも大活躍します。
なかでも必ずストックしたいのは旬野菜のトマト缶(パック)です。
夏野菜であるトマトにはクエン酸もたっぷり!ダイスカットされたタイプが使いやすくおすすめです。
あらかじめ味付されているトマトソース、おやつにもなるドライトマトなども良いですね。
他にもパスタソースやスープなど、トマトが使われた商品はたくさんありますので、好みに合うものをいくつか用意しておきましょう。
また、さわやかな酸味が魅力の瓶詰ピクルスも夏においしく食べられる野菜です。
しかも、カラフルなピクルスは見た目もかわいいですよね♪↓
非常食を揃える時はつい難しく考えがちですが、長く続ける為には見た目や好みで選ぶことも案外大切です。
たとえば旅行先で購入したおみやげを備蓄代わりにするなど、楽しんでストックしましょう。
乾燥野菜
水で戻すだけで食べられる優秀な保存食、乾燥野菜も必須で常備しておきましょう。
栄養価も高いうえ、かさばらない所も魅力ですよね。
たとえば水で戻した切干大根を好みの味付でサラダにするのもおすすめ。
コリコリ食感がクセになりますよ♪
また、ミネラル豊富な海藻類も摂っておきたいところ。
ドレッシングがセットで販売されている商品なら、水があればサラダが完成しちゃいます。
乾燥野菜や海藻は非常時に不足しがちな食物繊維やカルシウムが豊富!
特に子どもには積極的に食べさせたい食材ですね。
スープ
食欲がない時でも摂りやすいのは野菜の入ったスープです。
最近では夏向けの冷製スープもたくさん販売されていますよね。
この投稿をInstagramで見る
好みの乳製品と併せて作れる粉末タイプもあります。
子どもとシェアする時などに濃さを調整したい時はこちらがおすすめです。
中でもイチオシなのはレトルトタイプのスープです。
様々な具材が入っているので、簡単に色々な栄養素が摂れちゃいます。
特に豆や穀物が入ったスープなら満足感が得られて一石二鳥ですね。
色々な味がありますが、夏は酸味があってさっぱりと食べられるトマト系がおすすめです。
ジュース
より手軽に摂りたいなら野菜ジュースも外せません。
同時に水分も補給できるため、夏のビタミン補給にはピッタリです。
野菜ジュースが苦手で消費できない…という方は、料理に使ってみてはいかがでしょう。
他にも炊き込みご飯やカレーに使うなど、おいしくローリングストックする方法はたくさんあります。
もしもの時のビタミン源としていくつかストックしておきましょう。
被災時でも野菜をしっかり摂りたい!非常食におすすめの野菜紹介
災害時の食事というと、アルファ米やカップ麺など、手軽に食べられる主食を真っ先に想像するでしょう。 実際、2019年に起こった台風19号の際には、レトルトカレーやカップ麺、パンなどはスーパーから消え、野 ...
続きを見る
疲労回復には”酸っぱい”食べ物を
夏バテに効果を発揮するクエン酸は災害時にも重宝します。
常温保存できるクエン酸食材は意外と豊富で、手軽にストックできるものもたくさんあります。
先ほど紹介したトマト以外にも
- 梅
練り梅、カリカリ梅、飴、梅ジュース、梅ゼリーなど - レモンなどの柑橘類
レモン飲料、レモンペースト、飴、ゼリー、フルーツ缶など - お酢
お酢ドリンク、粉末すし酢など
などから摂ることができます。
用途や好みに合うものを選んで欠かさずストックしておきましょう。
”炭水化物”で頭も心もパワーチャージ
主食(炭水化物)はエネルギー補給には欠かせない大切な食材です。
ごはん、麺類、パン(シリアル)の3つに分類し、それぞれのおすすめを紹介していきましょう。
ごはん
炭水化物系の主食の中でも粒で食べるご飯は麺類やパンと比較すると腹持ちが良く、脳にエネルギー補給できる唯一の栄養素であるブドウ糖も豊富に含まれています(※4)。
特に災害時は頭も体も疲弊しがちなので、少量だけでもごはんを口にするよう心がけましょう。
手軽に買えるものでおすすめなのはレトルトのおかゆです。
加熱不要なので開封するだけで食べられるうえ、食器も必要ありません。
災害時に限らず、風邪や体調不良などで食が進まない普段の非常食にもなりますよ。
色々な味がありますが、さっぱりと食べられてクエン酸も摂れる梅がゆが特におすすめです。
次は非常食の定番、加熱なしで食べられるアルファ米白飯です。
パックご飯やお米から炊く場合は加熱が必要ですが、アルファ米なら水を入れて1時間置くだけで食べられます。
もちろん味付のアルファ米でも良いですが、自分好みにカスタムできる白飯はあると便利です。
まだ購入していない方はぜひストックしておいて下さい。
詳しくはこちら↓
【白飯食べ比べ】アルファ米4選と非常時に白いごはんを食べる方法まとめ
もし夏バテなどで白飯は重たい…と感じたら、フリーズドライ米で冷やし茶漬けにするのもおすすめです。
以前いつもしも編集部で試食した事がありますが、アルファ米より粘りが少ない分サラッと食べられました♪
柔らかいおかゆの食感が苦手だという方もぜひ試してみて下さいね。
また、そのまま食べられるレトルトタイプの非常食も手軽で便利!
