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被災時に個人が受けられる支援とは?その内容と申請方法

2020年6月15日

支援の手

どんなに防災意識が高く、日ごろから備蓄や防災対策を行っていた人も、実際に災害によって甚大な被害を受けると、冷静ではいられません。

災害によって今までの暮らしが一変し、これからどうやって生活すればよいのかわからない……。

そんな、先の見えない不安な事態に呆然としてしまうのは当然です。

しかし、災害により健康や生活の基盤が損なわれるような被害に遭ったときには、様々な公的支援制度が被災者をサポートしてくれることを忘れないで!

わが国には、一般的な生活再建のほか、教育や保育、医療・福祉、就労など様々な被災者支援の制度が準備されているのです。

ただし、こうした支援制度を受けるには、基本的に「自分から申請手続きをする」ことが必須。
ぼんやり待っているだけでは、支援を受けられません。

「いざというとき」のために整備されている公的支援制度なのですから、利用できる条件を有しているなら積極的に申請を行いましょう。

この記事では、災害時に受けられる各種支援制度申請に必須な「罹災証明書」の取り方、そして支援制度の種類とその具体的な支援の内容などについて見ていきましょう。

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被災後、真っ先にすべきは被害状況の撮影と「罹災証明書」の申請

窓口での申請イメージ

この章のポイント

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※証明書取得後、どんな支援があるのかを知りたい方はこちらへジャンプ▼

いろいろな公的支援の申請手続きをするとき、ほとんどの場合で必要になる大切な書類が「罹災証明書」です。

被災後にはいろいろな手続き、申請が必要になりますが、まず最初に行うべきなのが「罹災証明書」の申請。

これは、被害を受けた主に家屋の損傷程度を自治体が判定するものなのですが、この判定をもとに公的支援のレベル(支給される金額や受けられる支援の程度・種類)が大きく左右される非常に重要なものです(詳しくは後述します)。

このとき必要になるのが、被害状況が詳細に把握できる証拠となる現状写真です。

災害後の片付けの記事でも強調しましたが、被災で家屋や家財などに被害が出た場合は、片付けや修繕を行う前に、必ず被害状況の写真を撮ります。

この写真は自治体から派遣されて現場で被害判定を行う調査員に被害状況を正確に把握してもらい、被害の種類や大きさを納得できる形でしてもらうのに役立ちます。

泥を洗い流したり、修繕を行った後では、被害の状況を過少に評価されてしまう恐れがあるため、必ず片付けなどを始める前に撮影しましょう。

規模の大きい災害では、被災後すぐに調査してもらえるとは限りません(調査前に片づけを始めなくてはならないこともあります)し、場合によっては現地に調査員に来てもらうのではなく、書類に撮影した被害写真を添えて役所に提出すれば、証明書を発行してもらえるケースもあります。

瓦が落ちたり壁にひびが入った、浸水して土砂が家の中に入ったなどの様子を、家の外側・内側から角度を変えたり目線の高さを変えるなどして何枚も撮影。

浸水した場合は、壁などに残った水の跡を、メジャーなどを当てた状態で撮影しておくとよいです。

罹災証明書とは?

災害によって被害が生じた場合、被災した市区町村などの自治体は国の基準に基づいて被害調査を行います。

そして被害を受けた家屋を、種類や大きさを「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」「全焼」「半焼」「床上浸水」「床下浸水」などといった区分に分けて判定します。

この判定の結果を証明する書類が「罹災証明書」です。

これは主に住居に関する被害の公式な証明になります。

ただし、一部の自治体では被災した人の人的被害、農業用施設・設備の被害も対象に加えています。

罹災証明書は、被災時に受けられる支援金や義援金、税金の減免などといった公的支援を得るために、必要になります。

また、この被害認定は行政の支援制度に関するための認定で、民間の損害保険などの「損害査定」とは異なります。

罹災証明があれば、損害査定も同等になるわけではないことも、覚えておきましょう。

ただし被害状況の詳細な写真は、民間の損害保険の「損害査定」にも非常に役立ちます。

罹災証明書と被災証明の違いとは?

