豪雨・台風の被害を受けやすい地域といえば、どこをイメージしますか?
西日本、とくに九州・沖縄が真っ先に思い浮かんで、東日本はあまり水害の被害を受けるイメージがないかもしれません。
福岡出身の私も、東京で暮らしはじめてしばらくはお気楽に考えていました。
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しかし近年、2019年の台風19号や2021年8月の豪雨など、全国的に被害の出る大きな風水害が起こるようになってきています。
どこに住んでいても台風や豪雨の被害を受けるかもしれないと、気を引き締めるきっかけになりました。
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福岡に住んでいた頃、7〜9月は台風のシーズンで、台風や豪雨の予報が出ると家族で対策するのが当たり前でした。
私が実際に体験したエピソードを交えて、豪雨・台風時に注意したいポイントを紹介します。
この記事の目次
台風が来る前にしておきたいこと
地震や火災などの災害とは違い、台風は毎年必ず発生しますし、日本にやってくる時期もだいたい決まっています。
風雨の強さや規模、上陸のタイミングなども、事前に気象予報で情報をキャッチできるのが特徴です。
その点を活かして、普段からできる備えと事前の対策をしっかり実行しましょう!
雨風への対策
台風上陸のタイミングが分かったら、雨が降り出す前に家の中や周辺の対策を行います。
基本的な対策
- 屋外にあるものを家の中に入れる(植木・バケツ・サンダルなど)
- 雨戸・シャッターを閉める
- 雨戸がない窓の保護(内側からダンボールを貼る・カーテンを閉める)
- 風が強い台風の場合は網戸や物干し竿を外して家の中に入れる
- 玄関や倉庫の入り口の止水(土のう・水のう・止水板)
- 換気扇を止める
ダンボールは必須アイテム
ダンボールは台風対策に欠かせません。
窓の保護に使ったり、水のうを入れて止水板代わりにしたりと、いろいろな使い道があります。
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より詳細な自宅の台風対策については、こちらの記事をご参照ください。
もっと詳しく
家庭菜園の対策
私の実家の庭では、母が野菜やブルーベリーの木を植えて家庭菜園をしています。
台風襲来前に収穫できるものは収穫しますが、できないものはどうするか。
母「収穫できん分はあきらめるかな。無事やったらラッキーくらいで。」
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母「仕方ないよ。だって台風やもん!」
もったいないからと台風の直前まで収穫を続けたり、暴風域に入ってから様子を見に行くのは危険です。
ある程度対策をしたら、自分の身を守ることを最優先にしましょう。
明かり・情報収集・ヒマつぶしを確保
家の内外の対策ができたら、自宅で過ごすことを考えて準備しましょう。
明かりの確保
雨戸を閉めたりダンボールで窓を覆ったりするので、部屋の中は暗くなります。
暴風域に入ると停電も起こりやすいので、明かりになるものを準備しましょう。
明かりになるもの
- 懐中電灯
- 電池式・充電式のライト・ランタン
- ろうそく
地震時の停電でろうそくを使うのは危険ですが、実家では台風時の停電対策としてろうそくを準備していました。
ろうそくは電気を必要としないので、電池やバッテリーを温存することができます。
誕生日やクリスマスで使ったろうそくがあれば、いざというときに明かりを確保するための手段になります。
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実際にろうそくを使うときは、付近に燃えやすいものを置かず、必ず大人が火のそばにいるようにしましょう。
子どもには「ろうそくには触らない」「近くで騒いだり、走ったりしない」と注意します。
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情報収集はとても大事
台風の情報を事前にしっかりチェックして、住んでいる地域が暴風域に入る時間帯を把握しておきましょう。
低い土地や崖の近くに住んでいる人は、台風が来る前に避難するかどうかを決めておきます。
避難する場合は天候が崩れる前に移動しましょう。
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事前に台風情報を入手していても、途中で進路が変わったり、予想以上に速度が遅い場合もあります。
テレビやスマホで情報収集することもできますが、台風の影響で停電になったり、通信環境が不安定になることも…。
充電式・電池式ラジオがあれば、台風下でも安定して情報収集ができます。
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![ノマリ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2023/12/ノマリ1.webp)