こちらは先日いつもしも編集部で実際試食したものですが、おいしくて大好評でした。
この投稿をInstagramで見る
最近の非常食はおいしいものも多いので、この機会にストックして食べてみてはいかがでしょう。
麺類でさっぱりと
そうめんや冷やし中華、ざるそばなど、夏場は特に麺類が食べたくなりますよね。
特に麺好きの方はそうめんやパスタなどを非常食用にストックしている方も多いと思います。
もちろんカセットコンロを使って茹でれば立派な非常食になるのですが、先ほど夏の被災時に食事面で注意したいことでもお話した通り、茹でる工程が夏の非常食としてはデメリットになってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、そのまま食べられる皿うどんやかた焼きそばの麺を使用する方法です。
以前スーパーで揃う非常食でも紹介した通りレトルト中華丼をかけて食べるのがおすすめなのですが、今回は夏用ということで夏向けのスープをかけて試食してみました。
まずはトマトベースのレトルトスープ+太麺かた焼きそばの組み合わせから食べてみます。
かた焼きそばの太麺とトマトスープのほどよい酸味が意外に相性◎!
色々な食感が楽しめるおいしい麺になりました。
次は酸辣湯スープと皿うどんの麺をあわせてみました。
中華丼の具と合わせた時に比べ、サラッとした酸辣湯は麺との絡み具合がイマイチ。
皿うどんの麺に合わせるならとろみが多い食材の方が相性が良さそうです。
また、レトルト食品は基本温めた時においしく感じる塩分量になっているので、あたためずに食べると味が濃すぎたりしょっぱく感じてしまいます。
今回のように普段の食事を非常食にする時は、水で薄めるなど味を調整してから食べましょう。
また、長期保存が可能な非常食用のショートパスタも販売されています。
水を入れて放置するだけで完成する手軽さは魅力です。
アルファ米に飽きた時用にもストックしておくと良いですね。
それでも
という方は、加熱時間を最小限にする為にそうめんや早ゆでタイプのパスタなどを選びましょう。
更に水漬けしてから茹でるなどの工夫をするとカセットボンベの節約にもなります。
早ゆで+水漬けは時短調理にもなるので、忙しい普段の調理でも取り入れてみてはいかがでしょう。
作り慣れておくと、もしもの時でも慌てずに調理できるのでおすすめです。
また、ツルっと食感を味わうだけならこんにゃく麺はいかがでしょう。
エネルギー源としてではなく、バテ気味で何か口に入れておきたい…という時用に置いておくのもアリですね。
そして、麺類をストックする際は必ずソースやつゆもセットで用意しましょう。
特に個包装のパスタソースやうどんつゆだと分量調整もできて便利です。
最近は味のバリエーションも多く、何より”かけるだけ”なのが手軽で便利!
賞味期限も長めなものが多いので、多めに買っておいても良いでしょう。
パン、シリアル
普通のパンは意外と賞味期限が短いうえ、夏場は特に湿気で傷みやすくなります。
そこでおすすめしたいのは、普通のパンより傷みにくく長期保存が可能なロングライフパンです。
賞味期限が1~2か月ほどと長めなのが特徴で、最近はスーパーやコンビニなどでも普通に見かけるようになりました。
非常食用のパン缶などに比べると短い賞味期限ですが、その分コスパは◎!