被災後、公的支援の申請には欠かせない「罹災証明書」ですが、実は国によって統一された書式が規定されているわけではありません。

また罹災を証明する対象も市区町村などの自治体によって、住居だけを対象にする場合や建造物全般や農業用施設・設備の被害までも対象にする場合、また建物だけでなく人的被害も「罹災証明書」の対象にするケースなどがあります。

さらに「罹災証明書」のほかに、災害によって被害を受けた住民であることを証明する「被災証明書」という書類を発行する自治体もあります。

これらは自治体によってバラバラのため、実際に被災してしまった場合は、自分の住む市区町村に直接問い合わせを行って、罹災証明書の被害の対象はどのようなものか、また罹災証明書以外に被災証明書なども発行されるかどうかを確認することが大切です。

この記事では、ひとまず公的支援申請に欠かせない罹災証明書(主に住居に関する被害の証明)について説明します。

発行される対象になる災害

壊れた家ではこの罹災証明書は、どのようなときに発行されるのでしょうか。

罹災証明書は、災害対策基本法に基づいて発行されます。
罹災証明書が発行される対象となる災害は、国や県が指定した災害のことを指します。

具体的には、以下の原因により、住家等に被害が発生した場合。

  • 暴風
  • 竜巻
  • 豪雨
  • 豪雪
  • 洪水
  • がけ崩れ
  • 土石流
  • 高潮
  • 地震
  • 津波
  • 噴火
  • 地滑り
  • その他の異常な自然現象
  • 大規模な火事
  • 爆発

罹災証明書は基本的に、お住いの市区町村に申請しますが、火災に起因するもの(爆発を含む)に限っては、住んでいる地区の消防署に申請する場合もあります(市区町村によっては、火災も含め罹災証明書は一括して各役所で受け付ける場合もあります)。

基本的には「住居」が損壊した場合に発行される

先ほどもご説明した通り、罹災証明書が発行されるのは、原則として生活している「住居」が損壊した場合です。

ただし自治体によっては被災した住民の「人的被害」や「農業用施設・設備」などの被害も対象にしているケースがあります。

ここでは「住家の被害」と「人的被害」の被害程度の判定区分についてみていきましょう。

住家の被害

罹災証明書の対象は、持ち家か賃貸かを問わず、人が住居している家屋建物という意味の「住家」です。

倉庫やガレージ、人が住んでいない事務所や店舗などはその対象ではありません。

住家を調査し、被害が認定されたものについて罹災証明書が発行されるのですが、被害の程度は以下の通りに区分されています。

  • 全壊
  • 大規模半壊
  • 半壊
  • 一部損壊
  • 床上浸水
  • 床下浸水
  • 全焼
  • 半焼

人的被害

  • 死者
  • 行方不明
  • 重傷
  • 軽傷

罹災証明書の申請が行える人

罹災証明の発行申請は、被災した住家の居住者、または所有者が行います。

被災者以外の人が代理人となって申請する場合は、委任状が必要。

ただし、被災者と同一世帯の人や三親等以内の親族、また法定代理人などが申請を行う場合は、委任状が不要としている自治体もありますが、その場合は戸籍謄本や住民票など被災者との関係がわかる書類が必要となります。

賃貸でも罹災証明書は取得できる!

さまざまな公的支援を受けるとき必要になる「罹災証明書」は、住家に対しての罹災証明ではありますが、その家の持ち主だけでなく、賃貸契約などを結んでそこに住んでいる人自身が申請を行うこともできます。

被災した時は、大家さんや管理会社などとも相談したうえで、自分の被災を証明できる罹災証明書を確実に申請し、発行してもらえるように手続きを行いましょう。

申請するときに必要なもの

印鑑さてここからは実際に罹災証明書を発行するまでの具体的な方法を解説します。
まずは申請に必要なものをリストにしました。

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◆罹災証明交付申請書

市区町村の役場にも置いてありますが、市区町村のホームページからもダウンロードして使用できる場合が多いです。
市区町村によって申請書の書式が異なるので、必ず申請する市区町村指定の申請書に記入を行います。

◆被害状況が確認できる写真など

被害を受けた住家の状況を撮影した写真を持参します。
携帯電話やデジカメなどで撮影したものも、プリントアウトして持っていきましょう。
なるべく詳しい被害状況がわかるように、撮影した写真は複数枚提出することをお勧めします。