ごみ収集日に台風が来たら
意外と気になるのがごみの収集。
台風と収集日が重なると、「今日のごみ収集はあるの?ないの?」とやきもきしますよね。
台風でごみの収集が中止される場合は、町内放送や自治体のホームページでお知らせがあります。
情報がキャッチできずよくわからないときは、出さないほうが無難です。
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ご近所の目も痛い…。
アナログなヒマつぶしは必須
自宅が暴風域に入ると、家から出られずテレビも台風情報ばかり。
子どもはすぐに退屈してしまうので、ヒマつぶしを準備しておきましょう。
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90年代の台風あるあるですね。
電気やインターネットを必要としないゲームなどを準備しておけば、停電や通信障害が起きても安定して遊べます。
台風時に最適なヒマつぶし
- トランプ・UNOなどのカードゲーム
- オセロ・将棋
- あまり字が小さくない本
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それがきっかけで弟は将棋にハマっていったので、普段やらない遊びに挑戦するチャンスかも。
テーブル周辺はすっきりと
停電になったらすぐ手に取れるよう、テーブルの真ん中に明かりとラジオだけを置いて、他は何も置かないようにします。
つまずくと危ないので、テーブル周辺の床もきれいに片付けておきましょう。
![台風への備え(テーブルの上)](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2024/01/【台風・水害】暴風域の室内イメージ.jpg)
テーブルの上に置くのはこれだけ!
いざ停電になったら、テーブルに一番近い大人が明かりをつけ、それまで他の家族は動かないようにします。
テーブルに向かうとき、他の家族にぶつかったり手足を踏んづけたりすることがあるので、
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などお互いに声をかけ合いながら行くと安全です。
停電になったときの対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。
もっと詳しく
常温保存・すぐ食べられるものを準備
いつ停電になるかわからないので、常温保存できて調理がいらない食品を準備するのがおすすめです。
常温保存できる食品
- パン
- お菓子類
- そのまま食べられる食品
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![トコ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2023/12/トコ1.webp)
常温保存できる食品は、こちらの記事で詳しく紹介しています。普段のローリングストックにもおすすめですよ。
もっと詳しく
体調不良に備えよう
台風による急激な気圧の変化で、体調を崩す人もいます。
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私も気象病に悩まされている1人です。
天候の影響で体調が悪くなりやすい人は、いつも飲んでいる薬や鎮痛薬の準備を忘れずに。
台風前にゆっくりお風呂に浸かったり、早めに寝てしまうのもおすすめです。
こちらの記事で、気象病についても触れています。
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ペットへの対応は慎重に
台風の前はなんとなく不安になったりソワソワしたりしますが、それはペットも同じです。
家への出入りが多くなる台風前は、隙をついてペットが脱走することがあるので注意しましょう。
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すぐに探しましたが見つからず、風が強くなってきたので断念して家に入りました。
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暴風雨の中、どこでどう過ごしていたのやら…。
きちんと家の中に入れるまで気を抜いてはいけないと反省しました。
家の中で飼っているペットであれば、ケージに入れるかリードにつないでおくのがおすすめです。
どさくさでペットが逃げ出してしまっても、探すのは台風が過ぎてからにしましょう。
台風に限らず、ペットのための防災についてこちらの記事で詳しく紹介しています。
もっと詳しく
住んでいる地域が暴風域に入ったら
自宅が暴風域に入ったら、「ついに来たか!」と緊張感が高まります。
すでに準備は済んでいるので家の中で静かに過ごすだけですが、私の思う心構えをご紹介します。
基本的に家から出ない
自宅が暴風域に入っている間は、絶対に家から出ないようにしましょう。
外で大きな物音がしたり、何かが家の外壁にぶつかったりして気になっても、確認するのは台風が去ってから。