忙しい日の朝食や子どものおやつなどにもピッタリです。
具材次第でアレンジしやすいトルティーヤもおすすめです。
輸入食材店はもちろん、スーパーなどでも手に入ります。
どんな具材とでも合いますが、夏向けにおすすめの具材はやはりトマト系です。
試しにダイストマト&サラダ用総菜を挟んで食べてみましたが、さっぱりとして美味しかったです♪
ジャムなど甘い物と合わせればおやつにもなりますよ。
組み合わせは無限なので飽きずに食べられます。
そして、分量を調整しやすいシリアルも用意しておきたいところ。
夏に食べやすいフルーツが入ったフルグラをストックしておくのも良いですね。
きなこや青汁などを入れて食べると、不足しがちなたんぱく質やビタミンも一緒に補えます。
シリアルを普段の朝食にすれば無理なくローリングストックできます。
豆乳などの乳製品を入れれば水分も一緒に摂取できるので、一緒に揃えておきましょう。
足りない栄養は”おかず”で補って
非常食を揃える際は主食とおかずをセットで考える必要があります。
特にビタミンB1やたんぱく質はおかずで補わないと不足しがちなので、意識してストックするようにしましょう。
非常食にもなるサステナブルフード、大豆
SDGsの影響で今大注目の大豆ですが、非常食としても特におすすめしたい食材です。
理由は大きく分けて4つあります。
- 栄養面
- 常温保存が可能
- 加熱ナシで食べられる
- 種類が豊富
大豆には夏の災害時に不足しがちなビタミンB1とたんぱく質の両方が豊富に含まれています。
特にビタミンB1を摂取できる非常食向け食材は少ないため、大豆製品はとても貴重な栄養源になります。
しかも常温保存可能で加熱も不要!
普段は加熱した方がおいしいレトルト大豆ミートも、もしもの時はそのまま食べることができます。
この投稿をInstagramで見る
豆乳も使いやすい大豆製品です。
なかでも夏におすすめなのは、このようにめんつゆとして使う方法です↓。
栄養が偏りがちなそうめんも豆乳と合わせれば手軽にたんぱく質などが摂れちゃいます。
大豆製品は品揃えが豊富なのも魅力ですが、種類がありすぎて迷う…という方には蒸し大豆ときなこがおすすめ。
蒸し大豆はトッピングだけでなく小腹を満たすおやつにもなりますし、きなこはかけるだけで栄養補給できる優れものです。
子どものおやつもピッタリなので、ぜひ普段から摂り入れてみて下さいね。
肉や魚で心も満腹に
肉や魚も夏に不足しがちなビタミンB1やたんぱく質を含んだ食材です。
特にビタミンB1を多く含むのは豚肉ですが、缶詰やパウチの豚肉製品は意外と少なく、実際スーパーを何軒も探し回ってみると鶏肉>牛肉>豚肉の順で、品揃えはダントツ最下位という結果に…。
諦めかけた時、偶然見つけたのがこちらの商品↓。
もちろん常温保存可能!ポークとビーフの2種類がありました。
こちらは賞味期限は150日と短めなので、長期保存よりはローリングストック向けの商品です。
開けてみるとゴロっと塊肉が入っています。
ごはんのおかずにもOKですが、このようにパンに挟んで食べても美味しかったです↓。
この方法なら朝食でも消費できるので、案外簡単にローリングストックできそうです。
とはいえ、豚肉以外の牛肉や鶏肉にもビタミンB1は含まれていますので、こちらより比較的手に入りやすいサラダチキン缶や焼き鳥缶、レトルト牛丼などをストックする方法でも大丈夫です。
また、レモンやスパイス系など、夏にさっぱり食べられる味付であることも大事です。
たとえばこちらはチキンを使ったサラダ用総菜で、レモンやペッパーなどで味付けされているのがポイント。
あらかじめお肉と他の具材がミックスされています↓。
そのまま食べるには味が濃いですが、先ほど紹介したようにトルティーヤで挟んだり、パスタソース代わりにするなどと工夫すると栄養バランスがとりやすくなります。
魚系のイチオシはサバ缶です。たんぱく質はもちろん、骨ごと食べられるためカルシウムも豊富に含まれます。
夏にサラッと食べるならこのように冷や汁風おかゆにするのもおすすめです↓。
切干大根やわかめなどが入ることで栄養面はもちろん、食感がプラスされて食べ応えのあるおかゆになりますよ。
主食に偏りやすい災害時の栄養補給に動物性タンパク質が摂れることはもちろん、何より主食と一緒に肉や魚が食べられると心も満足できます。
おかずの備えは主食などに比べて優先度が低くなりがちなので、意識してストックするようにしましょう。
夏向けのレトルト食品
カレーやスープ系、牛丼など、レトルト食品にはローリングストック向きの商品がたくさんあります。
非常食は食べなれた味であることが大事な為、基本的には好みのものをストックしておけばOK!