◆身分証明書

本人確認のための身分証明書、運転免許証、パスポート、健康保険証など。
被災して、こうした身分証明書が焼失、流失、紛失してしまったような場合は、お住いの市区町村の役場へ相談してください。

◆印鑑・その他

ほとんどの場合、罹災証明書の申請時に必要。
身分証明書同様、被災して印鑑が手元にない場合なども、市区町村の役場へ相談しましょう。

ほかにも自治体によって、申請時に必要となるものがある場合があります。
自治体のホームページをよく確認して、申請に必要なものを準備しましょう。

罹災証明書を取得する流れ

さて、実際に罹災証明書を取得する流れを見てみましょう。

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◆罹災証明の申請

まずは役所に上記の罹災証明の申請を行います。

◆調査員による現地調査

すると、調査員による現地調査(住家の被害程度を調べること)が行われます。

通常は家屋建物の外観を目視することで、住家の損壊の程度を把握したり建造物の傾きを計測する程度です。
ただし、外側から見ただけではわからない被害が家の内部に起こっている場合は、被災者側から申し出ることで、内部の調査が行われるケースも。

被害の程度によって、今後の公的支援に大きく違いが出ることを踏まえ、調査員にはしっかりと自分の被害を把握してもらえるよう、住家の外側・内側にかかわらず破損した箇所を自ら指摘して納得のいく判定をしてもらいましょう。

*現地調査については、大規模・広範囲な被害が起こった場合は省略され、写真を添付した被災者の申し立てにより、被災のレベルを判定するケースもあります。
それだけに、被災直後の写真撮影は重要です!

◆罹災証明書の発行

調査後、市区町村の担当職員などが、内閣府の被害認定基準の運用指針に従い、被害の程度を認定して、罹災証明書を発行します。
ただし、現地調査から罹災証明の発行までは、1週間程度(大規模災害の場合は1か月~3か月程度)かかります。

発行された罹災証明書には「全壊」「大規模半壊」「一部損壊」などといった、被害の程度を認定した結果が記載されます。
この認定結果が納得できない場合は、被災者が不服を申し立て、再調査してもらえる場合もあります。

注意! 自治体が被災家屋を現地調査するのは同じでも、応急危険度判定と罹災証明書の認定は別物

災害時の現地調査には、この罹災証明書発行のための調査以外に、被災直後に行われる「応急危険度判定」の調査があります。
これは地震などが起きた時、被災した建物の危険度を調べるものです。

この2つは混同されがちですが、まったく別のもの。
罹災証明書の発行を求める場合は、役所に申請して調査を依頼しなければいけません。

応急危険度判定については、こちらの記事で詳しく説明しています。

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注意!罹災証明書の申請には期限がある

カレンダー罹災証明書の申請には、期限があります。
この申請期限を過ぎてしまうと、罹災証明書の発行を受けられず、公的支援を受けることができなくなってしまいます。

やむを得ない事情で、期限内に申請ができなかった・できそうにない場合は、救済措置が認められることもありますので、あきらめずに役所に相談してみましょう。

自治体(災害の規模)により、申請の期限にはバラつきがありますが、多くの自治体は災害時から3か月としている場合が多いようです。

しかし中には、1か月程度のところもあれば、半年以上も期限がある場合もあります。

災害時には、お住いの自治体のホームぺージや広報などで、申請期間について広報されることが多いので、意識して確認しましょう。

証明書発行に時間がかかるようなときは即日発行の「罹災届出証明書」の発行を申請

罹災証明書発行の流れの項でも説明した通り、罹災証明書の発行には1週間かそれ以上の時間がかかります。

しかし罹災証明書は、公的支援の申し込みや保険金請求にも必要な大事な書類です。

なるべく早くこうした手続きを行うためには「罹災届出証明書」の発行を申請しましょう。

少々ややこしいのですが「罹災届出証明書」は、「罹災証明書の発行を申請したことを証明する書類」です。
これは罹災証明書の申請をした日に、即日無料で発行してもらえます。

正式な罹災証明書の発行が後日になっても、この罹災届で証明書を提出することで、各種の公的支援の申し込みや保険金請求などを受け付けてもらえるケースも多いのです。

できるだけ早く、生活再建のために支援を受けたいという場合は「罹災届出証明書」も大いに活用しましょう。

被災したらどんな支援が受けられるの? 何をしてもらえるの?