テレビの映りやインターネットの通信状況が悪くなったとしても、修理のために外に出るのはやめましょう。
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「えっ、あの人何しよんしゃあと!?」と家族であ然としました。よほど見たい番組があったのか…。
台風の中、どんな場合でも「様子を見に行く」は厳禁です。
家の外に出る(ましてや屋根に上がるなんて)ことは、絶対にやめましょう。
学校や会社を休むことをためらわない
台風で休校になる基準は、各校や自治体によって異なります。
休校になる場合は前日か当日に学校からお知らせがありますが、早く知りたい人は休校の基準をチェックしておきましょう。
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台風が来ているのに会社が休業にならない場合、電車が運休していたらお休みすることも考えましょう。
振替輸送や別の交通手段で、無理に出社しようとするのはおすすめしません。
![トコ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2023/12/トコ1.webp)
![えるふ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2023/12/えるふ1.webp)
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台風のときに出社しても、普段どおり仕事ができるとは限りません。
行きはバスやタクシーに乗れても、帰りはバスも止まってタクシー乗り場は長蛇の列…なんてこともよくあります。
それでもどうしても休めない!という場合は、帰れなくなることを想定して出かけましょう。
大事な予定でもキャンセルする勇気を持つ
悲しいことに、旅行やイベントが台風と重なってしまうこともあります。
わかります!どうしても参加したい気持ちは、痛いほど…。
しかし命を危険に晒してまで、参加することはおすすめしません。
予定がある日に台風が来ると分かった時点で、キャンセルポリシーを確認して心の準備をしておきます。
そして当日に台風が直撃すると確定したら、潔くキャンセルしましょう。
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かなり前から計画してることや海外旅行だったら、ギリギリまで決断できないかも。
チケットは無駄になったけど仕方ない、だって台風やもん!
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無理に決行すると、本当に大変な目に遭うことがあります。
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ひざまで水に浸かりながら、見知らぬおばあさんをおぶって脱出したそうです。
規模の大きい台風が来るとわかっているときは、自分の身の安全を最優先してください。
自分自身が無事なら、楽しいイベントに参加できる日は必ずまた来ます。
車の運転をするのはとても危険
暴風雨の中、車の運転をするのは本っっ当に危険です!
強風で車があおられたり、ハンドルが取られてまっすぐ走れなかったり…。
また、屋内からは大したことない雨に見えても、外に出るとかなり降っていることがあります。
大雨のときはワイパーを最速にしても追いつかず、昼間でも薄暗いのでかなり視界が悪いです。
![台風の日の車の運転イメージ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2024/01/【台風・水害】屋内からの雨と車内からの雨の差イメージ画像-2.jpg)
水滴で対向車や車線がよく見えません。
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道路に水が溜まっていると、雨の波紋やヘッドライトの反射で車線や停止線が見えなくなります。
![車線が見えなくなっている道路のイメージ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2024/01/【台風・水害】屋内からの雨と車内からの雨の差イメージ画像.jpg)
停止線が見えなくなっています。街中はまだいいですが、田舎道だったら…。
街灯や建物のある場所なら何となく周囲が見えるかもしれませんが、街灯がなく暗い道路では曲がる箇所すら見えない場合があります。
最悪、自分がどこを走っているのか分からなくなってしまったり、側溝に脱輪して身動きが取れなくなることも。
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お願いだから家にいてください!
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地下・低い場所に行かない
豪雨というほどでなくても、長時間降ることで低い場所に水が溜まっていることがあります。
地下やアンダーパス(道路や線路の下を通っている掘り下げ式の地下道)は特に注意!