ですが、より夏に食べやすいものを選ぶには下記のポイントを押さえておくのがおすすめです。
- 酸味のあるもの
クエン酸が含まれるトマト味やレモン味など - 味が濃すぎないもの
水分が奪われがちな夏は喉が渇きやすい為、あっさり味がおすすめ - サラッとしたもの
たとえばカレーならとろみの多いものよりスープカレーを選ぶと◎
また、食べなれないものだと思ったより辛みが強かったり、好みに合わない事も…。
特に辛すぎるものは胃腸に負担がかかりやすい為、できれば事前に試食してからストックするようにしましょう。
非常食を食べやすくする救世主!ちょい足し食材&調味料
夏バテでどうしても食が進まない…という時は、風味や食感などをプラスして食べやすくするちょい足し作戦がおすすめです。
実際、いつもしも編集部ではこの作戦のおかげで、幾度となく食べにくい非常食を完食してきた経験があります。
そこで、ちょい足しにおすすめの食材の中から、特に夏向けのものを厳選して紹介しましょう。
風味をプラス
風味を足したい場合におすすめなのが薬味系調味料です。
ここでの調味料の役割はあくまで風味付けの為、塩分が少ないものを選びましょう。
イチオシはチューブタイプの調味料です。
いままでは生姜やニンニク、からしなどがポピュラーでしたが、最近では他にも様々なチューブ調味料が登場しています。
夏にはさわやかな青じそやバジルなどの香味系がおすすめです。
梅やレモン系も用意しておくと、夏に摂りたいクエン酸を簡単にプラスすることができます。
ただし開封後は要冷蔵の為、良く使うものを厳選して無駄なくストックするようにしましょう。
開封後も常温保存可能なものに絞りたい時は、瓶詰の乾燥スパイスや香辛料が便利です。
ペッパーやラー油など普段から使っているもので良いので、切らさないようローリングストックしておきましょう。
食感をプラス
単純な食感の多いアルファ米などの非常食には、食感のある食材をプラスすると食べやすくなります。
そこでマストで用意したいのが、プチプチ食感と香ばしい香りが特徴のいりごまです。
いりごまはクセが少ない分色々な食材に合わせやすいので、麺類やごはん、スープなど、何にかけてもおいしく食べられます。
また、最近種類が増えつつあるサラダ用トッピングも優秀なちょい足し食材になります。
クルトンやナッツ系など、なるべく食感のあるものを選ぶのがおすすめです。
他にも紅ショウガ、天かす、ちりめんじゃこなど、食感を楽しめる常温保存可能な食材は色々あります。
普段のお買い物ついでに色々探してみてはいかがでしょう。
水分補給は必須!飲み物
暑い時期に一番備えが必要なのは水分です。
飲み水としてはもちろん、調理にも使う飲料水は、もちろん必須でストックしましょう。
必要な備蓄量は下記の記事を参考に用意して下さい。
ここでは飲料水以外で夏に用意しておきたい飲み物をピックアップします。
熱中症対策系ドリンク
熱中症対策は水だけでは足りません。
経口補水液やスポーツドリンクも必ずストックしておくようにしましょう。
ペットボトルやゼリーなど様々なタイプが販売されていますが、子どもにはフレーバー付きのゼリータイプが飲みやすくおすすめです。
携帯用には粉末個包装で水に溶かせるタイプや、300mlの小さいペットボトルタイプもあります。
他の飲み物と+αで持ち歩きやすいので、外出先での熱中症対策に常備しておくと安心です。
いつもの水分補給には夏の定番、ミネラル豊富な麦茶を用意しましょう。
ペットボトルやティーバック、粉末タイプなど色々な商品があります。
ペットボトルの麦茶は必須で用意しておきたいですが、少しだけ飲みたい時用に粉末タイプもあると便利です。