ハートを差し出す人ここからは実際に、被災した時にどのような支援が受けられるかをご紹介します。

支援の中には、国が行う公的支援、民間あるいは国民の善意による民間支援などがあります。

支援制度は多岐にわたり、ここですべてをご紹介することはできませんが、主に生活面(経済面)に関する支援と子供に関する支援について、住宅面に関する支援をメインに見ていきましょう。

また、このような支援には、被災者であれば無条件に受けられるものと、被災者自身が申請することにより支援が受けられるものとがあります。

なお各支援の詳細は、災害の規模やお住いの市区町村によって異なるので、実際に支援を受けたい場合は、都道府県や市区町村へお問い合わせください。

この章のポイント

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被災直後の支援(支援物資、人的支援など)

被災直後、国からの支援としてまずは「プッシュ型」と呼ばれる支援が始まります。

これは避難所に設置される緊急支援物資などで、簡易トイレやベッド、毛布、非常用食料などです。
また、子供に対しての学用品や教科書などの無料供与も行われます。

同時に個人や団体からの支援物資として、食料、医療、生活用品などの支援も始まります。

そして人的な支援も被災直後から、スタートします。

被災した家屋などの片付けのサポート、救護など民間の生活支援ボランティアによる支援のほか、
自治体によるカウンセリング医師の派遣などのサポートもあります。

こうした被災直後の支援は、被災者であればだれでも受けることができます。

経済・生活面への公的な資金支援

経済・生活の不安被災後の困窮した生活の状況を支援するため、国や自治体はさまざまな支援制度を整えています。

まずは、経済・生活面への公的な支援についてみていきましょう。

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◆災害弔慰金

災害によって死亡された方の遺族に支給されます。
お住いの市区町村条例によって、支給される額はまちまちですが、生計維持者が死亡した場合は500万円以下、その他の者が死亡した場合は250万円以下が支給されます。

問い合わせ先:お住いの市区町村

◆災害障害見舞金

災害による負傷、疾病で精神または身体に著しい障害が出た場合に支給されます。

こちらも市区町村条例により、支給額はまちまちです。
生計維持者が重度の障害を受けた場合は250万円以下、その他の者が重度の障害を受けた場合は125万円以下が支給されます。

問い合わせ先:お住いの市区町村

◆被災者生活再建支援制度

災害によって住家が全壊するなど、生活基盤に甚大な被害を受けた世帯に対して支給されます。

支給額は、以下の2つの支援金の合計額。
ただし世帯人数が1人の場合は、各該当欄の金額が4分の3になります。

住家の被害程度に応じて支給される支援金(基礎支援金)

  • 全壊程度…100万円
  • 大規模半壊程度…50万円

住宅の再建方法に応じて支給する支援金(加算支援金)

  • 建設・購入の場合…200万円
  • 補修の場合…100万円
  • 賃貸(公営住宅を除く)…50万円

*一時住宅を賃貸したのちに住家を再建・購入(または補修)する場合は、合計で200(補修の場合は100)万円

この支援金の使途は、限定されていないので、住宅の再建や補修以外にも使うことができます。

問い合わせ先:都道府県、市区町村

◆災害援護資金

災害によって、負傷またや住居、家財の損害を受けた被災者に、生活再建に必要な資金を貸し付ける制度です。
最大で350万円を、無利子期間を含む低金利で貸し付けます。

問い合わせ先:市区町村

◆生活福祉資金制度による貸し付け(緊急小口資金・福祉費)

金融機関などからの借り入れが困難な低所得世帯、障碍者世帯や高齢者世帯に対し、経済的自立と生活の安定をはかるために必要な経費を貸し付ける制度です。

  • 緊急小口資金
    緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合の10万円以内の少額費用の貸し付け
  • 福祉費
    災害を受けたことにより臨時に必要となる費用の貸し付け。150万円が上限

*生活福祉資金には、このほかに総合支援金、教育支援資金、不動産担保型生活資金などがあります。

問い合わせ先:都道府県社会福祉協議会または市区町村社会福祉協議会

なお、上記以外にも、経済・生活面の公的支援として「母子父子寡婦福祉資金貸付金」や「年金担保貸付」「労災年金担保貸付」などの制度もあります。

また、生活に現に困窮している場合は、資金の給付、還付、現物支給、現物貸与が受けられる「生活保護」や「生活困窮者自立支援制度」などを利用することもできます。

問い合わせ先:都道府県、市区町村、自立相談支援機関

子供に関する公的支援制度

子供の困りごと子供の養育や就学についての公的支援もたくさんあります。
災害によって家計が苦しくなった時も、子供によりよい教育を受けさせる手立てはたくさんあります。