地下には地上から一気に水が流れ込むことがあり、過去には死亡事故も起きています。(※1)
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アンダーパスも冠水のリスクが高く、とても危険です。
![アンダーパスのイメージ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2024/01/【台風・水害】車が沈んだアンダーパスのイメージ画像.jpg)
通常の道路より低い場所を通っているのがアンダーパスです
普通の道路が冠水していなくても、アンダーパスには水が溜まってかなりの深さになっていることもあります。
アンダーパスは傾斜があるため、手前からは冠水の深さがわかりにくいことも多いです。
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「水が溜まってるな」と思ってよく見ると、水面によその車の天井が少し出ていることに気付いて、あわてて引き返したそうです。
![冠水したアンダーパスのイメージ](https://itumosimo.jp/wp-content/uploads/2024/01/【台風・水害】車が沈んだアンダーパスのイメージ画像-1.jpg)
冠水して車が沈んだアンダーパスのイメージ画像です
雨が続いているときはなるべく地下には行かない、低くなっている場所は迂回するようにしましょう!
台風が過ぎてから
台風が過ぎると晴れ晴れとした青空が広がって、とても爽快な気分になります。
すぐ外に出て片付けをしたり、家の中に入れたものを外に戻したりしたくなりますが、ちょっと待った!
台風一過の後に注意したいことをご紹介します。
すぐ外に出るのは危険
子どもの頃、家の中でこんなやり取りをよくしていました。
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父「台風の目やけん、まだ外出たらいかん!」
風雨が弱まっても、台風が過ぎ去ったとは限りません。
住んでいる地域が台風の目(台風の中心部分)に入ったことによる可能性があるからです。
台風の目に入っているうちは穏やかな天気になり、晴れ間が見えることもあります。
しかし台風の目から外れると、また風雨は強まってきます。
雨や風の勢いが弱まったかな?と思ったら、気象情報で台風の進路を確認してください。
住んでいる地域が確実に暴風域から抜けたことを確認してから、外に出るようにしましょう。
台風の被害を受けたものに触らない
台風の後外に出ると、物が壊れたり、水や泥が溜まったりしている場所があります。
大人は対策をして片付けを行いますが、子どもは珍しがってうっかり触ってしまうことがあるかもしれません。
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強風で割れたガラスが散乱していたり、切れた電線が垂れ下がっていたりと、触ると危険なことも多くあります。
子どもには「変わったことがあったら近寄らず、先生や保護者などの大人に知らせるように」と伝えましょう。
水不足に備えよう
意外かもしれませんが、水害が多い地域でも水不足になることがよくあります。
私が育った福岡県ではよく夏に渇水が起こり、計画断水など給水制限がかかることもありました。
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日本の河川は短く勾配が急なので、台風や集中豪雨で降った雨がすぐに海に流れてしまいます。(※2)
そのため降水量が多い地域でも、水不足になることがあるのです。
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渇水が分かってからあわてないように、普段から準備しておきたいですね。
水の備蓄について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。
もっと詳しく
まとめ
台風への備え
- 雨が降る前に対策・避難を終わらせる
- テーブルの上には明かりとラジオだけ、床の上を片付ける
- 暴風域に入ったら家から出ない
- 予定はすべてキャンセル
- 確実に台風が過ぎてから外に出る
- 水の備えを忘れずに
台風にあまり馴染みのない地域では、「大雨や強風くらいで会社を休んでいいの?」「いつも大したことないし、わざわざ対策するのは大げさなんじゃ…。」と感じることもあるかもしれません。
しかし、風水害のリスクは年々さまざまな地域で高まっています。
毎年台風が来る地域では当たり前の「台風のときは外に出ない」「台風が来ている地域に出かけない」がもっと広まって、台風のなか無理をする人が少しでも減ってほしい。
そんな気持ちで、本記事を書かせていただきました。
結果的に大したことがなくても、何もなければそれが一番。
「仕方ない、だって台風やもん!」が世間に浸透して、被害に遭う方が1人でも少なくなることを願っています。