麦茶にはカフェインや糖分が含まれていないので、子どもにも安心して与えられますね。
乳児にはあらかじめアレルギーの有無を確認してから与えて下さい。
大人用では濃すぎるため、乳児用麦茶がおすすめです。
甘酒
実は夏の季語である甘酒も夏にピッタリのドリンクです。
甘酒に含まれるブドウ糖には即効性の高い疲労回復効果があるため(※5)、「飲む点滴」とも言われています。
普通の甘酒は少し飲みづらい…という方にはフレーバー甘酒もあります。
また、粉末タイプは濃さを調整する、炭酸で溶かすなどカスタムがしやすいのでおすすめです。
ただし、子どもや妊婦さんなどが飲む場合は注意が必要です。
甘酒の原料は2種類あり、酒粕から作られたものにはアルコール分が含まれるからです。
一方、米麹で作られた甘酒であればアルコール分は含まれません。
甘酒を選ぶ際はパッケージに記載された原材料を必ず確認してから購入しましょう。
ゼリー飲料
この投稿をInstagramで見る
夏の水分補給にはのど越しの良いゼリー飲料もおすすめです。
おやつにはもちろん、水分補給、栄養補給、エネルギー補給用など、様々な商品がありますよね。
食欲が出ない時でもゼリー飲料なら飲める、という事があります。
風邪や体調不良時などには非常食にもなるので、用途に合わせて何種類か揃えておきましょう。
暑い時こそ食べたい、夏おやつ&スイーツ
長期保存できるおやつにビスケット類がありますが、水分と一緒じゃないと口の中でパサついて食べづらいですよね。
特に水分補給が欠かせない夏場のおやつには少し不向きです。
夏向けの非常食おやつは水分多めがポイントになります。
たとえば昔から愛される和スイーツ、水菓子は夏のおやつにピッタリですね。
水ようかんやくずまんじゅうなどはのど越しも良く、さっぱりと食べられます。
同じ和菓子系だと塩羊羹もおすすめ。同時にミネラルが補給できます。
王道なのはやはりゼリー系。のど越しが良いのはもちろん、同時に水分補給できるところも魅力的です。
なかでも果肉入りカップゼリーやフルーツ缶は、一緒にビタミンも摂取できるためおすすめです。
特にお子さんは食欲がなくてもフルーツなら食べやすい、という事がありますよね。
風邪などの回復期の非常食としても重宝するので、いくつかストックしておきましょう。
夏場のおやつにはのど越しも大切ですが、疲れやすい被災時に即エネルギーチャージできる糖分も不可欠!
中でも黒糖には夏には欠かせないミネラルが豊富に含まれています。
もちろん砂糖代わりにもなりますし、ミルクやコーヒーに入れてもおいしいですよ。
災害時はもちろん、普段の夏バテ対策にも黒糖を摂るようにすれば、無理なく自然とストックできますね。
乳児ボツリヌス症(※6)のリスクがある為、1歳未満の乳児へは絶対に与えないで下さい
非常食にこそスイーツを!今すぐ食べたくなる絶品缶詰とおすすめおやつ
家族の健康を守るママは、被災時にも家族に元気になってもらうために、できるだけ備えておきたいと思うことでしょう。 非常食には命を繋ぐだけでなく、心を癒す効果も期待されています。 家族の心を豊かにするため ...
続きを見る
季節に合った非常食をストックしよう
今回は夏向けの非常食を紹介してきましたが、もちろん季節ごとにストックしたい内容は変化します。
などと難しく考えなくて大丈夫!
夏向きの非常食=暑い時期が過ぎるまでの2~3か月程度ストックできれば良いですし、定期的に食べてローリングストックできるものなら更に短くても問題ないですよね。
まずは
”自分が夏に食べたいものの中で、常温保存できる食べ物は何だろう?”
を考えることから始めてみませんか。
非常食を生活の一部に取り入れて、楽しみながら防災しちゃいましょう。