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◆幼稚園への就園奨励事業

保護者の所得状況に応じて、幼稚園の入園料、保育料を軽減されます。

問い合わせ先:市区町村、幼稚園

◆教科書等の無償給与

災害により学用品を失った小・中学校、高校学校等の児童、生徒に対して、教科書や教材、文房具、通学用品が支給されます。

問い合わせ先:都道府県、災害救助法が適用された市区町村

◆特別支援学校等への就学奨励事業

被災して、特別支援学校等への就学支援が必要になった幼児、児童または生徒の保護者を対象に、通学費、学用品などの支援があります。

問い合わせ先:都道府県、市区町村、学校

◆小・中学生の就学援助措置

被災により就学が困難な児童・生徒の保護者を対象として、就学に必要な学用品費、新入学用品費、通学費、校外活動費、学校給食費等を援助してくれます。

問い合わせ先:都道府県、市区町村、学校

◆高等学校授業料等減免措置

災害による経済的な理由によって授業料等の納付が困難な生徒を対象に、授業料、受講料、入学料および入学者選抜手数料などの徴収猶予または減額、免除が受けられます。

問い合わせ先:都道府県、市区町村、学校

◆大学等授業料等減免措置

災害により、家計が急変した等の理由から授業料などの納付が困難な学生を対象に、各学校(大学、短期大学、大学院、高等専門学校)において授業料等の減額、免除が受けられます。
*具体的な基準や減免額などは学校ごとに異なります。

問い合わせ先:在籍する各学校

◆国の教育ローン

入学資金・在学資金等の教育資金の融資(学生・生徒1人当たり350万円以内)が受けられます。
*世帯年収に関する上限額の設定(所得制限)があります。

問い合わせ先:株式会社日本政策銀行公庫、沖縄振興開発金融公庫

◆緊急採用奨学金

災害などにより家計が急変した学生・生徒(大学、短期大学大学院、高校専門学校、専修学校)に対して緊急採用奨学金の貸与が行われます。

問い合わせ先:在籍する各学校

◆児童扶養手当等の特別措置

被災者に対する児童扶養手当・特別児童扶養手当・特別障碍者手当・障碍児福祉手当などについて、所得制限の特例措置が講じられます。

問い合わせ先:市区町村

住まいに関する支援制度

住居関連の困りごと災害によって損壊した住家を再建したり、住めなくなった家を安全に取り壊して整地したり、住む場所がなくなった場合に仮設住宅などを手当てする支援などを見ていきましょう。

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◆災害復興住宅融資(建設)

自然災害により被害が生じた住宅の所有者または居住者で、地方公共団体から半壊以上の「罹災証明書」を交付されている人が住宅を建設する場合に受けられる融資制度です。

基本の融資額は、建設資金として1680万円、土地取得資金として970万円、整地資金として450万円、特例加算額として520万円を上限に、低金利で資金を融資するものです。

問い合わせ先:独立行政法人住宅金融支援機構、沖縄振興開発金融公庫

◆災害復興住宅融資(新築住宅購入、中古住宅購入)

自然災害により被害が生じた住宅の所有者または居住者で、地方公共団体から半壊以上の「罹災証明書」を交付されている人が新築住宅、中古住宅を購入する場合に受けられる融資制度です。

基本の融資額の上限は2650万円、特例加算額の上限520万円を、融資してもらえます。

問い合わせ先:独立行政法人住宅金融支援機構、沖縄振興開発金融公庫

◆災害復興住宅融資(補修)

自然災害により被害が生じた住宅の所有者または居住者で、地方公共団体から「罹災証明書」を交付された方が、住宅を補修する場合に受けられる融資制度です。

基本融資額740万円、整地資金・引方移転資金450万円を上限に、融資が受けられます。

問い合わせ先:独立行政法人住宅金融支援機構、沖縄振興開発金融公庫

◆公営住宅への入居

低所得の被災者の方は、都道府県または市区町村が整備する公営住宅に入居することができます。

公営住宅の家賃は収入に応じて設定されていますが、必要があると認められる場合は、一定期間家賃が減免される場合もあります。

問い合わせ先:都道府県、市区町村

◆特定優良賃貸住宅・地域優良賃貸住宅への入居

被災者は、都道府県、市区町村、地方住宅供給公社、民間土地所有者等が整備する特定優良賃貸住宅等に入居することができます。
*既定の所得があることが条件です。

問い合わせ先:都道府県、市区町村

◆障害物の除去(災害救援法)

災害救助法に基づく障害物の除去を支援してもらえます。

これは災害によって土砂、竹木等の障害物が住家またはその周辺に運びこまれ、日常生活を営むのに支障をきたしている場合に、それらの障害物を取り除く費用を、国や自治体が引き受ける制度です。

問い合わせ先:都道府県、災害救助法が適用された市区町村

◆住居の応急修理(災害救助法)

災害によって住宅が半壊もしくは、これに準ずる程度の損傷を受けたり、大規模な補修を行わなければ居住することが困難である世帯に対し、被災した住居の居室、台所、トイレ等日常生活に必要な最小限度の部分を応急的に修理してもらえる制度です。

応急修理は市区町村が業者に委託して実施し、修理限度額は令和元年10月基準において、1世帯当たり、最大で59万5千円以内(一部損壊などの場合は上限が30万円)となっています。

*この支援が受けられるのは、罹災証明に、全壊・大規模半壊・半壊及び一部損壊と記載されており、応急仮設住宅に入居していない方です。

問い合わせ先:都道府県、災害救助法が適用された市区町村

◆その他の住宅関連の支援

上記の支援以外にも

  • 住宅金融支援機構融資の返済方法の変更
  • 生活福祉資金制度による貸し付け(住宅補償費)
  • 母子父子寡婦福祉資金の住宅資金融資
  • 宅地防災工事融資
  • 地すべり等関連住宅融資
  • 住宅の耐震化事業

など、さまざまな支援制度があります。

実際に被災し、住宅に関する支援を考えているときは、お住いの市区町村などにどのような支援制度を利用することができるか、ご相談ください。

税金支払いなどの猶予、減免

税金・公共料金の困りごと被災者には、税金の支払いや医療保険料などの減免、支払い猶予などの支援制度が整備されています。主だったものをご紹介します。

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◆地方税の特別措置

災害によって被害を受けた場合、被災納税者の地方税(個人住民税、固定資産税、自動車税など)について、一部軽減または免除を受けることができます。

またこれらの税金の支払い期限の猶予が認められる場合もあります。

問い合わせ先:都道府県、市区町村の納税課など

◆国税の特別措置

被災者は国税の減免、猶予(支払期限の延長、金利の引き下げ)などの支援が受けられます。

予定納税の減額、給与所得者の源泉所得税および復興特別所得税などの徴収猶予、諸独勢の期限などの支援があります。

災害により住宅や家財に被害を受けた場合は、確定申告で雑損控除か税金の軽減免除のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部または一部を軽減することができます。

問い合わせ先:税務署

◆医療保険、介護保険の保険料・窓口負担の減免処置等

被災して収入の減少などの特別な理由により、保険料・窓口負担の支払いが困難と認められる方は、国民健康保険、後期高齢者医療制度の保険料や窓口負担の減免・支払い猶予などが受けられる場合があります。

健康保険等の被保険者の窓口負担の減免措置も受けられる場合があります。

また介護保険料と窓口負担についても、減免措置が講じられる場合があります。

問い合わせ先:健康保険組合、全国健康保険協会、市区町村の国民健康保険・介護保険窓口、国保組合、後期高齢者医療広域連合、共済組合などの各医療保険者・介護保険者の窓口

◆公共料金・使用料等の特別措置

災害による被害を受けた被災者に対しては、都道府県や市区町村において各自治体が所管する公共料金や施設使用料、保育料などが軽減、免除されることがあります。

電気やガス、電話料金などについても各種料金の軽減・免除が実施される場合があります。

問い合わせ先:都道府県、市区町村、関係事業者

◆放送受信料の免除(NHK)

被災した受信契約者の放送受信料が、一定期間免除される場合があります。

問い合わせ先:日本放送協会

これ以外にも障害福祉サービスなどの利用者負担金の減免などが受けられるケースもあります。

こうした情報は、お住いの市区町村の広報誌やHPなどに掲示されている場合が多いので、どのような支援が受けられるのか、見逃さずにチェックしましょう。

その他の支援

ほかにも被災者が受けられる公的支援には様々なものがあります。

身近なものでは、

  • 粗大ゴミ処理手数料の免除
  • 被災による離職関連のケア(未払い賃金立て替え払い制度など)
  • 再就職の支援
  • 法的トラブルに関する情報提供
  • 中小企業・自営者への支援
  • 安全な地域づくりへの支援

など、たくさんの支援制度が整備されています。

また被災したことによる様々な心配事への相談窓口も、各種設置。

お金の心配から、精神面の不安、人権相談、行政への苦情などいろいろな相談窓口が準備されていますので、悩みごとはひとりで抱え込まず、ぜひこうした公的な相談窓口を利用しましょう。

義援金・支援金・寄付金

一万円札大きな災害が起こると、全国から支援の手が差し伸べられ「義援金」「支援金」「寄付金」などが寄せられます。
これらは実際に被災者となった人たちをどのように支援してくれるのかも押さえておきましょう。

  • 義援金
    被災者に直接、渡されるお金。ただし被災者に平等に渡すために、被災からしばらくたってからの配布となる。
  • 支援金
    被災地で活動するNPO・NGO団体や機関に対してのお金。
  • 寄付金
    被災者支援活動をする団体(自治体やNPOなど)へのお金。公共道路や湾岸の復旧支援事業などに使用されることが多い。

どれも被災者・被災地のために全国から集まったお金・支援には違いないのですが、その使われ方が違います。

被災者本人が実際にお金として受け取れるのは「義援金」となります。

東日本大震災では、義援金受付窓口の役割を担う日本赤十字社に3000億円以上の義援金が集まりましたが、実際に被災者の手元に配分された最初のお金(義援金は期間を区切って、それまでに集まった義援金を被災者に公平に分配していきます)が届くまでは、最短でも数か月かかったそうです。

ありがたいお金ではありますが、被災直後の生活資金に義援金を充てるのは、難しいでしょう。

分配される金額・時期ともに不確定なものなので、生活再建には義援金を考慮に入れず、プランを練るべきです。

まとめ 待っているだけではダメ! 被災支援は、積極的に利用しよう!

手を差し伸べる女性被災して大きな被害を受けたら、誰もが「これから自分たちはどうなってしまうんだろう」と不安に駆られるのは当たり前です。
けれども、調べてみると公的にもまた民間からも、たくさんの支援の手は差し伸べられています。

今回記事を書くにあたり、内閣府が出している「被災者支援に関する各種制度の概要」という資料を精読しましたが、ここでご紹介した以外にも細やかな支援がたくさん整備されています。

ただし被災したからと言って、支援を待っているだけではダメです。

詳しくご紹介した、公的支援申請の第一関門ともいえる罹災証明書の取得を行い、ネットで調べたり市区町村の窓口などで相談をして、自分たちの家族が利用できる支援制度がないかを調べ、積極的にこの制度を利用すべく申請を行うことが重要。

慣れない申請書類を書くのは大変でしょうし、困窮を訴えて支援を求めるのは勇気のいることでもありますが、これは日本に住む私たちの権利です。

利用できるものは上手に利用して、速やかに暮らしを再建し、戻通りの生活を取り戻しましょう。

そして復興後にまた日本のどこかで大きな災害が起こった際には、ボランティアに駆け付ける、義援金を送るなどして、新たに困った人たちを手助けすればよいのです。

子供たちの将来のためにも、あらゆる支援制度を利用して、明るい未来を切り開いていくことこそ、ママとパパの責務です。がんばって!

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odaao

女性誌・子育て誌・医療情報誌などでフリーライターとして執筆する40代ワーキングマザー。東日本大震災時の激しい揺れとその後の恐怖がいまだぬぐえず、今も地震の非常警報音に毎度飛び上がり、心臓バクバク。絶賛反抗期中の中学生の息子が震度4程度の地震では目を覚まさない図太さを、少々うらやましく感じる今日この頃。

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